ツーリング先では、せっかくですから、その土地でしか味わえないご当地料理をいただきたいもの。ということで今回は、盛岡三大麺のひとつ、じゃじゃ麺をご紹介。これがいわゆる一般的なジャージャーメンとは違う、実に個性的な麺料理なのであります。
盛岡じゃじゃ麺とは
じゃじゃ麺とは、茹でたての温かいうどんに秘伝の肉味噌、刻みキュウリ、薬味のネギをのせた、汁なしの麺料理。どんぶりではなく、お皿で提供されます。
ちなみに盛岡三大麺というのは、じゃじゃ麺、盛岡冷麺、わんこそば。これが食べたいがために、わざわざ盛岡へ旅行にやってくる、そんな観光客もたくさんいるほど。昼前にじゃじゃ麺を食べ、午後にわんこそばを、そして夜は焼肉屋で冷麺。そういうツワモノ、けっこういらっしゃいます。
さて、じゃじゃ麺。注文客は、おろしニンニク、おろしショウガ、お酢、ラー油など、お好みで混ぜていただきます。というか、じゃじゃ麺はこうすることで初めて料理として完成する、といってもいいぐらい。何もかけずに食べてもおいしいんだけど、いや、嘘だな。かけたほうが旨い。かけないなんて、ありえない。
特に、お酢ですよ。盛岡は筆者の故郷なので、じゃじゃ麺は数えきれないほど食べてきましたが、お酢なしのじゃじゃ麺なんて、カレーうどんにカレーがかかっていないぐらい、物足りません(個人の感想です)。
じゃじゃ麺は、いろいろとおいしいものが混ざるから旨いのだと、筆者は考えます。まず、上に乗っかっている肉味噌。肉と味噌という、おいしいものが混ざってる。どうやら、ゴマやクルミのペーストも入っているらしい。
そしてニンニク味噌、という組み合わせが、すごくおいしい。
さらに酢味噌というのも、おいしい組み合わせです。
味噌とキュウリ、これも合いますよね。
ラー油は、油です。味噌と混ざることで、油味噌という味わいに変化します。
こうした旨いもの同士の組み合わせが、複合的に重なり合い、じゃじゃ麺は唯一無二の味わいへと昇華するのであります(個人の感想です)。
で、じゃじゃ麺にいろいろ加えたら、混ぜます。味噌がシャツなどに跳ねないよう、気をつけてくださいね。筆者は高校生のころ、下校途中に白龍に立ち寄って、白いYシャツに何度シミを作ったことか。
混ぜ終わったら、ひたすら食べる。途中でお酢やラー油を足してもいい。筆者の場合、お酢は合計でヤクルト半分ぐらいの量を加えます。
で、食べ終わったら、卓上に用意されている生卵をお皿に割って、お店の人にこう言います。
「ちーたんたんひとつください」
するとお店の人が、そのお皿に茹で汁と肉味噌を加えて戻してくれます。ちーたんたんとは、じゃじゃ麺を食べ終わった後にいただく、たまごスープ。このスープにもお好みで、塩コショウ、酢、ラー油、ニンニクを入れていただくのです。
うどんの茹で汁を捨てずにスープにしてしまう! なんてエコなんだ! もったいない精神とはこのことです(個人の感想です)。
筆者が高校生のころ、じゃじゃ麺は350円、ちーたんたんは50円。アルバイト先のIBC岩手放送の時給1時間分でお釣りが来ました。安くておいしくて、ありがたかったなあ。
今もじゃじゃ麺の価格は、庶民派です。並盛で700~800円、ちーたんたんは100円前後かな。
風邪の引き始めで調子が悪いときは、じゃじゃ麺を食べるといいですよ。ニンニク、ショウガ、ネギ、たまご。一発で治ります(個人の感想です)。
盛岡じゃじゃ麺の元祖「白龍(パイロン)」
元祖のお店は「白龍」で、創業は60年以上。初代の店主・高階貫勝氏が、旧満州で食べた「炸醤麺(じゃーじゃーめん)」を盛岡で再現しようと、当時の地元で入手できる食材を組み合わせて考案したのが始まり。
風情のある、いい店構えでしょう? この画像は年末に帰省した際に撮影したもの。雪が降る中、食いたくて我慢できずに足を運んだのでした。
バイクでも行ける!「ちーたん」
盛岡で初めてじゃじゃ麺を食べるなら、ぜひとも元祖「白龍」に行ってみてほしいものですが、みなさん、バイクでしょう? 「白龍」はお店に駐車場がないのです。なので、ここでは店前に駐車場があるじゃじゃ麺屋さんもご紹介。
まずは「ちーたん」。盛岡市の中心部から離れているので、渋滞に合わずに行けるはず。
お店の前は広々とした砂利の駐車場です。このお店はカウンター席がないのでソロ・ツーリングでは入りにくいですが、複数人でのツーリングならちょうどいいです。
バイクでも行ける!「香醤 本宮本店」
ソロ・ツーリングでも入りやすいのは、「香醤(こうじゃん)本宮本店」。テーブル席ですが、卓上がパーテーションで仕切られているので、お向かいのお客さんと顔を合わせることもなく、ひとりでも気軽にいただけます。
「香醤 本宮本店」は賑やかな市内にあるお店ですけれども、駐車場をしっかりと完備。店舗前にはクルマなら2台、その他にもクルマで7台分の駐車スペースが用意されています。
ということで盛岡じゃじゃ麺。貴方もぜひツーリングがてら、味わいに行ってみてください!
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