バイクメンテでも登場機会の多い「モンキーレンチ」

ボルトやナットをはさむ「アゴ」の部分が可変するので、様々なサイズに対応できる「モンキーレンチ」は、便利な工具です。バイク整備では活用機会が多いので、プロメカニックの工具箱にも必ず入っているくらいポピュラーな存在です。逆にアマチュアメカニックの場合、すべてのサイズのスパナレンチを所持していることは稀だと思うので、モンキーレンチのお世話になることが多いのではないでしょうか?

しかし、そんなモンキーレンチには弱点が存在します。それが、アゴの「ガタ」。

アゴをウォームで可変させる構造上、ウォームとラックの間の隙間がそのままガタになるので、ボルトやナットの頭をなめるリスクが通常のスパナに比べて高いのです。そのため、モンキーレンチを使用する際は、構造と特性をしっかりと理解した上で活用する必要があります。

2分割のウォームがラックをはさんでガタツキを防ぐ!

工具メーカー「TONE」の「ハイパーウォームモンキレンチ」は、アゴを動かすためのウォーム(TONEではハイパーウォームと表記)が2分割になっているのが最大の特徴。

この2つのウォームによって、ラックをはさみ込むことでアゴのガタを抑えています。

TONE ハイパーウォームモンキレンチ

ラインナップは全長100mmの手のひらサイズから重量1.7kgもある全長450mmのものまで、全7種類となっています。

写真は上からMWR-250、MWR-150、MWR-100。

バイクメンテに使う機会が多い全長250mm以下のタイプを数種類揃えておけば間違いないでしょう。

MWR-250はしっかりトルクがかけられる大型サイズ。柄の部分は肉抜きされているので見た目より軽量に感じます。

MWR-150は緩みやすいミラーのナットの締め付けなどに最適なサイズ感です。

最も小さいMWR-100は、手のひらサイズなので車載工具に最適。ツーリング時に携行するにはぴったりです。

小型サイズなので狭い場所にもアクセスしやすく、バイクメンテでは使い勝手良好です。

完成度の高いディティールで作業効率をアップ!

ウォームが大型なので、楽にアゴを可変できます。作業用グローブをしていても問題なく動かすことができました。

目盛りが入っているので、ナットのサイズがインチかミリかわからない時は、ノギスのように使うこともできます。

アゴは一般的なモンキーレンチよりも大きく開くので、幅広いサイズのボルトやナットに対応できます。

壊す前に知っておきたいモンキーレンチの正しい使い方!

オープンエンドスパナと同様、モンキーレンチにも力を加える際の方向があります。

これを守らないとモンキーレンチのアゴが歪んで開いてしまい、ボルトの頭をなめてしまいますし、工具が壊れることにも繋がります。

しかし、正しい使い方をすればプロメカニックの作業環境であっても、何十年も使い続けることができます。

高トルクの箇所に使うときには特に注意が必要です。

緩めるときは写真の矢印の向きでモンキーレンチをナットにあて、回します。

モンキーレンチを使うときには、締めるときも緩めるときも、必ず可動しない方のアゴに力がかかるようにします。

締めるときはこの向きで。

可動する方のアゴは弱いので、大きな力をかけ続けるとガタが多くなってしまいます。

このように、モンキーレンチは正しい使い方を遵守して大切に使えば、長持ちしてくれます。

1本で様々なサイズのボルトに対応できるモンキーレンチはかなり便利です。インチサイズのボルトが混在するハーレーをメンテする時にも重宝します。今まで先入観で使うのを敬遠していた人も、工具箱や車載工具に忍ばせてみてはいかがでしょうか?

 

 

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