南房総の弱点は「カフェ」である

千葉県の南房総エリアは、東京や神奈川からのアクセスのよさと海あり山ありのロケーションから、ツーリング先として最近とみに人気が高まっている。僕自身もツーリングやドライブにちょくちょく出かけているうちに、ついに南房総に住むことになり……。じっさいに住んでみるとなおのこと「いい場所だなー」と思うようになった。【南房総がいざなう「2台持ち」生活】参照

なにしろバイクで30分も走れば、さまざまな絶景スポットや美味しい食事処に行くことができる。だがしかし1年ほど住んでみて、南房総にも弱点があることがわかってきた。そのひとつとして「カフェ」が少ないということ。もちろんあるにはあるが、食事処の豊富さに比べると圧倒的に少ない。なので食後のコーヒーはコンビニで済ませてしまう、というライダーも多いはずだ。

そこで今回は希少な南房総エリアのお薦めカフェを紹介したい。内房の海に突き出した明鐘岬に佇む“ポツンと一軒カフェ”その名も「音楽と珈琲の店 岬」だ。

んなのとっくに知ってるよ!有名だよ!というツッコミが10万人のForR読者から聞こえてきそうだが、そのとおり、じつはすでによく知られているカフェではある。しかし先日出かけてみて、あらためて「ここはツーリングで立ち寄るのにいいカフェだなあ」と思ったもので……。どうか紹介させてください!

岬カフェの入口

 

カフェに辿り着くためのちょっとしたハードル

まず「岬」の場所なのだが、これがなかなかマニアック。内房の海岸沿いを走る国道127号線にカフェへ至る道の入口があるのだが、目印は歩道にポツンと置かれた店の看板のみ。東京方面から向かって来ると、金谷の港、鋸山を越えた先の右側なのだが、交通の流れが多い道なので、注意深く探していないと見過ごしてしまいそうだ。ちなみに信号などはないので、前後に注意して右折する必要がある。岬カフェ看板

ガードレールの切れ目から道路脇に入っていくと、路面はゴツゴツとした石が露出する未舗装になっている。ハンターカブなら楽勝だが、スーパースポーツ系バイクだと「おっとっと……」となるかもしれないので注意だ。ダート経験のない女性ライダーなどが涙ぐんでるのを見たこともあるが、あらかじめ「未舗装路なので注意」と予備知識を入れておけば大丈夫だろう。看板に従って進むが、不安な人は止めやすい場所を見つけてそこからは徒歩で進もう。岬カフェ

「岬カフェ」に到着。ご覧のように目の前は海。しかも岬突端の高台に建っているので、眼下に海を臨む絶景ロケーションだ。ただし建物は今どきのお洒落カフェではない。限りなくプレハブである。しかしこれには理由がある。

映画の舞台になった「岬カフェ」

カフェがオープンしたのは40年以上前、1978年に遡る。しかし、2011年に火事で建物が焼失してしまったのだ。しかし近所の方々や常連のお客さんの協力などもあり再オープン。ちなみにこのカフェのストーリーは『虹の岬の喫茶店』という小説になり、その小説をもとにした『ふしぎな岬の物語』という映画が2014年に公開されている。主演は女性店主役をつとめた吉永小百合、共演は阿部寛、竹内結子、笑福亭鶴瓶……という豪華キャストの作品で、じっさいのロケもこの岬カフェで行われている。

岬カフェ店内

明るい日差しが降り注ぐ店内は手作り感あふれるほのぼのとした雰囲気。お店のスタッフの方も気さくで、くつろげる雰囲気だ。店内には映画撮影時の写真もたくさん飾られていた。

岬カフェメニュー

メニューはコーヒー、紅茶などの飲み物がメイン。トースト、ケーキなどもあるが、食事目的というよりは、ティーブレイクで訪れるのがいいと思う。コーヒーは1杯ずつ、丁寧に淹れてくれる。

岬カフェ

この日はまだ寒かったので、店内の窓ぎわ席に座った。ここから海を眺めるのもいいが、もう少し暖かい季節になったらベスポジはやはりテラス席だろう。

ちょっとテラス席に出てみた。うん、やっぱりここだね。もしクルマで訪れたなら、ちょっと寒くてもここでコーヒー飲むかもしれない。まさに絶景カフェである。ちなみにコーヒーカップはいろんなデザインのがあって、この日はハート型♡。こういうところはカフェと言うより“喫茶店”って感じでエモい。

この岬カフェ、前述したようにすでに有名なので、週末のお昼前後はかなり込み合っていると思う。できれば平日、週末なら混み合いそうな時間を外して訪れることを勧めます。内房なので夕陽が美しいはずなのだけど、その後の帰り時間帯のアクアライン渋滞を考えると、むーん、悩ましい。僕は近所なので夕陽を見てからサクッと帰れますが(ごめんなさい……)。

岬カフェ

音楽と珈琲の店 岬

住所:千葉県安房郡鋸南町元名1

instagram:https://www.instagram.com/coffee.misaki/

 

 

 

 

 

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事