2025426日(土)から59日(金)にかけてFUEL INC.の主催で代官山 蔦屋書店にて開催されていた「ZODIAC × 東本昌平 EXHIBITION」の模様について紹介する。

50年以上の歴史を持ち、現在も活動を続けている伝説のクラブ「ZODIAC MOTORCYCLE CLUB」と、そのメンバーのひとりで「キリン」「RIDEX」といった人気漫画の著者である東本昌平(はるもと しょうへい)氏がコラボレーションしての展示となった。

ZODIAC MOTORCYCLE CLUBと東本昌平 氏

展示内容を説明する前にZODIAC MOTORCYCLE CLUBと東本昌平 氏について紹介しておきたい。エキシビションでも販売されていた限定フォトブック「ZODIAC ZERO」にはZODIACというクラブの成り立ちと東本昌平 氏の想いがつづられている。

ZODIACは、
それぞれがソロライダーであり、
信用すべき個の集まりである。
故に、走り方は自由。
自由であり、強固である。
命、この刹那。
機械と人が混然一体となり
走る魂として地平の極みを駆け巡れ!

※出典:ZODIAC ZERO「-CLUB設立時の手記より-」

この詩的なメッセージからも読み取れるように、ZODIAC1970年代、他のバイクチーム・クラブとは一線を画したコンセプトで設立された。

1974年に東本昌平 氏が仲間と出会った平塚の喫茶店「コーヒータイム」。そこから始まった年に一度の走りおさめと走りはじめ、5年後の1979年にはクラブの名称「ZODIAC」が東京・中野のスナック「四季」において定められている。

ZODIAC MOTORCYCLE CLUBと東本昌平 氏を紹介したパネル展示。黒を基調としたイメージパネルがモノクロ写真とマッチしていた

 

それから50年以上を経たいまも、元旦の集まりは続けられており、それ以外は自由でよいという“冗談みたいなクラブ(東本氏 談)”がZODIACの本質だ。代表もリーダーもいない。ピラミッド型の組織ではなく円環型のクラブ形態。

そうした思想が静かに共感を呼び、現在でも日本の各地にメンバーがいて、伝説のクラブとしてより一層の崇敬を集めている。

エキシビションでの展示内容

展示スペースの手前に飾られた東本昌平 氏のサイドカー「クラウザー・ドマーニ」。東本家の夏休みバイクであり、6、7年くらい毎年一か月の旅に出たそうだ

 

エキシビションは、代官山 蔦屋書店2号館1階のクルマ・バイクコーナーで開催された。東本昌平 氏所有のカスタムバイク(実車)や未公開写真のパネル展示のほか、Tシャツ、フォトブックなど限定グッズの販売や複製原画の特別販売も行われた。

カスタム車両の展示

東本昌平 氏所有のカスタムバイクは常設展示された「クラウザー・ドマーニ」のほか、会期前半は「EGLI VINCENT」「カワサキ ZX-9R」、後半は「ホンダ CB750Four」「ホンダ Mighty Dax st90」が展示されていた。

会期前半に展示されていた「EGLI VINCENT」「カワサキ ZX-9R」のカスタムバイク ・写真:Yoshio Kobayashi

 

会期後半で展示されていた「ホンダ CB750Four」「ホンダ Mighty Dax st90」のカスタムバイク

 

ZODIAC仕様にカスタムされた「ホンダ CB750Four」。東本氏が“一番好きなバイク”だという。Afブランド(旭精器製作所)の風防が特徴的

 

複製原画の数量限定販売

会場では、東本氏所有の展示車両と、その車両のある風景・ワンシーンを描いた複製原画も販売されていた。数量限定で大変貴重なものだ。

展示車両の複製原画が飾られたパネル。ジークレー版画なので耐光性や保存性が高いものとなっている(税込88,880円~233,200円)

 

未公開写真等のパネル展示

ZODIACのメンバーが写されたモノクロ写真からは独特のカルチャーや空気感が感じられる。

当時の様子が伺い知れる未公開写真の数々。メンバーの家族だろうか、女性や子供たちが映っているものも

 

エキシビション限定グッズの販売

「ZODIAC × 東本昌平 EXHIBITION」のロゴが大きくプリントされたTシャツ。初日に品切れとなるほどの人気で、追加で若干数の入荷も行われた。

半袖・長袖のTシャツは、会期中オンラインでの受注販売も行われた(税込5,390円~9,790円)

 

代官山 蔦屋書店では東本昌平 氏の単行本を多数在庫

代官山 蔦屋書店ではバイク・クルマのコーナーに東本昌平 氏の単行本を多数在庫している。エキシビションでは、展示車両の手前の棚にも氏の著書が並べられていた。

ZODIACを描いたイメージボード

展示会場に複数設置されたイメージボードはZODIACを描いた東本昌平 氏の漫画「バクダン」をコラージュしたもの。象徴的なシーンやセリフが目を引いた。

ZODIACの精神を伝える貴重な書籍

エキシビションではFUEL INC.によって出版された当時と現代のZODIACの姿を収めたフォトブック「ZODIAC ZERO」(税込13,200円)も販売されていた。東本昌平 氏ほかメンバーによって、クラブの考え方や成り立ちが説明されており貴重な書籍となっている。

「ZODIAC ZERO」の中で、東本昌平 氏は次のような言葉を記しており、ZODIAC MOTORCYCLE CLUBの存在が、東本昌平 氏を漫画家たらしめ、その人生に多大な影響を与え続けたことが伺い知れる。

 

私はバクダンを描くために漫画家になりました。
私の人生はZODIACと共にありました。

※出典:ZODIAC ZERO(東本昌平 氏の執筆ページより)

また、ZODIAC MOTORCYCLE CLUBのカルチャーや精神性は漫画家となった東本昌平 氏によってミスター・バイクBG(モーターマガジン社)での連載漫画「バクダン」の中で濃密に描かれている。バクダンは全話をまとめた一冊本が部数限定の特装版として発売されたことがあるが、現在は完全にプレミア化しており入手困難な一冊となっている。

多くのライダー・バイカーを惹き付けるZODIAC

確固たる組織を持たず、メンバーの一人ひとりが自由に考えて行動し、一年に一度、元旦に集まっては走り続ける。自由気ままでありながらも精神的に強いつながりを継承するZODIACの姿に多くのライダー・バイカーがいまもなお惹かれている。

おまけ

ると、東本昌平 氏の漫画で見られるオノマトペ(擬音語)がデザインされた温泉タオルがもらえる。東本昌平 氏との貴重な2025年限定のコラボレーションアイテムなのでぜひゲットしてほしい。

~ イベント概要 ~

名称:「ZODIAC × 東本昌平 EXHIBITION」
期間:2025年4月26日(土)~5月9日(金)
場所:代官山 蔦屋書店2号館1階 クルマ・バイクコーナー

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