
▲県道28号線を東へ。南阿蘇トンネルを抜けたところで一枚
南阿蘇、外輪山の中腹に位置する「南阿蘇パワースポットキャンプ場」を紹介したい。阿蘇くまもと空港と高森町を結ぶ県道28号線沿いのキャンプ場で、阿蘇五岳を遠望する絶景スポットでもあり、俵山峠展望所もほど近い。

▲南阿蘇を代表する絶景スポット、俵山峠展望所から望む阿蘇五岳
Contents
パワースポットキャンプ場の3つの特徴と由来

▲夕焼けのなか、サイトから望む雄大な阿蘇山
いろいろと特徴の多いキャンプ場なので、先にアピールポイントを3つ挙げておくと、こんな感じ。個々のポイントについては次項で説明しよう。
1. ライダーのソロキャンプが想定されたシングルロッジ
2. 全てのサイトから阿蘇の絶景が望める
3. 南阿蘇ツーリングの拠点として最適な好立地
ちなみに当キャンプ場の名称だが、なぜに“パワースポット”かというと、ここには宝来宝来(ホギホギ)神社があるからだ。

▲下のほうのサイトからは宝来宝来神社を眺めることもできる。朱塗りのかなり大きな拝殿だ
宝来宝来神社建立の由来を簡単に書くと、2004年、リストラにあった重機運転手が土地の造成工事中に夢に岩が出てきたそうだ。岩は「なぜ私を壊そうとするのか?」と言うので、運転手は「生活のために金が必要だ」と答えると、岩は「ならば宝くじを買いなさい。そして当たったお金の一部で私を掘り出して祀ってくれないか?」と言った。
その後、実際に宝くじが当たったことが噂になり、岩を祀って神社を建立するに至ったという。以来、宝くじの当たる神社、幸せを呼ぶ神社として知られている。

▲キャンプ場の入り口に建つ受付・管理棟
キャンプ場は、元々は全国から参拝に訪れる信者に向けたものだったが、一般客でも利用でき、サイトからの絶景や設備の充実度で評判になった。今では南阿蘇の快適かつリーズナブルなキャンプ場として認知されており、宿泊したからといって勧誘されたりといったことは一切ないのでご安心を。
特徴1. ライダーのソロキャンプが想定されたシングルロッジ

▲山の斜面に階段状に作られたサイトが複数あり、ロッジが建てられている
さて、特徴について説明したい。山の斜面に階段状に作られたサイト内には大小さまざまなロッジが立ち並ぶ。どのロッジもカラフルに塗られており、緑によく映えている。
ロッジには、シングル、2階建て、ツインと3種類あり、ソロからファミリーまでが宿泊可能だ。また、テントやシェルター、タープを持ち込むこともできるので、テント派の人でもキャンプを満喫できるだろう。

▲「双子のツインロッジ」は2階建てロッジが2棟連結されており、大人8人が泊まれる
高床式かつ三角屋根が特徴的なシングルロッジには1~2人が宿泊できる。床下のスペースにはテーブルと椅子が置かれており、座りながら調理をしたり、ゆっくり過ごすこともできる。また、それらをどかせば、床下にバイクを置くこともできる。

▲今回はシングルロッジを1人で利用した。床下のテーブルなどを移動させてバイクを置けば、雨や朝露で車体が濡れる心配もない
各棟には炊事場も設置されているので、水を汲みに行く必要はない。雨の日でもトイレ目的以外ではロッジから出なくていいので助かる。筆者も滞在中に大雨に降られてしまったが、床下スペースのおかげでとても快適に過ごせた。

▲雨が降るなか、広い床下スペースでデスクワーク。100VコンセントもついているのでPCやスマホの充電も心配ない

▲床下スペースにはテーブルと椅子が置かれている。これらをどかせばバイクを入れることもできる

▲なんと冷蔵庫まで完備! BBQ用のあか牛のお肉はもちろんのこと、ビールも冷やしておける。なんという贅沢装備!

