四国最南端の足摺(あしずり)半島周辺は、高速道路や鉄道が通じていないため、遠方から足を運ぶのは大変。ちなみに東京からの移動だと、国内でもっとも時間を要する場所のひとつともいわれているそう。だからこそ、訪ねてみれば最高の「さいはて感」が満喫できるのです! 今回はそんな足摺半島周辺にある、ライダーにお勧めの爽快ロードをふたつご紹介します。

足摺サニーロードで爽快シーサイドクルーズ

 タイトルバックの画像、気持ちよさそうでしょう? 四国の南、高知県土佐清水市の海沿いに延びている国道321号線です。
 足摺にある321(サンニーイチ)号線だから、愛称は足摺サニーロード。公募によって選ばれたそうですが、南国の陽光を浴びて走る感じが、愛称によく表れています。
 タイトルバックの画像を、道の反対側、海側から眺めるとこんな感じ。

足摺サニーロード

 陽光ふりそそぐ海沿いの道を、潮風を浴びながら走る気持ちよさは、ライダーなら誰もが知っているはず。
 国道321号線の総延長は84㎞ですが、シーサイドクルーズが楽しめるのは、叶埼(かなえさき)から四万十市方面へ向かって約30㎞、下ノ加江(しものかえ)海浜あたりまで。

足摺サニーロード

サニーロード周辺は観光スポットも豊富

足摺サニーロード

 足摺サニーロードは、海と空を眺めながら走るだけでも充分に満足できる道ですが、ただ走るだけではもったいない。周辺にはお勧めの立ち寄りスポットもいっぱいあるのです。
 たとえばジョン万次郎資料館。養老地区の「海の駅あしずり」構内にあるこの資料館では、地元・土佐清水市中浜に貧しい漁師の子として生まれた万次郎の、壮大かつ波乱の人生を知ることができます。
 自然景観としては、激しい風や波の浸食作用による奇岩・奇勝が広がっている竜串(たつくし)海岸や、白い砂浜と緑の林が1.6㎞に渡ってゆるやかな弧を描いている大岐海岸も見ておきたいところ。大岐海岸は絶滅危惧種のアカウミガメが産卵に訪れるほどの貴重な場所でもあります。画像は↓

大岐海岸

半島の尾根を走る足摺スカイライン

足摺スカイライン

 足摺半島周辺の爽快ロード、ふたつめにご紹介するのは足摺スカイライン。足摺サニーロードが海を楽しむ道なのに対して、足摺スカイラインは緑とワインディングを楽しむ道。足摺半島の中央部、尾根沿いの県道348号線がかつての有料観光道路、足摺スカイラインです。

足摺スカイライン

 筆者は無料開放される前の1980年代後半にもバイクで走ったことがありますが、当時から展望はそれほど開けていませんでした。現在では沿道の木々もさらに生い茂り、緑のトンネルを延々とくぐり抜けていくような印象。
 けれども急勾配と急カーブが連続する約12㎞のテクニカルなワインディングは、ライダーズ・マインドを刺激します。「無事に走り切ってやるぜ!」と闘志を燃やしながら、コーナーをひとつひとつクリアしていきましょう。そうしているうちに、ライダーは四国最南端の足摺岬へと到着することになります。

四国最南端・足摺岬で「さいはて感」に浸る

 足摺岬駐車場にバイクを駐め、亜熱帯林の中の自然遊歩道を歩くこと数分。突如現れる大パノラマに、観光客は誰もが声をあげます。そこは約80メートルの断崖絶壁の上に立つ足摺岬展望台。左右270度以上もの視界が広がっています。

足摺岬

 目の前の足摺岬灯台が、なんと凛々しいことか! そしてよく見れば水平線が、わずかに曲がっていることに気づくのです。
 地球は、丸い。当たり前ですが、こうして実感できる機会は滅多にありません。
 さて、足摺岬からお帰りになる際は、足摺スカイラインじゃなくて県道27号線で海沿いをどうぞ。県道27号線は2016年のトンネル開通などで道路の拡張と整備が進み、現在はこちらが足摺岬までのメインルートになっているのです。
 足摺岬からの家路は、だいぶ長いことでしょうね。でも、いいじゃありませんか。帰路が長ければ長いほど、旅の味わいは一層深まるのです。

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