タイヤの空気圧管理は大事だと分かっていても、つい後回しになりがちなもの。エアゲージで空気圧を測定し、必要ならエアポンプをガレージから引っ張り出して……と考えた時点で腰が重くなる。そんな空気圧管理を「まあ簡単だし、やっとくか」と思わせてくれたのが、キジマのスマートエアポンプJP03だった。

またまた電動エアポンプを選んだ理由

バイクに乗るようになってから、空気圧管理はずっと課題だった。……というとちょっと言い過ぎだが(笑)、正直面倒くさい。そんな理由で、以前も僕はキジマの電動エアポンプ「JP01」を使っていた

ところが先日、不注意で壊してしまった。その後は手動ポンプに戻ったものの、やっぱり面倒だ……。

そんなタイミングでキジマからニューモデルの電動ポンプが発売されたと聞き、改めて購入したのが「スマートエアポンプJP03」である。便利さを知っているだけに、「今回はどこが良くなったのか」という期待半分、「まあ似たようなもんだろ」という疑い半分で使い始めた、というのが正直なところである。

 

KIJIMA スマートエアポンプ03 / 7,150円 / バッテリー容量:3×2000mAh/ 11.1V(22.2Wh) / 本体寸法:165×70.5×50mm / 本体質量:522g / ホースの長さ:300mm


スマートエアポンプJP03は、キジマが展開する充電式の電動エアポンプだ。アダプターは豊富で、バイクだけでなくクルマや自転車、さらにはボールなどの空気入れとして対応してくれる。空気圧は最大150psi(1034.2kPa)まで設定できて、指定した空気圧に達すると自動で停止する。だから入れ過ぎの心配もない。

本体はコンパクトで、ツーリングバッグにも収まるサイズ感だ。さらにLEDライトやモバイルバッテリー機能も備えており、「空気を入れるだけの道具」に留まらないのが嬉しいポイントといえよう。

地味に感激したのが、専用ホースの接続方式。前モデルはネジ式で、バルブにねじ込む必要があったが、JP03はワンタッチで脱着可能で、これが本当にラク! 

ただし、ネジ式と比べて耐久性がどれくらいなのかは現時点では不明。脱着した感じだと、その点だけ少し気になったことは正直に伝えておきたい。

 

操作は6つの物理ボタンで行う。タッチパネルではなく、あえて物理ボタンというのも個人的には好印象。

電源兼エア注入、モード切替、数値調整と役割が分かれていて、説明書を読まなくても何となく触れば分かる。ボタンが大きいので、グローブをしたままでも操作できる。多機能だけど操作がシンプルな点は、かなり高評価だ。

 

液晶画面は大きく、屋外でもしっかり視認できる。

写真はバイクモードで、画面下のバイクのアイコンが目印。上段の「0.0KPA」が現在の空気圧、下段の「150」が設定気圧だ。圧力単位の切り替えも可能で、kPaの他、psi、bar、kg/cm²の4種類が選択できる。

 

こちらはクルマモードで、下にクルマのアイコンが表示される。さすがにゼロ気圧から4本すべて入れる用途には向かないが、日常的な空気圧チェックや補充であれば問題なく使える。「ちょっと減ってるな」という場面では十分。

ちなみに僕はガソリンスタンドのエアポンプがちょっと苦手。スタンドごとに微妙に仕様が違っていたり、うまくバルブに装着できないことが多々ある(僕だけ?)。そんな僕にとって、家でクルマの空気圧チェック&補充ができるというだけでも、かなり嬉しいのだ。

 

ボールモードも搭載されている。メインはバイク用だが、子どものバレーボールにも使えるのは地味に嬉しい!

 

使い方はじつにカンタン♪

では、実際に使ってみよう。まずは愛車の指定空気圧の確認から。

バイクの場合、多くはチェーンガードやスイングアーム付近のステッカーに推奨空気圧が記載されている。これを基準に設定すればOKだ。

もし中古車などでステッカーが剥がれている場合は、ネットで車種名を調べるか、購入したショップに確認するのが確実だ。ここを曖昧にしたまま調整してしまうと、せっかく電動ポンプを使っても意味がないゾ!!

 

本体の空気圧を設定。そしてバルブにホースを接続し、電源ボタンを押せば空気の注入が始まる。操作は拍子抜けするほどシンプルだ。

前述の通り、モニター上部に表示されている147kPaが現在の空気圧、下の155が設定値である。

ここでひとつポイント! バルブからホースを外す際、わずかに空気が抜けてしまう。そのため設定値を指定値より少し高めに設定しておくとちょうど良い。XR Bajaの指定空気圧は150kPaだが、この時は155kPaに設定している。

 

作動音はそれなりに大きい。静かな住宅街だと、深夜や早朝は少し気を使う。ただしこれは電動ポンプ全般に言える話で、キジマ製だからというわけではない。

設定した空気圧に到達すると、自動で止まる。入れすぎを気にしてスイッチを見張る必要がないのが嬉しい。

なお写真は撮影用に150kPa設定にしているが、実際は先ほどの通り、僕は少し高めに設定している。

 

2台持ちこそありがたい!!
セカンドバイクDIOの空気圧もチェック

ForRでは初登場だが、普段の足として「DIO XR Baja(以下DIO)」も所有している。そう、実は僕は“XR Baja”を2台持ちという、我ながらなかなかニッチな愛車構成なのだ(笑)。

で、写真を見て「こんな色あったっけ?」と思った人はかなりのマニア。そう、じつはこれは社外外装。真っ黒な車体とイエローレンズのコントラストがなかなかいいでしょ?

