遠く去りゆく昭和の香りを求めて、スーパーカブ110でのんびりツーリングする“昭和レトロ紀行”。いよいよメジャースポットの道志みち・・・・・・と言いたいところだけど、その前に行ってみたいレトロな喫茶店がありまして。COE入賞? シングルコーヒー? ミネラルロースト? とはいかに!?

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ローカルな街に突然、パリが出現!

カブ仲間(ダチ)の松田さんと別れ、いよいよ今回のハイライトの一つである道志みちに向かう。……と言いたいところだけど、その前に一休み。寄っていきたいレトロな喫茶があるのだ。なかなか本題の道志みちに行かないが、よしとしよう(笑)。

前回の平山橋から4km、10分もかからずに到着。「カフェド巴里苑」という喫茶店だ。外観からは昭和臭がさほどせず「ミネラルロースト自家焙煎」「COE入賞授賞珈琲が飲めるお店」(誤植ではない)という看板が目を惹く。聞いたことのない単語ばかりだ笑。

↑これが「カフェド巴里苑」。駐車場は向かいの郵便局となり、齋藤不動産管理の12~15番(黄色い札)だ。■神奈川県愛甲郡愛川町春日台5丁目5-6 11~19時 月曜休


入ってみると、内装は「ザ昭和の喫茶店」の趣。初老の店主さんらしき方が出迎えてくれる。

↑レンガを使ったレトロな店内は、コの字型でけっこう広い。席数は16席。

↑このカウンターとイスがいかにも昭和。

↑私は奥の席に座った。テーブル上のほか、各所に飾られている造花が少し哀しげ。


検索してみると、COEとはカップオブエクセレンス(Cup of Excellence)の略。国際品評会の厳しい審査を経て選定されたコーヒーの中でも最も高品質なコーヒー。日本でCOEコーヒーを飲める店は少なく、カフェド巴里苑のように各国のCOEコーヒーを飲める店となるとさらに珍しいようだ。

メニューを見ると、ブレンドではない「シングルコーヒー」がウリのようだ。ウイスキーで言うシングルモルトのように、純粋に豆の味が楽しめるに違いない。

↑シングルコーヒーのメニュー。どれも美味そう。さすがにブルーマウンテンSP(ジャマイカ産)は1188円と飛び抜けて高価。トーストなどパンもアリ。

↑ランチメニューも充実。スパゲティは「こっくり豆乳みそ」「ほんのりワサビ」などの工夫が凝らされている。


レトロ喫茶のナポリタンは大好物だけど、中古タイヤ市場とたまごサンドでお腹いっぱい……。コーヒーもどれを選んでいいのかと迷う。こんな時は……。

↑おすすめを選ぶことにしている(笑)。「なくなり次第終了」の一言にも弱い。


私が選んだのはドイ・チャンスペシャル(スッキリ~)。タイ北部チェンライ県に昔行ったことがあるのも決め手になった。

さっそく注文。店員さんは先ほどの初老の方のみで、いかにもマスターという言い方が相応しい。それにしても、かなりの田舎(失礼!)なのに、こんなハイカラな個人経営の喫茶店は珍しい。

↑コーヒーを手で淹れてくれるのがうれしい。しかも、高い技術が必要なサイフォンで抽出してくれる。


待つこと数分、コーヒーが提供された。

↑色が少し透き通っているドイ・チャンスペシャル(スッキリ~)。


口をつけると、一瞬「薄い?」と思ったが、クセのなさがそう感じさせる模様。喉の奥に消えると、しっかり珈琲豆の存在が残る。雑味がなく、酸味や旨みだけが感じられ、スルスルッと飲み干してしまう。

これは……最新技術で単気筒エンジンの鼓動感のみ強調したGB350のようだ笑!?

養豚家から喫茶店主に転職、専門知識がしっかり活きている

色々と店主にお話を聞いてみる。
「どうして相模原にお店を出しているんですか?」と先ほど脳内で思った失礼な質問を口走ってしまう。
そんな質問にも関わらずマスターは「珍しいですよね(笑)。創業したのが40年以上前ですが、異様な感じがしたと思います。横浜にあってもおかしくない」と答えて下さる。

オープンは昭和56年(1981年)。今のマスターは2代目で、以前のオーナーは今の店がある通りで肉屋を営んでいた。
「何かの理由でこの土地が売りに出されていて、喫茶が好きだったこともあって店を始めたそうです」

1980年代はこうした純喫茶が全盛期だった影響もあるのだろう。その10年後、前オーナーも店を売りに出すことに。

「ふとしたキッカケで私がお店を手伝うことになり、後を継ぐことになったのです。このお店に2か月ぐらい通って、最初は何が何やらさっぱりわからずでした」

その前は何をされていたのかお訊きすると「私は養豚が専門だったんです。大学から養豚を学んで養豚場に勤めていました。全くの畑違いですね。まさか自分が喫茶店をするとは全く思っていませんでした」

しかし養豚は決してムダではなかった。なんと、養豚の技術を活かして、コーヒーの焙煎をしているという。
「生豆の段階でアクを抜いているんです。すると、冷えても味が変わりません」
これがミネラルローストなのだ。「こんな焙煎をしているのはウチだけ」とマスターは胸を張る。

近頃はレトロブームでインスタ映えを狙って若い子も来るようになったと嬉しそうに話す。もし横浜や都内などの立地であれば、より高級志向になっていたのかもしれないが、今は高級と庶民路線のバランスがかなりいいカンジなのではないだろうか。

それはともかく、他のコーヒーも飲みたいし、マスターのお人柄もイイ。うーん、近くにあれば通ってしまうだろうなぁ。

長かったけど、いよいよ初めての道志みちへ!

ホッコリした気持ちになって、いよいよ道志みちへ向かう。

↑道志みちは、国道413号の峠道で全長約60km。神奈川県相模原市から山梨県の山中湖や富士吉田市までをつなぐ。


関東屈伸の人気ツーリングスポットだが、第1回で前述したとおり実は行ったことがない(笑)。今まで住んでいたのが都内北部だったり、埼玉だったりとアクセスが今一つなのが主な要因だと思う。それに人気になったのは、わりと最近な気がするのだ。

さっきまでいた松田さんは、1990年代に大学が八王子方面にあったことから道志みち周辺にもよくバイクで走りに来ていたらしい。人気になったのは「道志みちに“道の駅”ができてからじゃないですかね」と話す。

集まれる場所ができて、どんどんメジャースポットになっていったのでは、と松田さんは推測する。「道の駅どうし」ができたのが1999年。これ以降、人気が加速したようなのだ。

↑国道413号に入って間もなく。電光掲示板のカメと「ゆっくり走ろう」が印象的!

↑「セブンイレブン 相模原津久井青野原店」に立ち寄り。ここから山中湖付近までずっとコンビニはない。時刻は14時30分。昼は晴天で凄く暑かったが、曇りで少し冷えてきた。


コンビニの辺りは民家が多く、よくある地方の道路といった雰囲気。ただし平日ながら、チラホラとバイクが走っている。

実際、道志みちのどこが魅力なのか。詳細は別記事で書く予定だけど、ワインディング自体は手頃でそれなりに走りやすい。また、途中に食事処やキャンプ場が多く、脇道に絶景ポイントがあるのもいい。

まぁカブだし、カメのようにゆっくり走ろう。
【続く!】

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