凝った料理を作らないのであれば

 これからキャンプ・デビューをしようとお考えの貴方。星空の下、焚き火にあたりながら野外料理をつまむのは、実に楽しいものです。凝った野外料理を作るには、ダッチオーブンや、スキレットなども、あったほうがいいかも知れません。
 けれども、それは大勢でキャンプを楽しむときの話。ソロでキャンプをするのなら、面倒なことはナシにして、簡単に済ませたくないですか? だとしたら、最初に買うべきクッカーは、シンプルな構成でまとめられたソロ用のクッカーがいいのではないでしょうか。

ライテックトレックケトル&パン

 そこでご紹介するのが、これ。イワタニプリムスが取り扱っている、ライテックトレックケトル&パン。長い名前ですね。ライテックはブランド名、トレックは「トレッキング」向きだということ、ケトルは「やかん」。パンはフライパンのように使える浅い鍋、ということのようです。
 新製品ではありません。ずいぶん前から販売されています。写真の製品は、旧モデル。最新版は、製品の外側に「PRIMUS」のロゴも入ってる。筆者は旧モデルのころから使っていて、これはソロ用としては優秀なものだと高く評価。よって今回ここでご紹介するに至ったという次第。

ライテックトレックケトル&パン

 クッカーセットというと、大鍋と中鍋とフタとカップなどがセットになっていたりするものも多々ありますが、こいつはこのふたつだけ。シンプル。実にいさぎよい。
 左は1リットルの深鍋(内径11cm×高さ11cm)で、右はフライパン(内径11cm×高さ3cm)。たったこれだけですけど、ひとり分の食材を煮る、焼く、といった調理は可能。それでいてメーカー価格は税抜3600円と手ごろ(2021年3月現在)。ただしネットショップによっては相当のっけた値段で販売しているところもあるから、注意が必要です。

コンパクトにまとめられるのがいい

 収納サイズは、Φ13×H14.5cm。縦に細長いので、バックパックの中にも収納しやすい。しかもクッカーの中に、250サイズのOD缶(ガスカートリッジ)と小型バーナーが入れられるのです。

ライテックトレックケトル&パン

 きわめてコンパクトなパッキングができる、だから製品名に「トレック」の文字が入っているのですね。これなら小さなデイパックにも入ります。キャンプでなくとも、たとえば日帰りで高原ツーリングなんかに出かけて、少しばかりトレッキングを楽しみ、景色のいい場所でお茶を入れるなんてことも気軽にできます。

小さいながらも調理は本格派

ライテックトレックケトル&パン

 フライパンは小さいので、大きなステーキ肉は焼けません。でも、ひとり焼肉はできます。ソーセージやベーコンや、カット野菜も焼けます。
 深鍋だって、ラーメンやパスタが茹でられます。インスタント袋麺は平均して500㏄ぐらいのお湯で茹でますが、この深鍋の容量は1リットルですからね。具だって一緒に煮込めます。お米なら、一度に約2合まで炊けます。
 そしてうれしいのが、鍋も蓋も内側がノンスティック加工されている点。こびりつきを防いでくれるので、後かたづけもラクなのです。

ライテックトレックケトル&パン

 そうそう、長い商品名の中に、「ケトル」ってありました。やかんなんか、ないじゃないかって? ほらこの通り。深鍋の口の一部に、注ぎ口みたいな加工がされているのです。お湯を細く注ぐことができるので、コーヒーを淹れるとき、あるいはカップ麺にお湯を注ぐとき、けっこう助かるのです。ちょっとしたアイデアでも、効果は絶大。なんでも工夫してみるものですね、勉強になります。

ライテックトレックケトル&パン

 ちなみにですが、インスタント袋麺はお店での商品陳列がしやすいようにと角型が主流のところ、チキンラーメンは丸型です。どんぶりに入れてお湯を注いで食べる際、そのほうが麺の戻りがいい、ということなのでしょうか。それはともかく、丸いがゆえに、ライテックトレックケトル&パンの中にぎりぎり収納することができます。まるでシンデレラのガラスの靴! まあ、チキンラーメンは砕けたら砕けたで、ベビースターラーメンみたいでおいしいのですけれど。
 最後に素材。このクッカーの素材は、ハードアノダイズド加工済みのアルミです。ハードなんちゃらとは、硬度と耐久性を高めるための表面処理加工のこと。アルミ製のクッカーは軽く、熱伝導率が高く、炒めものや炊飯には適したものです。
 じゃあチタン製やステンレス製はどんな特徴があるのか、といった話は、長くなりそうなので別の機会に。ふたり用や大人数用のクッカーの話もいずれまた。

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