バイクで走って気持ちがいい道といえば、スポーツ・ライディングと自然景観が楽しめる山岳ワインディングロード? 確かにそうなんですけど、北海道の道路のように、地平線に向かってまっすぐに伸びるストレートっていうのもアリですよね? じゃあ、美しい海の上を駆けていく、大きくて長い「橋」はどうでしょう。例えば本州の西端、海士ヶ瀬戸に架かる、角島大橋(つのしまおおはし)。

歓喜に震えてしまう「海の道」

 バイクで走って気持ちがいい! 文句なし! だって回りはエメラルドグリーンの海、向かう先は緑あふれる離島、見上げれば広大な青空……。
 いつかは愛車で訪ねたいと願っていた、憧れの角島大橋です。
 いざ橋へと乗り入れん! その瞬間、筆者は歓喜に震えました。あまりの嬉しさに、ヘルメットの中で「おおっ!」とか「いやっほー!」とか声も漏らしていたはず。

角島大橋

 山口県道276号角島神田線の角島大橋は、2000年に開通。景観の美しさで開通直後から話題を集め、テレビのCMやロケ地としても使われるように。
 橋の長さは1780mで、通行料無料で渡れる離島架橋としては開通当時、日本最長を誇りました(2022年現在は第4位)。
 海の上に、こんなに長い橋を渡せるなんて、日本の技術力ってすごいですね。総工費は149億円だそうで、これを橋の長さの1780mで割ると、1mあたり約837万円という計算に。安いんだか高いんだか、素人の筆者には皆目見当がつきませんが、この橋のおかげで年間約90万人もの人間が訪れる観光地となったわけですから、モトはすぐに取れるのではないでしょうか。

島もしっかり観光してみよう

角島大橋

 角島大橋は、海面のすぐ近くを走れるという点も魅力。もっとも低いところで、海抜8m付近を通過するのですから、どれだけ近いか。
 瀬戸大橋や関門橋、レインボーブリッジなども走って気持ちがいいものですが、海面からずいぶん高い位置を走行しますよね。角島大橋は、それとは趣きがまったく違うのです。
 これは、この場所が北長門海岸国定公園内にあることから、周囲の景観を壊さないようにと配慮して低く設計したのだとか。
 角島大橋の制限速度は40km/hです。すがすがしい海風が吹きわたる海上で景色を楽しみながら、のんびり走りましょう。

角島灯台

 角島に渡ってしまえば、そこから島の突端までは約4㎞。突端には、日本海側初となった洋式灯台、美しい石造りの角島灯台がそびえ立っています。この灯台は参観料金300円を払えば、中に入って登ることもできます。105段のらせん階段とはしごを登ると、そこは360度の絶景が見渡せる展望所。登れる灯台は全国に16ヵ所しかないそうですから、記念にぜひどうぞ。

高級魚「ふぐ」を安くいただく

 旅に出たなら、その土地ならではの食事を楽しむ。これぞ旅めし。今回は、ふぐの本場・山口県ということで、ふぐをいただきましょう。
 値段の張る食材ですから、高いお店に行けばそれなりのお値段になっちゃいますが、大丈夫。筆者が今回ご紹介するのは庶民派のお店で、1000円でお釣りが来るドンブリ。

ふくの河久

 はい、これ。ふく刺しぶっかけ丼。地元ではふぐのことを「ふく」と呼んでいますからメニュー名が「ふく刺し」になっていますが、ご飯の上に並べられているのは「まふぐ」の刺身。さらにその上に、ふくの皮と刻みネギ。
 これで980円です。安いでしょ!? 豪快にドンブリ鷲づかみにして、バクバクいっちゃいましょう。ふく刺しは、ちょいと辛めのポン酢がかかっていて、暑い日でもサラっと食べられます。濃い醤油と違って、ふくの繊細な旨味がしっかりと堪能できる点も秀逸。

980円? なぜこんなに安いのか

ふくの河久

 お店の名は、ふくの河久(かわく)唐戸店。ふくの河久は、ふぐの本場・山口県下関市で、ふぐ加工品の製造直売をしている専門業者さん。その会社が直営しているのが、このお店なんですね。全国で唯一ふぐ専門の卸売市場がある南風泊(はえどまり)の本社工場で新鮮なふぐを加工し、通販もしています。
 ふぐ業者直営だからこその安さ、旨さ、というわけ。メニューはほかに「ふく天うどん」600円、「ふく雑炊」780円、「ふくカツカレー」680円など。や、安い!
 場所は下関市の人気シーサイドモール「カモンワーフ」のすぐそば。

 角島大橋からは約53㎞と離れていますが、下関をツーリングするなら唐戸町周辺は立ち寄りたいところですからね。
 ですので、次回はこのエリアのツーリング情報もたっぷりお伝えしようと考えています。ではまた!

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