バイクで走って楽しい道といえば、高原のワインディングロードが真っ先に思い浮かぶでしょう。けれどもシーサイドロードやレイクサイドロードなど、海岸や湖岸に延びる道をのんびり流すのも、気持ちがいいものですよね? そこで今回は、筆者が特に好きな猪苗代湖のレイクサイドロードをご紹介。途中で立ち寄る庶民派の本格そば屋もおすすめなのであります。
猪苗代湖はバイクなら楽しく一周できる!
猪苗代湖は、福島県の中通りと会津地方の真ん中あたりにあります。淡水の湖としては全国3位の面積(103.32平方km)で、東北では最大の大きさ。
湖の北側を東西につないでいる道は国道49号線で、ほとんどのクルマはこの国道を使って移動しているのですが、猪苗代湖は東岸側に県道9号線、西岸側に県道376号線などが刻まれており、すべて走りつないで湖岸を一周することができます(一周、約56㎞)。
この県道が、筆者のお気に入りルート。交通量は少ないし、信号機のある交差点もほぼないので、レイクサイドをのんびり流せるのです。
西岸の県道376号線は途中、クルマのすれ違いができないぐらいの狭路が続くため、走行には細心の注意が必要となりますが、こっちはバイクですからね。目と耳を使って、対向車が来ないかどうかアンテナを張り巡らし、安全な速度で走り抜けましょう。
猪苗代湖は湖南からの眺めが美しい
猪苗代湖の湖岸は、入り組んだ岬が連続し、白砂青松の浜が点在。湖の東西南北どの方向から眺めても美しいけれど、筆者が特に好きなのは南側からの眺め。
水を満々とたたえたその向こうに、会津磐梯山がそびえ立つ景色がいいじゃありませんか。
県道376号線はごく一部にガードレールのない路肩もありますから、ご覧のような写真も撮れます。白いガードレールがあるかないかで、見た目の気持ちよさは大きく変わります。
水がきれいだから夏は湖水浴も楽しめる
猪苗代湖は水がきれいなので、夏は湖水浴が楽しめます。湖水浴場が湖のあちこちにあるので、ツーリングの最中にひと泳ぎ、というのもアリ。海水浴だと塩を洗い流すのが面倒だけれど、湖水浴なら話は別です。肌が乾いたらそのまま服を着ちゃって、ツーリング続行! というのも可能です。
猪苗代湖の湖水浴場の浜開きは、毎年7月20日~8月20日の1ヶ月間です。
生産者直営のお店で絶品そばを
ツーリング先では、できるだけその土地ならではのものをいただきたい。これぞ旅めし。今回ご紹介するのは「湖南高原そば道場食堂」の手打ちそば。
猪苗代湖の南側に位置する郡山市湖南地区は、そばの生産地。標高500mオーバーで寒暖の差が大きいため、そば栽培の好適地なのです。この地域のそば農家さんたちが振興組合を結成し、運営しているのが「湖南高原そば道場食堂」。
なぜ道場? というのは、どうやらこの施設、そもそもは子供たちにそば打ち体験をさせるための施設としてスタートしたようなのですね。ですが、一般客でもふつうにおそばがいただけます。
訪ねる際は国道294号線、日帰り入浴施設「サニーランド湖南」の大きな建物を目印にするといいでしょう。湖南高原そば道場食堂は、その「サニーランド湖南」の敷地の片隅にひっそりとあります。平屋の小さな建物なので、見落とさないようにご注意を。
これですよ、これっ! 地元のそば粉を使った、挽きたて・打ちたて・茹でたての3タテ。メニューはかけそば600円と、もりそば600円の2種類のみ。大盛はそれぞれ800円。で、筆者はいつももりそば大盛を注文。
田舎そばっぽい感じがいいんです。気取ってないところに好感が持てるのです。トレーだって社員食堂のトレーみたいでしょう? いいんですそれで。そばの生産者であり、そば打ちの達人でもいらっしゃる、地元農家のお父さんお母さんが切り盛りするお店なんですから。
薬味はネギとワサビと辛味大根のおろしたやつ。そばつゆにちょこちょこ加えて、挽きぐるみのそばを楽しみます。この味と量でこのお値段とは、さすが生産者直営。
そばがいいから、そば湯もおいしい。そばちょこに熱いそば湯を注ぐと、だしの香りがぷわ~んと広がっていい気分に。ひと息ついたら、午後もレイクサイド・クルーズを楽しむぞ! ということで、猪苗代湖と湖南高原そば道場食堂のご紹介でした‼
営業日:金曜、土曜、日曜
営業時間:11時~14時
TEL:024-982-2024
※営業日と営業時間は変更される場合があります