クッカーにはいろんな素材がある

 キャンプツーリングを始めるにあたって、さてどんなクッカーを買えばいいのか、大いに悩むのが「素材」ではないでしょうか。サイズについては、何人用のものを選ぶかってことだけですから、そんなに悩まない。2~3人用のものを買っておけば、ソロでも使えるし、タンデムで行く際も、あるいはキャンプ仲間に料理をふるまう際にも使えるので、まあOKでしょう。ところが素材となると、アルミ製だったり、ステンレス製だったり、チタン製だったりと、いろいろあって悩みます。この中で一番お高いのがチタン製なので、高い分だけ優れているのかなあ、なんて思ったりもすることでしょう。バイク用のマフラーも、ステンレス、スチール、チタン、カーボンとある中、軽さと強度じゃチタンがバランスいいと言われてますし。

アルミとステンレス

 アルミと、ステンレスと、チタン。クッカー用の金属としてどれが一番いいのかという問いに、実は答えがないのです。あるのは、素材ごとにメリットとデメリットがあるねってこと。
 例えば右の、トランギアのメスティン。近年なぜか大人気で、入手しにくく、ついにはダイソーやワークマンまでそっくりさんを販売するに至りましたが、これはアルミ製。アルミは強度が低く、傷つきやすいし変形しやすく、こげつき予防の表面処理がされていたとしても加工が剥がれやすい(メスティンはそもそも無加工)というデメリットがあります。一方で、軽く、安価で、熱伝導率が高いというメリットもあります。ご飯を炊くんだったら、熱伝導率が高いアルミに軍配が上がります。チタンよりもステンレスよりも上手に炊けるのです。
 左のシエラカップは、ステンレス製。ステンレスは重いし、こげつきやすいし、熱伝導率がやや低いです。けれども強度があり、錆びにくく(耐食性や耐酸性も高い)、チタンよりも安いというメリットがあります。丈夫なので、少々乱暴に扱ったって平気。

チタンのメリット、デメリット

チタンクッカー

 これはスノーピークの「カップ・イン・チタン」という製品。すでに廃番になっていますが、ソロから2人用として使える大小2種類のクッカーと兼用フタにカップを収納し、たった290gという超軽量を実現したチタン製クッカーセットとして人気でした。

チタンクッカー

 セット内容は、フタ兼用プレート(φ150x29㎜)、カップ(φ114x41mm)、クッカーS(φ128x69mm)、クッカーL(φ150x71㎜)。廃番となった現在は、「チタンパーソナルクッカーセット」が後継商品と呼べるでしょうか。セット内容からカップとプレートがなくなった代わりに、折り畳み式の取っ手のついたフタSと、フタLが加わって、重量は330g。それで価格は8690円。
 「チタンパーソナルクッカーセット」と同じ形状、同じセット内容で、アルミ製のものも販売されています。「アルミパーソナルクッカーセット」。こちらの重量は485gで、価格は4180円。
 値段が倍以上も違うことに驚きます。で、どれだけ重さが違うのかというと、155g。過酷な状況で登山するというのなら、荷物は少しでも軽くしたいでしょう。けれどもバイクで荷物を運ぶ僕らライダーの場合は、どうでしょうか。

チタンクッカー

 ちなみにレギュラーサイズのOD缶が、すっぽり入ります。なので、荷物を少しでも軽くコンパクトにしたいという登山者の場合は、チタン製は大いにアリ、といえます。

チタンクッカー

 チタン製のメリットは、高強度ゆえに厚みを減らすことができて結果的に軽いということ、耐食性に優れていること、金属臭がほぼないこと、錆びないこと、など。デメリットとしては、熱伝導率が低い、値段が高い、など。熱伝導率が高ければ、鍋全体が温まるので料理を加熱しやすく、ご飯も炊きやすいのですが、熱伝導率が低いと加熱ムラが生じやすいのです。
 ですのでチタン製の場合は、うどんを茹でるとか、ラーメンを煮るとか、お湯を沸かすなど、液体を加熱する調理だけに留めておくのが無難。液体は過熱されれば、鍋の中で対流しますので、自然に混ざりあってくれるというわけです。
 以上、クッカーは高いからいい、安いから悪いということではない、というお話でした。予算と目的に合わせて、素材を選んでくださいね。んで、そのうちいろんなクッカーが欲しくなってきたら、どうぞお好みで。あれもこれも欲しがって手を出す人って、たくさんいますから(筆者もその一人)。

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