ハーレーにレーシングイメージってありますか!?


こんにちは、青木タカオです。唐突ですが、これを読んでいる皆さんは、ハーレーダビッドソンがレースをする姿ってイメージできますでしょうか?


「昔のレースなら、なんとなくわかる」「ダートトラックとかドラッグレースなら……」という人がほとんどではないでしょうか。

どっしりとした重厚感のあるクルーザーを主軸とするハーレーに、レーシングイメージを抱いている人は多くはないと思います。

ボクもかつてはそうでした。スポーツスターに興味を持ったのを機に、フラットトラック全米選手権にハーレーダビッドソンのダートトラックレーサー「XR750」が参戦し、活躍していることを知りましたし、1990年代にAMAスーパーバイク選手権にワークスチームが「VR1000」を走らせたことを知るのも、ずっとずっと後になってからです。


もちろん、WGP世界選手権ロードレースグランプリにも憧れましたが、ボクはこうした(少し異質でマニアックとも言える)アメリカンレーシングの世界に少しずつ惹かれていったのでした。

アメリカで大人気のバガーレース


そして現在、ハーレーダビッドソンのファクトリーレーシングチームが参戦している年間シリーズが「MotoAmerica Mission King Of The Baggers」(モトアメリカ・ミッション・キング・オブ・ザ・バガーズ)です。

なんと、大柄なフェアリングとサドルケースを装着したグランドツアラーのシルエットをそのままに、サーキットでスピードを競います。

これにもまた、ボクはすぐに魅了されました。サーキットには不向きなバイクをベースに、わざわざこんなことをするなんて……。しかし、これぞ豪快なアメリカンレーシング。理屈抜きに惹かれてしまうのです。


今シーズン(2025年)はどうなったのかというと、「HARLEY-DAVIDSON×DYNOJET」つまりハーレーダビッドソン・ファクトリーレースチームのライダーであるKyle Wyman(カイル・ワイマン)選手が年間チャンピオンを獲得。

テキサス州オースティンのCircuit of The Americas(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で開催されたダブルヘッダーで、ワイマンは2度目のシリーズチャンピオンに輝きました。

ハーレーのワイマンが年間チャンピオンを獲得!

キング・オブ・ザ・バガーズは、7つの開催地にてダブルヘッダーで行われ、計14レースで年間シリーズチャンピオンを競います。


ハーレーダビッドソンのファクトリーレースチームの「ROADGLIDE(ロードグライド)」は、レース仕様にカスタムされた「Screamin’ Eagle Milwaukee-Eight(スクリーミンイーグル・ミルウォーキーエイト)131 Performance Crate Engines(パフォーマンス・クレートエンジン)」を搭載し、オーリンズのリモートリザーバー付きリアショックをはじめとするアップグレードサスペンションや競技用マフラー、軽量ボディワークを装備しています。


2025年シーズンは2レースを残していますが、ワイマンは12レース中7勝を挙げる強さ。シリーズランキングでは、2位のロリス・バズ(インディアンモーターサイクル)に70ポイント差があります。

ワイマンはシリーズ史上最多の25勝となりました。2021年にシリーズチャンピオンとなり、2022年と2023年はランキング3位、2024年はシリーズ2位の成績を残しています。

2025年シーズンは、9月26~28日にニュージャージー州ミルビルのニュージャージー・モータースポーツパークで開催されるレースを持って最終戦を迎えます。

現地時間9月13日(土)にチャンピオンプレートが授与された際、ワイマンは「この瞬間を言葉で表すのは難しい」と語りました。

「このチームは、この栄誉にふさわしい。彼らは、今週末のこの地位を得るために、本当に懸命に努力してきた。彼らには、本当に感謝してもしきれない。ハーレーダビッドソンのおかげでこのナンバーワンをミルウォーキーに持ち帰れる。多くの人にとってこれほど重要なことを成し遂げられるのは夢のようだ」と、コメントしています。

MotoGPとともにヨーロッパラウンドへ!!

さらに楽しみなのは、2026年シーズンに行われる「HARLEY-DAVIDSON BAGGER WORLD CUP(ハーレーダビッドソン・バガーワールドカップ)」です。


ハーレーダビッドソンとMotoGPは、バガーモーターサイクルをフューチャーする新たな世界選手権として、2026年に全6戦を開催することをオーストリアのレッドブルリンクにて発表しました。


シリーズは、ハーレーダビッドソンの故郷であり「キング・オブ・ザ・バガーズ」シリーズの誕生地でもあるアメリカ合衆国で開幕。ムジェロ(イタリア)、アッセン(オランダ)、シルバーストーン(イギリス)、アラゴン(スペイン)を経て、レッドブルリンク(オーストリア)での最終戦へ至ります。

■HARLEY-DAVIDSON BAGGER WORLD CUP 2026
開幕戦アメリカGP:3月27日~29日(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
第2戦イタリアGP:5月29日~31日(ムジェロ・サーキット)
第3戦オランダGP:6月26日~28日(TT・サーキット・アッセン)
第4戦イギリスGP:8月7日~9日(シルバーストン・サーキット)
第5戦アラゴンGP:8月28日~30日(モーターランド・アラゴン)
最終戦オーストリアGP:9月18日~20日(レッドブルリンク)


「この発表には腰を抜かしました」と言いたいところですが、ここだけの話、ボクは察知していました。

というのも、昨シーズンからハーレーダビッドソンはMotoGPに急接近しており、日本グランプリにもブースを出すなどの動きが見られていました。


じつは昨シーズンの最終戦バレンシアへの渡航をボクは決めていました。そこで、なんらかの発表があるという情報を入手していたからです。

しかし、バレンシアGPは洪水被害のために中止となり、開催地をバルセロナへ変更。日程も変わってしまったので、渡航をあきらめました。もしかすると一連の発表に、立ち会えていたのかもしれません。この話はここだけにとどめておこうと思います。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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