砂浜でのスタンド、どうする!?
「SSTR」(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)2021」に参加し、千里浜なぎさドライブウェイ(石川県羽咋市)を走ってきました。日の出とともに自身で定めた日本列島の東海岸、つまり太平洋岸や瀬戸内海側からスタートし、日没までに能登半島の千里浜を目指します。そのレポート、3回目となる今回は最終話です。ぜひ、最後までお付き合いください。
千里浜では波打ち際にバイクを停めて、海と一緒に愛車の記念写真を撮ることもできました。このとき、サイドスタンドが砂に埋まらないよう、市販のスタンドマットを用意して持っていくと安心です。
ちなみにですが、試しにセンタースタンドを立ててみると、意外と安定することがわかりました。センスタが備わっている車両なら、ぜひお試しください。
時間が経つとジワジワ埋まる気もしますが、直立して2点で支えるので、倒れにくいのかもしれません。
パンアメリカの快適性に脱帽
旅の相棒に選んだのは、ハーレーダビッドソンの『パンアメリカ1250S』。砂浜も難なく走るアドベンチャーバイクです。
「ハーレーなのにアドベンチャー?」
と注目を集めるニューモデルで、搭載する新設計エンジンは排気量1250ccの水冷60度VツインDOHC4バルブ。従来の空冷45度OHV2バルブよりフィーリングも現代的で、最高出力112kW(152PS)/8750rpm、最大トルク128Nm/6750rpmを発揮します。
発進時や低速域で扱いやすく、ウインドプロテクションに優れるシールドやカウルも相まって高速クルージングも得意。千里浜まで1泊2日、往復1000km弱のロングライドも疲労感が少なかったことも報告しておきましょう。
上級仕様の“S”にはアダプティブライドハイト(ARH)なるものが装備され、停車時には車高が下がって足つき性が良くなるからありがたいとしか言いようがありません。乗り降りがしやすいと、立ち寄りポイントで休憩するのも面倒にならないのです。
醤油・胡椒風味のサイダー!?
ツーリングしていれば、喉も渇きます。道の駅で売っていたのが、コチラ。富山県のご当地ラーメン「富山ブラック」をイメージして作ったサイダーです。
「富山ブラックラーメン」は“ごはんのおかず”になるような濃い味付けがされ、総じて「塩辛い」。醤油ベースの真っ黒いスープで、大量にきかせた胡椒が特徴と言っていいでしょう。
「富山ブラックサイダー」もまた醤油の風味に加え、胡椒のスパイシーなフレーバーをプラス。飲むと一瞬、これは美味いのか、なんなんだ? と様々な想いが錯綜しますが、サイダーの甘みと炭酸の爽快さが絶妙にマッチし、一気に飲み干せます。
そのまま飲んでもいいし、サイダーということで“富山ブラックハイボール”や“富山サワー”などもホームページで提案されています。みなさんもぜひ、ご賞味あれ。
懐かしのオムライスに大満足!
もちろん、お腹もすきます。同行した関野カメラマンとは、大衆食堂や町中華をめぐることで意気投合する仲。いろいろな撮影でご一緒しますが、地元の方々に愛される“めし処”に入って食事をするのが、ボクたちの楽しみです。
今回は富山県富山市にある「大衆食堂島田」さんへGO。暖簾をくぐり、ガラガラっとドアを開けると、昭和から続く懐かしいムード。関野さんと顔を見合わせニンマリ。人気メニューのオムライスをいただきます。
壁には有名人のサイン色紙が所狭しと貼られています。テレビなどで紹介されているのでしょう、有名なお店であることがわかります。
写真はボクが頼んだオムライス「並」650円。関野さんは「大」850円に挑み、軽く平らげていました。すごくウマいんです!
ついに感動のゴール!
「SSTR」完走扱いとなる10ポイント以上を獲得。能登半島のつけ根あたり、のと里山海道の今浜インターチェンジで降り、「千里浜なぎさドライブウェイ」についに到着しました! 旅の締めくくりは、全長約8kmにおよぶ絶景ツーリングです。
砂浜をバイクやクルマで走れる海岸は日本ではここにしかなく、世界を見回してもほんのわずか。
砂の上をバイクやクルマで走れば、タイヤが埋まったりハンドルをとられて四苦八苦するのに、どうしてこの海岸では大丈夫なのでしょう。
千里浜の奇跡を後世にも伝えるために
約0.2mmときめ細かく、粒子が揃った砂は石英が混ざって角ばっていて、海水を含むことで硬く引き締まります。近隣にもビーチがありますが、クルマで走れるのは千里浜だけ。偶然の産物であり、自然がくれた奇跡なのです。
魅力の尽きない千里浜ですが、近年は侵食が著しく、砂浜がやせ細っています。昭和の初め頃には今の倍以上の幅がありましたが、1994年には約50m、2011年には約35mほどに。この20年間は毎年、砂浜が約1mずつ消失するという危機に直面しています。
かけがえのない宝物を守ろうと、「千里浜再生プロジェクト」が進行中。千里浜を未来に残すため、ボクたちバイク乗りにもできることがあるはずです。これを読んで、そのキッカケになれば本望です。

▲ゴールとなる千里浜レストハウスには、SSTR立案者であり主宰するオートバイ冒険家の風間深志さんの姿が! 記念写真を撮っていただきました。

▲SSTRのゴール地点となる千里浜レストハウス。窓はこうやってお掃除するのですね。

▲千里浜レストハウスには「鬼滅の刃」のサンドアートがありましたよ!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。千里浜の走行動画はコチラ。