僕の愛車であるホンダCT125ハンターカブ、そして友人のホンダ・グロム2台とホンダ・エイプ100。計4台のホンダ「原二ブラザース」で出かけた南房総ツーリングの様子は「ホンダの原二ブラザースで行く、南房総の激推し!ライダースカフェ」でお伝えした。じつはその記事に書ききれなかったその後……があるので報告を。よかったらぜひ先の記事と合わせてご覧ください。

原二ツーリング

内房の海岸にて。左からグロム・ダカール仕様、ノーマルのグロム、ハンターカブ、エイプ100。

この日、ブラザーたちは東京および神奈川方面から南房総へ来てくれたのだけど、んん? ひとつ問題が。そう、原二は高速道路に乗れない!のである。ということは……そう、東京・神奈川と房総をつなぐ海の道、「東京湾アクアライン」が使えないってこと。もちろん東京湾沿いにグルっと一般道を走っても来ることはできるが、それだと距離も時間もグーンと伸びる。神奈川の西サイドからだったらもう、1泊2日コースだ。

しかし! 南房総ツーリングにおける、この原二の弱点を解決するばかりか、むしろ“強み”に変える大逆転策がある。それはフェリーである。房総半島の金谷港と三浦半島の久里浜港を結ぶ「東京湾フェリー」を使うのだ。両半島が接近する浦賀水道を約40分で横断する。

東京湾フェリー航路これならば原二でも(もちろん原付一種も)東京湾を渡ることができる。そして“強み”に変えると言ったのは料金のこと。片道のフェリー料金は750cc以上のバイクが2550円、126〜750c未満が2100円なのに対し、原付(125cc未満)は1800円と安いのだ(いずれも運転者1名の旅客料金を含む)。往復チケットなら3250円とさらにお得なのである。

東京湾フェリー料金原二ブラザースはもちろんこのフェリーを往復利用前提でやってきた。なので帰りの金谷発のフェリーでバイバイ!かと思いきや、なんとその便で僕も久里浜に渡れと言う。なぜならこの日のツーリングのゴールは久里浜のお隣、野比海岸にあるカフェなのだ、と言うではないか。

ま、知ってたんですけどね……。

というわけで南房総市・白浜の「ブルートズ・カフェ」でランチしたあと(「ホンダの原二ブラザースで行く、南房総の激推し!ライダースカフェ」参照)、菜の花が咲く房総フラワーラインを通り、内房沿いの国道127号線を北上。予定通りに金谷港に到着した我々は14時25分発のフェリーに乗り込んだのだった。

フラワーライン東京湾フェリー

金谷港から久里浜港まで40分の乗船時間は、本当にあっという間だ。居眠りする時間もないほどなので、どうせなら甲板に出て、海風を受け、船旅感を満喫することをオススメする。とくに晴れた日の夕方の便では、美しい夕陽と富士山!という超絶景を見ることができる。

なんつって、この日は天気に恵まれたとはいえ、真冬ツーリングで冷えきっていた我々は、甲板にも出ず船室のソファーでぬくぬくとコーヒーなんぞを飲みつつ過ごしていたのだが……(なので船内の写真がない・・・涙)。東京湾は基本、波が穏やかなので船が大きく揺れることはない。船酔いの心配は少ないだろう(風が強く波が高い日は欠航になることあり)。ちなみにバイクは船内の指示された場所に止め、固定などはフェリーのスタッフにやってもらえるので安心だ。

東京湾フェリー

というわけで久里浜港に到着! ここから三浦半島の有名ライダーズ・カフェに向かう。そのカフェとは……こちら! 野比海岸にある「PILOTA MOTO」。ちなみピロータ・モトとはイタリア語で“バイクレーサー”のことだ。PILOTAとはイタリア語でパイロット(つまりレーサー、ライダー)、MOTOはバイクの意味。

PILOTA MOTO

港から走ること5kmほど。PILOTA MOTOに到着。ちなみにこの写真ではわからないけど目の前は海、オーシャンフロントである。つまりいま渡ってきた東京湾と、その向こうに南房総がばっちり見える。だって向こう岸、距離にして10kmちょっとだもの。そして今日のツーリング、最後の目的地をこのカフェにした理由はこの方に会うため!

辻本聡さん

そう、バイク好き、レース好きなら知らない人はいないはず(とくに我々世代なら)。元レーシングライダーの辻本聡さん! ヨシムラのマシンを駆り1985年、86年に全日本ロードレースTT-F1シリーズチャンピオンを獲得。鈴鹿8耐ではケビン・シュワンツやエディ・ローソンとペアを組み表彰台に立ち、スズキのワークスライダーとして全日本GP500シリーズでも活躍した。当時バイク小僧だった僕は、スズキのスポンサーだった剃刀「シック・アドバンテージ」のCMに出演する辻本さんを見て「カッコエエー!!」としびれていたのだ。

そんなレジェンドライダー、辻本さんとは、僕が携わっていた雑誌『MOTO NAVI』を通じて10数年のお付き合いだ。今では「辻ヤン」と呼ぶ仲……(ウソ)、敬意と親愛の情を込めて「辻本アニキ」と呼ばせていただいている。その辻本アニキがもともとご自宅のあった野比にこのPILOTA MOTOをオープンされ、今では“レジェンドに会えるカフェ”として多くのライダーに知られ、愛される場所となっているのだ。

PILOTA MOTO

PILOTA MOTOのFacebookページはこちら

店内にはバイクが置かれ、レーシングスーツ、レースの写真やイラストなどが所狭しと飾られている(写真がヘタで雰囲気伝わらんな……)。それらを眺めつつ、ツーリングの疲れを癒やしてくれる美味しいコーヒーを飲み、さらにレジェンドと言葉を交わすことができるという至福のカフェ。この日もひっきりなしにライダーたちが訪れていた。

野比海岸からの夕陽

そしてひとしきりカフェタイムを楽しんだあとは……。店の前から見る美しい夕陽。まさにこの日のツーリングをシメてくれる絶景だった。さあ、陽が落ちると途端に寒さとの戦いになるのが真冬のツーリング。僕もふたたびハンターカブで海を渡り、南房総に帰らなければ。辻本アニキ、コーヒー美味しかったです!

東京湾フェリー

幸い、PILOTA MOTOからフェリー乗り場のある久里浜港まではバイクで10分ほど。すぐに乗船することができ、帰路はカフェからトータル1時間少々で南房総の自宅に着くことができた。

東京湾フェリー

フェリーを使えば、原二でも房総〜三浦ツーリングがこんなに気軽にできるなんて! こんどはハンターカブで、三浦へマグロでも食べに行ってみようかな。

 

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