▲室内はもちろんのこと、床下スペースにも電灯があるので夜でもランタンは必要ない
室内は屋根裏のような三角形のスペースで、階段を使って上り下りする仕組み。出入りには少しコツというか慣れが必要だったが、ハッチ(扉)には室内から鍵がかけられるので就寝中でも不安はなく、まさに個室で落ち着ける。

▲三角形の屋根の形状がそのまま壁面になっている。室内はカーペット敷きで、ローテーブルと座椅子、クローズドセルマットと毛布、枕が置かれている。窓にはブラインドもつくので目隠し効果があり、直射日光も遮れる

▲今回は寝袋とストーブ、コッヘルのみを持ち込んだ。バイクに積むとかさばってしまうクローズドセルマットが常備されているのはありがたい

▲昼間は窓からの採光によって室内も明るい空間に。冬場は石油ファンヒーターも利用できる(利用する場合は500円)

▲室内から見た昇降口。コンパクトな階段が設置されているが、上り下りには少し慣れが必要かも。ハッチ(赤色の扉)には鍵もかけられるので就寝中でも安心だ
特徴2. 全てのサイトから阿蘇の絶景が望める

▲阿蘇山の絶景はすべてのサイト、ロッジから眺めることができる。かなり贅沢なロケーションといえるだろう
パワースポットキャンプ場は南阿蘇村の市街をはさんで、阿蘇山と対面するようにサイトが作られている。階段状の各サイトが山の斜面にあるので、どこにいても阿蘇山が目の前だ。この斜面には「未来樹の丘」という名称がつけられているが、展望台としても営業できるだろう絶景スポットとなっている。

▲上段のサイトには阿蘇山をゆったり眺められるテラスも設置されている。いやほんと最高のロケーション!
特徴3. 南阿蘇ツーリングの拠点として最適な好立地

▲県道28号線沿いにあるキャンプ場への入り口。宝来宝来神社、未来樹の丘の案内看板が目印。写真は西から東(高森町)方面を撮影
レンタルバイクも借りられる「阿蘇くまもと空港」からは17km20分、南阿蘇の立ち寄りどころ「道の駅 あそ望の郷くぎの」からは7kmほど10分、阿蘇の名所である中岳や草千里に上っていく「阿蘇パノラマライン」(県道111号線)の南端である国道325号との交差点からは11km16分と、南阿蘇ツーリングの要となるスポット・地点からのアクセスも良い。

▲阿蘇くまもと空港からレンタルバイクを借りていくのも手。ガスストーブを持っていく場合は空港を出てからのガス(特にOD缶)の入手先をあらかじめ調べておこう
諸設備と主なデータ・注意点

▲シャワー棟は敷地内に2つあり、近隣には温泉施設もある
パワースポットキャンプ場にはコインシャワー設備(2棟あり・15分300円)も用意されているほか、ウォシュレット付きトイレもある。ただしスーパーやコンビニは近くにないし、場内には飲料の自動販売機もない(※2024年10月時点)。また、ゴミは基本的にすべて持ち帰りとなる。こういった点だけ頭に入れておけば、サイトでの生活は快適そのものだろう。ぜひ絶景のなかキャンプを楽しんでほしい。
●主なデータ
〇予約・問い合わせ/公式サイトから可能
〇チェックイン・アウト/15:00~・~10:00
〇入村料(管理費)/500円
〇ロッジ泊・シングルロッジ(32棟あり)/1泊1,500円 ※2人の場合は1棟2,000円 (1人当たり1,000円)
〇ロッジ泊・2階建てロッジ/1泊6,000円 ※最大4名まで
〇ロッジ泊・双子のツインロッジ/ 15,000円 ※最大8名まで
〇テント泊・バイクソロ宿泊/持ち込みテント及びシェルターは1張り1,500円、持ち込みタープは1張り1,000円 ※サイトはフリーサイト、区画の貸切も可能
〇テント泊・バイクソロデイキャンプ(9:00〜日没まで)/持ち込みテント及びシェルターは1張り1,000円、持ち込みタープは1張り500円
●注意点
〇焚き火は直火禁止。焚き火台などを使用のこと。薪は購入可能(一把500円)
〇近隣にスーパーやガソリンスタンド、コンビニはない
〇ゴミは基本持ち帰り(やむを得ない場合の処分依頼は500円)