千里浜へ行ってきました

 全長約8キロメートル。国内で唯一、世界でも珍しい波打ち際をバイクやクルマで走ることができる「千里浜なぎさドライブウェイ」(石川県羽咋市)に行ってきました! 青空の下、打ち寄せる波のすぐ横をバイクで颯爽と走る。まさに最高の体験です。


 ただ走るだけで、十分すぎるほどに楽しい。いいや、楽しいを通り越してもう幸せな気分なのですが、ボクには目的といいますか、千里浜を目指すキッカケがありました。「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)2021」に参加したのです。

 SSTRは世界的にも有名なオートバイ冒険家・風間深志さんが発案・主宰し、2013年に参加者130台で第1回目がスタート。9年目となる2021年大会は、5000台を超すライダーが参加しました。

テレビや新聞で見た偉大なる冒険家

 風間深志さんをボクが初めて知ったのは、テレビでだったとボンヤリですが記憶しています。たぶん、「なるほど! ザ・ワールド」(フジテレビ系列1981年〜96年)だったはず。景気の良かった当時、日本のテレビ番組は世界中へロケに出かけ、番組をつくっていました。

「なるほど! ザ・ワールド」は紀行クイズ番組で、世界のおもしろレポートをお届けする先駆け的存在。各地を飛び回る益田由美さんが「ひょうきん由美」の愛称で親しまれ、小学生だったボクも毎週火曜日21時から、ワクワクしながら見ていました。司会は愛川欽也さんと楠田枝里子さんです。懐かしいですよね。

 記憶は定かではありませんが、“パリダカ”ことパリ・ダカールラリーは番組で頻繁に紹介され、オートバイ冒険家の風間さんもテレビに登場していた気がします。風間さんの偉業に改めて触れておきますと、以下の通りです。写真は今回、ボクが乗っていったハーレーのアドベンチャーツーリング「パンアメリカ1250S」に跨っていただき、千里浜にて撮らせていただきました。


■風間深志さん
1950年山梨県生まれ。1985年、チョモランマ挑戦時のバイクによる世界最高高度記録(6,005m)を達成し、1987年にはオートバイによる史上初の北極点到達。さらに1992年には南極点到達と合わせ、3つの世界記録を持つ。
1982年、第4回パリ・ダカールラリーに日本人初参戦し、インターナショナル500ccクラス6位、2輪総合18位。1988年『地球元気村』発足。2013年には障害者(車イス利用者など)と健常者の混成チームで、アフリカ最高峰キリマンジャロ(5,895m)の登頂に成功。
2014年WHO「運動器の10年」特別賞受賞。日本モーターサイクルスポーツ協会 (MFJ) 評議員、山梨県観光大使、山梨市観光大使、全日本そり連盟会長なども務める。

 偉大なるライダーなのですが、ボクのような青二才にも気さくにいろいろと話してくれ、今回も千里浜へ到着すると、平日にも関わらず千里浜レストハウスにいらっしゃって、アレコレとお喋りしてくれるのでした。嬉しかったです。

  
 上の写真は1987年4月20日に、念願の北極点に立ったときのもの。ご提供は風間深志事務所。このときのバイクはヤマハTW200ベースで、エンジンを寒さに強いTY250の2ストローク単気筒に換装しています。ヤマハのスノーモービル開発によって培われた極寒地用仕様となっていたそうです。

列島横断のツーリングラリー「SSTR」

 ハナシをSSTRに戻しましょう。ルールは単純明快で、日本列島の東海岸=太平洋や瀬戸内海にのぼる朝日とともに参加者それぞれがスタートし、太陽を追いかけながら日本列島を横断します。

 太陽が出ているうち、つまり“日の出から日没まで”という時間制限がありまして、その中で規定以上のポイントを獲得し、千里浜へと辿り着けば“完走”として認められます。

 東京に住むボクの場合は、片道500km弱の行程。高速道路で距離を稼いで、一気に行ってしまうとポイントを稼げないよう設定されているから面白い。ボクは下の画像の通りの道のりで、規定の10ポイントを獲得。完走扱いとなりました。やったぁー!

 
 参加者はこのように、スマートフォンにてWEB上のマイページで地点登録していき、ポイントを獲得していくという仕組みです。GPS連動で、時間と場所が簡単に入力できました。

じつは前回、完走果たせず

 じつはボク。昨年も参加しておりまして、完走扱いになりませんでした。というのも、ボクが編集長を務めるハーレー専門誌『ウィズハーレー』でSSTRを記事にしまして、なにはともあれ千里浜で夕日を撮影することを最優先。途中でポイントを獲得するということを一切せず、千里浜を目指したのでした。


 それでも、ボクはとても楽しかった。SSTRは優劣をつけるものではなく、それぞれのライダーが自身の旅のテーマに沿い、無事にゴールゲートを通過し、全国から集ったライダー同士で交流を深めることを主な目的とした自己完結型のラリー。安全に、無事に、参加者がそれぞれ楽しみつつ千里浜にたどり着き、それが夜になってもいい、完走扱いにならなくてもいいんだと、出発前に風間さんを取材したときに教えてもらったのでした。

 動画は昨年のSSTRに参加したときのもので、風間深志さんが想いを語ってくださっております。父の熱き魂を受け継ぎ、2017年、18年にダカール・ラリーに出場し完走を果たした風間晋之助さんもご登場の貴重な動画となっています。

 そして今年もボクはSSTRに参加。「今回は完走扱いになりたい!」と決意し、途中でコツコツとポイントをゲットしていくのでした。

 次回はその道中を紹介したいと思います。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

SSTR2021参加【2/3】 旧道好き垂涎の安房峠をトンネル通過し、千里浜なぎさドライブウェイへ!

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