前編のあらすじ>
ほとんど放置車両だったホンダ「VTR250」(2000年式)に「チョークレバーが動かない」というトラブルが発生。購入店であるレッドバロン狛江に持ち込んで見てもらったら、おそらくチョークケーブルがキャブレターにねじ込まれる部分のチョークバルブ(スターターバルブ)内部がサビているのだろうという見立て。

修理に必要なパーツの在庫を確認するも、チョークケーブルはとっくに廃番に。がび~ん! そのピンチを救ったのはレッドバロンの「パーツ保証」制度。レッドバロンが再生させたパーツ「リパーツ」の取り寄せが可能とわかり、いよいよ修理が始まるのだった。

大歓喜! パーツが届いたよ~!!

パーツの注文から数日後、全てのパーツが届いたという連絡があった。工場の予約をして、いざ修理当日。まずは届いたパーツの全てを見せてもらった。気になるのは何と言ってもチョークケーブルの確認だ。 おお! めっちゃキレイ! 新品と変わらない輝き。「これ、ほんとに再生したリパーツなの?」
アウターチューブもインナーワイヤーもすごくキレイ! レッドバロンのリパーツは本当にすごいわ! 「古いバイクのパーツでも手に入る」というパーツ保証制度があるから絶版車や旧車でも安心して購入できるということを今まさに実感中だ。
今回の修理ではキャブレターのオーバーホールもお願いするので、パッキンやガスケット類、フューエルホース、さらには懸念のチョークケーブル接続部のバルブなども注文した。間違いなく全部そろっているので、いざ工場へレッツラゴ! 気分はルンルンだぜぇ!(昭和感)

修理開始! 細川工場長の作業スピード、はやっ!

VTR250を細川工場長に預け、さっそく修理が始まった。工場に設置されているシステムリフトでリフトアップされるVTR。リフトに乗せられると心なしかバイクが少しキリッとするから不思議だ。
普段は整備作業中は店内で「R★B」なんかを読みあさってるんだけど、今回は特別にすぐそばで作業を見させてもらえるということで、テンアゲなワタクシ。興味津々! めっちゃガン見しつつ撮影していく。
リフトアップ後は、あっという間に車体がバラされていく。そのスピードたるや、ちょっと撮影が追い付かないこともあるほど。細川工場長は何の迷いもなく、トラブルの原因と予測されていたキャブレターのバルブ取り外しまで来てしまった。
時折ライトを当てながら確認している。どうなんでしょう… ドキがムネムネしちゃいますよね、この瞬間!

バルブに白サビ! 原因は雨などの水分の浸入?

チョークケーブルはキャブレター付近で二股に分岐して、前後のキャブレターにそれぞれ接続されている。まずは後ろ側のキャブレターから見てみることに。チョークケーブルを抜いてみると…
マイガッ!! 「なんじゃこりゃぁあ~」

真っ白です。白さ輝いてます。石化の呪文でもくらったんでしょうか。冗談はさておき、あちゃあ、チョークケーブルの根元のバルブ全体が白サビで完全に固着しちゃってる。これじゃチョークレバーが動かないわけだわ…。

バイクカバーはかけてたんだけど、地面からの跳ね返りや高い湿度による結露といったことも要因として考えられる。結果、チョークケーブルの中に水が流れ、キャブレター接続部のバルブ内にたまり、リターンスプリングやプランジャーでサビを発生させてバルブの動きを固着させた… ということみたい。

頻繁に乗っていれば、エンジン熱などで水が蒸発していたかもしれないけど、なんせ乗ってなかったからなぁ。水はどんどん溜まるわなぁ…。まさに後悔先に立たずである。しょぼ~ん。

あれ? 抜けない… まさかのトラブル発生!?

次に、前側のキャブレターの接続部を見てみると、やっぱりこちらも同じようにサビて固着していた。でも、あれ? なんか変?

プランジャー、抜けねぇ~えええええ!!????(汗)

まさかのトラブル発生だよ、コレ。キャブレター本体とプランジャーが完全に固着しちゃってて、かき出そうとしても抜けない! マジすか! プランジャーを抜き取らないとキャブレターのオーバーホールもへちまもない。心臓バクバクしてきたわ。

ちなみに、後ろ側のキャブレターに接続されていて、スムーズに抜けたプランジャー(左)でも、新品(右)と比較するとこんな感じ。うーんこの。
とりあえず、外したチョークケーブルと新しく装着するリパーツのチョークケーブルを並べてみた。VTR250はV型2気筒なので途中で短く2本に分岐しているのがわかる。上がきれいなリパーツ、下が古いチョークケーブル(長さの合ってない社外品)。※並べた状態のケーブルの左右は逆ですね、スイマセン
無理してチョークレバーを引っ張っていたからか、タイコ部がヨレちゃってた(右:古いケーブル)。なんでも負荷をかけすぎたらやっぱりダメになっちゃうね。反省。
いやいや、ケーブル並べて現実逃避してる場合じゃないぞ。原因がつかめた矢先、修理はまさかの特殊作業へ…。激アツの後編もお楽しみにぃ! 

(後編に続く)

 

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