▲原動機研究部のメンバーと伊豆中央警察署の職員、伊豆市・菊地市長と東伊豆町・岩井町長(後列右)


9月29日(日)、伊豆半島で活動する地域クラブ「原動機研究部」(以降、原研)の主催により「伊豆ライダー誘致ツーリング」が開催された。

▲ツーリングの主なルート(図は往路)はこんな感じで、片道約50km強。天城越えでは上り坂が続くので電動バイクにはなかなか厳しいルートだ


このツーリングには東伊豆町の岩井茂樹町長と伊豆市の菊池豊市長も参加。これまで以上に、伊豆半島でのライダー誘致とモビリティ活用への機運をより広域で盛り上げるべく、電動バイクや電気自動車も参加して、両自治体の観光名所などを巡った。

▲東伊豆町の岩井茂樹町長(左)と伊豆市の菊池豊市長(右)はお二方ともにバイクに乗られるライダーだ。伊豆半島での広域なライダー誘致、バイクを含めた地域のモビリティ活用(特に移動困難者に該当する高校生など若年層)での連携協力にも期待したい

出発式では伊豆中央警察署からの安全運転講話や車両展示も!

▲道の駅伊豆月ヶ瀬のバイク置き場。バイクを頭から入れてそのまま頭から出られる造りだ


ツーリングの集合・出発地は伊豆縦貫自動車道・月ヶ瀬ICに隣接する「道の駅伊豆月ヶ瀬」(伊豆市)。ツーリングライダーにはお馴染みの道の駅で、ここにはコンクリート敷きの使いやすいバイク駐車場も設置されている。

さて、早朝の8時30分、まずはツーリング参加者やサポートスタッフらが集合して出発式が行われた。東伊豆町と伊豆市、両自治体の首長からの挨拶のほか、地元の伊豆中央警察署からの安全運転講話と白バイ・パトカー展示も行われ、一同は改めてツーリング中の無事故無違反を確認し合った。

▲伊豆中央警察署による安全運転講話では、署管内と静岡県内の交通事故発生状況、署管内バイク事故の構成比率が県下平均よりも高いこと、二輪車は四輪車から遠くに見えるなど特性を理解して運転してほしいこと等を説明した

ツーリングには大小の電動バイクも参加しVtoXも実施

なお、今回のツーリングには様々なサイズ・区分の電動バイクも参加した。道中の休憩スポットでの充電や走行中にも随伴車両内でのバッテリー充電を試みるなど、電動モビリティの活用・普及にも取り組む原研らしい新たな取り組みが行われた。

▲岩井町長はBMWがラインナップする軽二輪区分の電動スクーター「CE 04」で出発。普通二輪免許(AT限定も可)で運転でき、カタログ上は航続距離130km、最高速度120km/hという性能を持つ

 

▲ホンダの一般向け電動原付一種スクーター「EM1 e:」も登場! バッテリー(モバイルパワーパックe:)を1個搭載しカタログ上の航続距離は約53km。ツーリングルートは片道50km強なので、BYD車両内での走行中充電(VtoX)とバッテリー交換を予定している

最初の休憩地、道の駅天城越えでさっそく給電開始! 

▲国道414号沿いの道の駅 天城越えで最初の休憩をする参加者ら


一行は、走行ペースの異なる原付グループと自動二輪グループに分かれて道の駅伊豆月ヶ瀬を出発、国道414号などの幹線ルートを南下して天城越えを目指した。狩野川沿いなど緑豊かな約10kmを走ったのち、最初の休憩スポットである道の駅天城越えでの小休止となった。

ここではさっそく随伴車両の電気自動車(BYD「ATTO 3」「DOLPHIN」)から電動バイク(BMW「CE 04」「CE 02」)への給電が実施された。普段はなかなか見れないVtoX(ブイツーエックス)が行われる様子にツーリング参加者も興味津々だった。

▲BYD「DOLPHIN」からBMW「CE 04」に給電が行われた。関係者も初めてのこととあって少し苦戦した様子

 

▲BMW「CE 04」のインパネ表示。電気自動車から電動バイクにしっかり電気が送られている

 

▲今回、原研に加入したばかりの高校年代の男子が4名も参加した。車両は自前の原付バイクとレンタルバイク(EM1 e:)だ

細野高原では東伊豆町からの手厚く温かい歓迎!