で、こういう毎日の下駄として使うバイクこそ、空気圧管理をサボりがち。だからこそ、気軽にチェックと補充ができる電動ポンプが役に立つ。

 

ところが、そのままでは問題がある。DIOのバルブ形状だと、ポンプのホースをまっすぐ差し込めないのだ。原付スクーターをはじめとした小径ホイール車はバルブ周りのクリアランスがシビアなことが多いので、こうした“物理的に入らない問題”は割とありがちである。

 

キタコ エクステンションエアーバルブ 75° / 770円 / 90°と60°もあり(価格同じ)


そこで用意したのがキタコのバルブアダプター。バルブの角度を変えるだけのシンプルなパーツだが、差し込めなかったホースも無問題。小さいけれど、JP03の収納袋に同梱しておけば失くす心配もないだろう。

 

実際に装着してみると、ホースの接続は驚くほどスムーズになった。

ただし注意点もある。バルブとアダプター、アダプターとホース、それぞれの接続部でわずかに空気が抜けるため、ここでも設定空気圧はやや高めにしておくのがおすすめだ。これは電動ポンプの問題というより、接続部が増える構造上の話。逆に言えば、そのポイントさえ押さえておけば、DIOのような車両でも問題なく使えるということだ。

 

このエアポンプはクルマにも使える。コンパクトな見た目からは少し不安になるが、日常的な空気圧チェックや補充であれば問題なく対応可能だ。

ただし、例えばパンクに近い状態で大きく空気が抜けている場合は話が別。充填に時間がかかるうえ、バッテリーも厳しくなる可能性がある。あくまで「日常点検+ちょい足し」がメイン用途と考えておいたほうがいい。

逆に言えば、その用途においては十分すぎる性能である。

 

本体にはLEDライトも搭載されている。これが意外と便利で、日没後やガレージの奥など、手元が暗い状況でも問題なく作業できる。

ただし、すでに触れているが、作動音はそれなりに大きい。昼間であれば気にならないが、深夜や早朝の住宅街では少し気を使うレベルである。

「暗くても作業はできるが、時間帯は選ぶ」というのが正しい使い方といえる。

 

さらにこのJP03、スマートフォンなどの充電にも対応している。いわゆるモバイルバッテリー機能だ。バッテリー容量は3×2000mAhなので、フル充電一回分くらいなら現実的に使えるレベルである。ツーリング中の“いざ”という場面では地味に助かる。

ただし本来の用途はあくまでエアポンプなので、「使いすぎて肝心の空気が入れられない」なんてことにならないように注意したい。

 

単位を間違えるとやばい

ここはちょっとした注意点。

モニター右上には空気圧の単位が表示されているが、これがボタン操作で簡単に切り替わってしまう。つまり、意図せず単位が変わっている可能性があるということだ。

例えば125kPaのつもりで設定していても、実はPSI表示になっていた、なんてこともあり得るのだ。数値だけ見て安心するのではなく、「単位が何か」を必ず確認するクセをつけておきたい。

 

もしPSIのまま気づかずに空気を入れてしまったらどうなるか。kPaに換算すると、とんでもない数値になる!!

例えば125PSIは約863kPa。完全に入れすぎどころの話ではない。最悪の場合、タイヤにダメージを与える可能性もある。

実は僕も一度やりかけて、途中で気づいて止めたことがある。笑い話で済めばいいが、普通に危ないのでしっかり意識しておきたいポイントだ。

 

空気圧管理の面倒臭さを下げてくれるギア

空気圧チェックは本来、月に一度はやっておきたいところだが、これがなかなか続かない。気づいたときには数ヶ月放置、というのも珍しくないと思う。

僕の場合はそれを防ぐために、スマホのリマインダーを設定している。強制的に思い出させる仕組みを作ってしまうわけだ。

だけど、それですぐにチェックができればいいが、すでに述べた通り、エアゲージや手動ポンプを用意して……となると面倒になって後回しにしてしまい、気付けば数ヶ月……なんてことになりかねない。その点、キジマのスマートエアポンプJP03があれば、難なく空気圧チェックや補充ができるのだ。

そう、JP03は、「空気圧管理のハードルを下げる道具」だと言えるだろう。

……と、ここまでJP03の良さを書いておいて、ちゃぶ台返しのようなことを書くが(笑)、レッドバロン会員であれば、エアチェックと窒素ガスの補充は無料で対応してもらえる。行きつけの店舗に月に一度顔を出して、空気圧を見てもらうというのも悪くない。

ちなみに僕はXR Bajaでちょこちょこ店舗に顔を出して、面白い中古バイクが入庫していないかチェックしつつ、空気圧もチェックしてもらっている。そう、ダブルチェックである(笑)

とはいえ、僕の場合はバイクが複数台あり、さらにクルマもある。そうなると、思い立ったときにその場で対応できる電動エアポンプの便利さはやはり大きい。使う環境によって最適解は変わるが、JP03はその選択肢のひとつとして、かなり現実的な存在だといえるだろう。

 

 

 

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