クロスカブ110で峠越えツーリングでも楽しもうと、向かったのは陣馬街道(都道521号線)。陣馬街道は東京都八王子市で甲州街道(国道20号)から分かれ、都県境の和田峠を越えて神奈川県相模原市へと通じる道。なのですが、今年3月に出かけた時は和田峠が路面凍結していて越えられなかったのです。5月第3週となる先週、再チャレンジしてきました。都内とはいえ端っこの端っこ、これがいい感じのカントリーロードなのでありました。
起点は八王子市の追分交差点
かつて甲州裏街道とも呼ばれていた陣馬街道は、八王子市の追分交差点を起点として甲州街道と別れ、陣馬山方面へと西進していきます。
画像は追分交差点で撮影したもの。中央の太い道が陣馬街道、左の細い道は旧陣馬街道です。最初のうちは高いマンションも目につく、交通量もそこそこあってあまり楽しくない道なのですが……。
追分交差点から6㎞ほど進み、八王子ラーメンの名店「味幸」あたりまで来ると交通量も減り、すいすい走れます。
さらに1.5㎞ほど進んで圏央道の下をくぐって上恩方町(かみおんがたまち)に入れば、雰囲気は激変。北浅川という名の清流とともに上流を目指していきます。北浅川は多摩川水系の支流で、渓流の女王ヤマメも釣れる、いい川なのです。
上恩方町は、童謡「夕焼小焼」のモデルとなった土地。1㎞ちょい進めば、陣馬街道おすすめスポットの自然体験型レクリエーション施設「夕やけ小やけふれあいの里」に出られます。詳細は3月の記事「【陣馬街道】童謡『夕焼小焼』の里と険道と和田峠で路面凍結そして八王子ラーメンの名店」でお読みください。
そして「夕やけ小やけふれあいの里」を過ぎれば、道路は狭まり、白いセンターラインもなくなって、クルマのすれ違いも面倒な細道に。これぞカントリーロードといった印象。
陣馬高原下という地区にある、三代続く陣馬そばの名店「山下屋」までやってきたら、三叉路を右折。ここからは、道は狭いだけじゃなくて急勾配、そしてつづら折りの険しい道に変貌します。
画像ではゆるい坂に見えますが、とんでもない。クロスカブ110はトップの4速で登ることができず、3速、場合によっては2速までギアを落として走る始末。
でもスピードは出さないほうがいいですね。このあたりは峠越えを楽しむサイクリストや、登山者も多いのです。
この日も下ってきたサイクリストとカーブですれ違う際、ヒヤリとしたことがありました。
別のカーブでは、カーブを抜けた途端にご夫婦と思しき登山者と遭遇。しかも驚いたことに奥さんは道の右端を、ダンナさんは道の左端を歩いていて〈俺はどこを走ればいいのよ、ふたりの間を抜けろってか?〉みたいな状態。
雰囲気的には立派なカントリーロードですけど、一応ここも都内ですから、訪れる方が多いのです。
和田峠からは神奈川県
つづら折りを登り切れば、そこは和田峠。標高は690m。陣馬山への登山口でもあります。峠の茶屋と、広い駐車場(有料)があり、登山者はここにクルマを駐めて山頂を目指します。登りは約30分、下りは約20分。山頂には白馬の像が建ち、天気がよければ西に富士山、東に新宿の高層ビル群も眺められます。
この画像は今年3月10日に撮影したもの。ゲートが半分閉まっていて、ゲートの向こう、神奈川県側の路面が完全に凍っていました。
3月に路面凍結って、びっくりですよね。そして今回は5月、気温が高いのでメッシュジャケットを着ています。それにもびっくり。
メッシュジャケットって、以前は7月あたりから着るものじゃなかったっけ? 日本の春と秋は、本当に短くなりました。
さあ、3月には走れなかった、神奈川県側を降りていきます。道はやっぱり狭いですけど、緑もきれいでいい感じ。
富士山は見られず
和田峠から700mほど進むと、陣馬街道で一番の好展望地「富士山展望地」に出ます。
グーグルマップにも載っているぐらいだし、評価も高いので期待していたんですが、この日は天候に恵まれず、こんな状態。
まあ、富士山の眺めは、次に来る時のお楽しみに取っておくことにしましょう。今回は緑の美しい季節を満喫できているのだから充分です。
山道をぐんぐんと降りていくと、それまでなかった民家が目につき始めました。斜面には茶畑も広がっています。
田舎道らしい雰囲気が楽しめたのは、このあたりまで。陣馬街道の終点となる神奈川県相模原市緑区からは、都内に戻るため、甲州街道を東へ。
甲州街道も、相模湖の北側を走る区間は見通しのいいカーブが連続し、バイクで走るのは楽しいもの。
ジャンボ野菜ラーメンに挑戦
帰路、昼めしにラーメンでも食べようと立ち寄ったのは、甲州街道沿い、相模湖を見下ろす位置に建っている「見晴しドライブイン」。
ずいぶん昔からやっているドライブインで、湖を見下ろす庭の木々が成長しすぎて見晴しが悪くなっちゃいましたが、それも歴史です。
値段も昔のままっぽい。しょうゆラーメン550円、四川風ラーメン600円って、安くないですか?
筆者が注文したのは、このお店の名物でもあるジャンボ野菜ラーメン800円。それがこちら。
そんなにジャンボに見えない? いえいえ、それはレンゲがデカすぎるから、ドンブリが小さく感じられるだけであって、麺は2玉も入っているんです。
上から見ると、こう。
普通サイズのレンゲだと、ドンブリの中に沈み込んじゃうんです。それよりも割り箸の長さや、iPhone(SE3)との比率を想像してみてください。
ドンブリの直径を計ってみると、26㎝もあります。
ジャンボ野菜ラーメンのボリュームは、タンメン(700円)のほぼ2倍。それで値段が100円しか違わないんですから、頼むしかない、食べるしかない。
あーっ、食った食った。今夜はメシ抜きでもいいぐらい。
こちらのドライブインは会計時、サービスで缶コーヒーがいただけるのも名物みたいなもの。人情味にあふれた昔ながらのドライブインです。みなさんも、ぜひ!
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