タイトルバックの画像はキャンプツーリング中のひとコマ。筆者のツーリングの師匠のひとり「さすらいの野宿ライダー」こと寺崎勉氏(中央)との2ショットであります。ふたりとも、小さなライトを額に固定してますよね。これはLEDを使った小型軽量のヘッドライト。手で持つ必要のある懐中電灯と違い、ヘッドライトは両手が使えるから便利なのです。今回は、キャンプはもちろんのこと、日常から災害時まで役立つヘッドライトのお話です。

単3電池1本で済むタイプは重宝かつ軽い

 ヘッドライトはキャンプ用や作業用のものというイメージが強いですが、両手が使えるので夜間、外で何かをする際にはとても便利。
 筆者は通常のツーリングでも必ず携行し、夜間のマシントラブルや、宿泊先での万が一の災害に備えています。東日本大震災の発生時には実家のある郷里の岩手にいたのですが、停電中もヘッドライトのおかげで老親の世話(夕食の支度や後片付けなど)をすることができました。
 ヘッドライトは充電式と乾電池式があり、充電式だけど乾電池も使える併用タイプ、乾電池式でも単4電池を3本使うタイプなど、いろいろ。
 ですが筆者は昔から〈単3電池1本だけタイプ〉を愛用。充電式だと停電が長びいた際に充電できず困りますが、単3電池1本なら簡単に入手できます。しかも電池1本だから、軽い。
 最近、手に入れたのはこれ。サブ赤色LEDを搭載したGENTOS(ジェントス)の小型軽量ヘッドライト「CP-195DB」。

ジェントス

 GENTOSは1978年創業の日本の懐中電灯メーカー。販売している製品はどれも高機能・高品質なのに低価格で、筆者は20年前からLEDヘッドライト、LEDランタン、LED懐中電灯を愛用しています。

Amazonでは悪いレビューもあったけれど

 購入時はAmazonのレビューも参考にしました。「電池のふたがきつくて開けられない」「電池のふたがすぐに壊れた」「スイッチが固くて押せない」などなど、低評価のレビューも多数あったので不安だったのですが、いざ手に入れて試したところ、何の問題もなし。
 たまたま当たりを引いただけなのか、その辺は不明ですけど、Amazonのレビューってそういうこと、よくある気がします。
 「CP-195DB」も、単3形アルカリ電池を1本のみ使用。

ジェントス

 電池ぶたは単純なスクリュー式ではなく、あらかじめ決められた位置から本体とふたを合わせて押し回すタイプ。プラスチック製ですので、この作業を雑に行なうと破損するのかも。

ジェントス

 発光部は、画像左側の大きい部分がメインの白色LEDで、右側の小さいのがサブの赤色LED。
 本体の上部にスイッチがあり、軽く押したぐらいではスイッチがオンになりません。これは携行中、うっかり電源が入らないようにという設定でしょう。ただし、固くてスイッチが押せない、というほどではありませんでした。

比較的広範囲に照射する

 「CP-195DB」の照射特性はワイドビームで、比較的広範囲に照射します。
 狭い範囲を明るく照らす、光を遠方に飛ばすスポットビームと比較すると、こんな感じ。1枚目の画像がスポットビームで、2枚目がワイドビームの「CP-195DB」です。

ジェントス

ジェントス

 これは1.5m離れた位置からガレージのシャッターを照らして撮影したもの。
 1枚目のスポットビームは照射範囲が狭くて明るく、2枚目のワイドビームは広く照らしています。
 暗いトンネルの内部で、細部を照らして点検作業するような使い方ならスポットビームが理想でしょうが、キャンプサイトや日常使用ならばワイドビームがいいのではないでしょうか。

点灯時間も充分なもの

 単3形アルカリ電池1本でも、「CP-195DB」の実用点灯時間は充分。
 高輝度チップタイプの白色メインLEDは、約120ルーメンのHighモード使用時で約7.5時間。約25ルーメンのEcoモード使用時で約25時間、実用点灯します。

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 上の画像はEcoモード。
 いざというときには明るいHighモードで使用し、そうでないときはEcoモードで使用する、というような使い分けをすれば、2泊程度のキャンプならばアルカリ電池1本で済みそうです。

サブの赤色LEDがうれしい

 「CP-195DB」最大の特徴は、サブの赤色LEDが搭載されている点。わずか3ルーメンの明るさですが、これだと実用点灯時間は約70時間に!

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 明るい状態から急に暗くなったとき、人間の目は時間をかけると徐々に周囲が見えるようになるのですが(暗順応)、赤色LEDの明かりは暗さに慣れた目を邪魔しないという特性があります。なので、星空を眺める際にちょっとだけ明かりが欲しいときなど、赤色LEDは有効。
 また、赤色LEDの明かりは、明るい白色LEDに比べて目に優しいので、キャンプ中に仲間を照射して迷惑をかける心配が減ります。
 さらには、夜釣りが好きだという方にもおすすめ。赤色LEDの光は水中に届きづらいので、魚に警戒心を与えにくいのだそうです。

ジェントス

 赤色LEDで照らすと、こんな感じです。最初のうちは「暗い」と感じますが、30分もすると暗さに目が慣れて「まあまあ見える」状態に。
 以前は赤色LED搭載のヘッドライトって値段が高かったのですが、これは高くありません。それでいて耐塵・防滴はIP64準拠、1mの落下耐久という充実ぶり。
 こんなヘッドライトが2千円程度で買えるんですから、まだお持ちでない方はぜひご一考を。

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