海ぞいの道を走ってご近所朝メシへ
この冬は例年以上に寒いようだ……。東京都心よりはじゃっかん暖かいであろう、千葉県南房総に住んでいるのだが、それでもやっぱり寒さが身にしみる。とてもじゃないがバイクに乗るどころではない……。
しかしこの「ForR」の記事執筆がある以上、そうも言ってられないので、寒さに負けそうな(もう負けてるが)心とカラダにムチを打って“朝ツー”にでかけることにした。しかし走行は片道1時間以内。それ以上は絶対ムリ!(弱……)というわけでツーリングのテーマはおなじみの「ご近所朝メシツーリング」である。以前はウチから南に下った館山の「だいぼ」に行ったので(よかったら「関東朝めしツーリング【館山市だいぼの極上アジのひらき】絶景で朝食を!」ご覧ください)、今回は東京方面に上ってみようと思う。
1月下旬のとある晴れた朝。でも冬の晴れた朝って寒いんだよね……。とかガタガタ言ってないで出発!
家を出発し、まずは国道127号線に出る。この道は東京湾沿いに木更津から館山までを結ぶ、内房の幹線道路で、つまり湘南エリアにおける国道134号線みたいなもの。まあ、ロードサイドのオシャレ度はだいぶ違うけれども。
127号線を木更津方面へひたすら北上。
昭和レトロな「ニコニコドライブイン」
ちなみに127号線には「内房なぎさライン」という別名もあり、その名のとおり穏やかな東京湾を望む快適ロードでもある。そして走ること30分ちょい(距離は約20km)で目的地に到着!
富津市竹岡の「ニコニコドライブイン」だ。店名どおり見た目はまさに昭和の“ドライブイン”。たぶんこの写真をモノクロ変換したら、手前のハンターカブもCT110に見えてくるはず。
もちろん昭和から続く食堂で、もともとはトラックドライバーやタクシー乗務員などのプロフェッショナルな方に愛好されていたと思われるが、最近ではこの昭和レトロなテイストが「映える」ということで、週末はここを目当てにやってくる観光客で駐車場は満杯。なので土日には近寄らないのだが、今日は平日の朝、まだ混み合ってるということもないだろう……。
が、が、ガーン! なんと“まん防”の影響から臨時休業でした……。定休日でないことは確認してきたのだが、一歩遅かった……(訪問は1月下旬だった)。このとき、朝メシにありつけないショックと、「ForRの原稿どうしよう……」というWショック状態で、一瞬呆然とした私でしたが、次の瞬間(といっても5分ぐらいかかった)、ナイスなネクストのアイデアが。
「このあたりには行ってみたかった食堂がほかにもあったな。そう、あそこに行ってみよう!」
このニコニコドライブインから館山方面に4kmほど戻ったところに、外観のパンチでは負けるが、朝メシ的クオリティではむしろ上か……という食事処があるのだ。すかさずハンターカブをターンさせ、その店に向かう。頼む、やっててくれ……と願いながら。
代打、磯料理「マルゴ」!
到着! ご覧のとおりオーシャンフロントなロケーションの「磯料理 マルゴ」。こちらも外観はまるで飾り気のない“地元の食堂”だが、内房エリアを代表する有名店。この頃は平日、週末を問わず大勢のお客さんで賑わっている。まさにかつての阪神・川藤幸三なみの見事な代打っぷりだ。
この日も午前中にもかかわらず駐車場には5〜6台のクルマが(すべて他県ナンバー)。そしてツーリングライダーと思しき先客のバイクも店の前に止まっていた。ということは、お休みではないってことだよね。よかった!
こちらの看板メニューは店頭ののぼりにも書かれている「黄金アジ」。一般的な真鯵より大ぶりで肉厚、よってフライなどにするととても美味しいアジ。見た目も黄金色に光っていることから「黄金アジ」と呼ばれ、竹岡、金谷あたりでは名物になっている。入り口でリストに名前を書き、10分ほど待つと入店することができた。
窓際の座敷席にあがり、メニューを見る。おそらく「黄金定食」か「マルゴ定食」が取材的には鉄板なのだろう。しかし時間はまだ午前。食の落ちてる50代オジサン的には、朝メシでフルコースはちょっとキツい……。
黄金アジフライが旨すぎる!
ということでオーダーしたのは「アジフライ定食」1100円なり。いやいやコレだってもう、なかなか。ちょっと小ぶりだけど肉厚なアジフライが3尾(!)、ゴハンもモリモリ、さらに小鉢でちょい煮魚も付いて、十分なボリューム。アジフライはアツアツカリカリの衣の中に身がギュッと詰まっていて、評判に違わぬ美味しさだった。
ほらもう、写真で見ても美味しそうでしょ? こんな朝ゴハン、幸せすぎる。家から30分でサクッと来れる自分の住環境を褒めてあげたい!
こんど来たときはやはり「マルゴ定食」か「黄金定食」を頼もう……と思ういっぽう、いや「煮魚定食」「焼魚定食」も気になるぞ、いやいっそホタテフライも……。などと、目の前のアジフライを堪能しながらも、アタマの中はすっかり「孤独のグルメ」状態に。
というわけで、当初の目的だった昭和レトロな「ニコニコドライブイン」にはフラれたものの、見事に「マルゴ」でリカバリーすることができ、房総の朝メシの選手層の厚さを実感。帰り道の127号線沿いにまたまた気になるお店を見つけたりして、「房総の朝ゴハン」シリーズは続きそうです。