▲河津七滝ループ橋を回っているところ。前を走っているのは白バイではなくユーチューバーの二宮さん


小休止・充電の後は、東伊豆町の景勝地である稲取細野高原へ。名所の河津七滝ループ橋を下り、東伊豆の海岸線に出て、稲取市街から急こう配の坂道を登る。なお、ホンダの電動原付スクーター「EM1 e:」は坂の傾斜が激しくなる前にバッテリー(モバイルパワーパックe:)の交換を行った。

▲グループの先頭で上っていくのは、まさかのホンダ「EM1 e:」! 電動原付スクーターが大型バイクを従えて急坂を上れることにちょっと驚いた

 

▲稲取細野高原への急坂を上る前に、途中の公民館でバッテリー交換をするホンダ「EM1 e:」。ロングツーリングでの使用は想定された用途ではないが、今回は経路充電(走行中のBYD車両からの給電)とバッテリー交換によりツーリングも楽しめた


長い坂道を登り切った先には、雄大な緑の細野高原が広がっていた。駐車場に面した広場では東伊豆町の方々から細野高原の特産品「くろもじ茶」や「丹那牛乳」の牛乳とコーヒー牛乳、お菓子などがふるまわれた。

▲稲取細野高原は東伊豆町を代表するジオスポットだ。約80万年前~20万年前に噴火を繰り返していた天城火山の一部が浸食され、高原湿地帯となった

 

▲ふるまわれた「くろもじ茶」。高級爪楊枝に使われることで知られるクロモジは、細野高原に多く自生する日本固有のハーブで、近年活用や研究が進んでいる

 

▲稲取細野高原の絶景を眺めながらのティータイムとなった。地元の方に歓迎してもらえることは旅を愛するライダーとしてこの上ない幸せだ

 

▲原研に入ったばかりの高校年代の男子4人。借りて乗っていたホンダ「EM1 e:」については「思ったよりもバッテリー交換がしやすかった。バッテリー残量20%くらいから出力制限がかかるけど、高原の500m前くらいで0%になった時も30km/h以上で走ってくれて驚いた」と率直なインプレッションを語ってくれた

 

▲給電はここでも行われた。「BYD AUTO 静岡」から2台の電気自動車について、エンジンとモーターとの違い、機能や補助金などの説明が行われた。補助金は国から35万円が出るが4年間所有しなければならないという縛りがある


また、岩井町長からは東伊豆・稲取温泉に江戸時代から伝わる風習の「雛のつるし飾り」キーホルダーがプレゼントされた。幸運のお守りとして人気のアイテムだ。

▲説明しながら参加者に雛のつるし飾りキーホルダーを手渡す岩井町長

 

▲東伊豆町から参加者にプレゼントされた「雛(ひな)のつるし飾り」キーホルダー。稲取は雛のつるし飾り発祥の地で日本三大つるし飾りに数えられている

下田警察署による安全運転講話やエアーバッグ体験も実施

広場では下田警察署の白バイ隊員が車両展示と安全運転啓発のための講話を行った。とても気さくな方で、参加者は白バイにまたがったり記念写真を撮るなどして楽しんだ。

▲死亡事故を数多く見てきた経験から「ヘルメットやエアーバッグベストなど安全装備品のコストはためらわないでほしい」という話のほか、交通機動隊の仕事や赴任してきた伊豆半島の良さについても語ってくれた


さらには、無限電光(愛知県名古屋市)が開発・製造・販売しているライディング用エアーバッグベスト・ジャケットの起動体験会も行われた。参加者は実際にベストやジャケットを着用してからエアーバッグをふくらませて、大きな音を伴う一瞬のふくらみに驚きつつも安全装具の大切さを実感していた。

▲エアーバッグジャケットの起動体験をした岩井町長。「これだったらコケても大丈夫そうだ。みなさん、ぜひオススメです!」

熱川温泉街に立ち寄ってから復路で出発地へ

▲出発前に原研メンバーらで記念撮影。一番手前は静岡県議会議員の岩田徹也さん。岩田さんもバイクに乗るライダーだ


稲取細野高原を後にした一行は、湯けむりが立ち上る熱川温泉街を散策したのち、来た道をそのまま戻るようなルートで出発地の道の駅伊豆月ヶ瀬へ。この旅はじめてのガソリン給油やコンビニ休憩も織り交ぜながら、安全第一での復路ツーリングとなった。

▲参加者らは下田警察署の白バイの先導により稲取細野高原を後にした

 

▲ツーリングの折り返し地点にもなっていた熱川温泉街を散策。もうもうと湧き上がる湯けむりのなか足湯も楽しめた

 

▲出発地である道の駅伊豆月ヶ瀬に戻ってきた一行は一本締めで無事ツーリングを終えた


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