国内唯一のツーリング専門誌「モトツーリング」(内外出版社)の編集ディレクターでもあるわたくし。本が隔月誌なので2か月に1回はツーリングロケ取材に出かけているわけですが、相変わらずいろいろなことが起こります。

今回は、ほぼ毎年のように通っている長野県白馬村でのトラブル話。いまこうやってね、時が癒してくれたからいいけどね、当時はまんま「オワタ\(^o^)/」だったのよ(おじさん構文)。

たかがモニターをやられただけだ!

▲愛機「KP」。わたくし生粋のペンタキシアン(PENTAX愛好家)でして、他メーカーに浮気したことはございません。ハイパーマニュアルを信仰する信者のひとりです(笑)

 

時は2025年4月30日、世はゴールデンウィークのさなかである。雪化粧した北アルプスの美しさを目当てに、ヒャッハー勢がヒャッハー!しているなか、事件は起こったのだ。

あんれ? あーれれ? カメラがなんかおかしいぞ? うん? 背面モニターが映らない。電源を入れなおしてもバッテリーを交換しても、深淵の闇、つつまれてさぁ…。

ア アラララァ ア アァ!

もうね、ディギーさん(Diggy-MO'さん ※筆者はSOUL'd OUTの自称Cruである)状態でうめいちゃったよ。白馬の絶景を前にして絶望のラップかましたよ。

事務所を早朝に出発して現地入り8時半、予め調べておいた撮影ポイントに到着し、眼前には北アルプスの絶景! なのにモニターが映らない!

▲途方にくれつつリモコンのシャッターボタンを押している私をKPが撮影していた(帰宅後に確認)

 

たかがモニターをやられただけだ!

やっぱりガンダムはファーストだよね。ガンプラ集めてたし。んいやぁ、そんな現実逃避している場合じゃない。撮影した画像の確認ができないのはまだいい。しかし、我が愛機「PENTAX KP」には上部液晶ディスプレイがない! ファインダー内の設定表示もかなり限られている。これが何を意味するのかというと…

こまかな撮影の設定ができない… のだ。例えば、ホワイトバランスや画像サイズ(解像度)といったデジカメ撮影時には必須となる設定。これがいまどうなっているのかが全くわからない。前回撮影時のままならホワイトバランスはAUTO、画像サイズはLサイズになっているはず…。これなら誌面の見開きサイズにも対応できる、はず…。はず…。おじさん涙目(ノД`)・゜・。

これらは本来、いまは死んでしまっている背面の液晶モニターでのみ確認できる項目で、それがわからない以上、撮影の最も基本的なベースとなる設定を失っていることになる。遊びならまだしも仕事で来ているのにこれはマズい。予備カメラなどない(iPhone13 miniのみなのでマクロ撮影もできない)。

ヒャッハー勢が楽しそう! 一方のワイ地獄絵図!

▲三脚を立てると自然と寄ってくるヒャッハー勢の皆さん。こちらのカメラなんておかまいなしだ。これもリモコンをいじっていて偶然取れていた写真

 

ああだこうだしている間に時は過ぎていった。三脚を立てていたからか、いつものように「お、あそこは景色がいいのか?」とゴールデンウィーク満喫勢が急ブレーキをかけつつこちらに曲がってきて、わらわらと集まってきては絶望するワイの目の前で「ハイ、チーズ(ニッコリ)」をかましていく…。くっそ、おまいら全員〇に〇られて〇してしまえ!と呪いの言葉もわいてくる。これぞ地獄絵図である。

スマホでいろいろと調べもした。自分がボタン操作を誤って「モニターを映さない」という設定をしたのかもしれないとWEB上の取扱説明書も読んでみる。しかしそれらしい項目は見当たらない。しかし、そこにいちるの望みが!

Wi-Fi接続すればスマホで撮影確認ができる!?

「本機とスマホアプリ(Image Sync)とのWi-Fi接続により、お手持ちのスマートフォンで撮影確認ができますよのことよ

な、なっなっぁんんんとぉおおお!!? 設定の手順は…

「まず、液晶モニターで設定画面を表示しますのことよ

ズコーーーーーッ!! ヘッドスライディングオワタ\(^o^)/

取材中にスマホをぶん投げようと思ったのはこれが初めて。いやまて、スマホは拳銃のようなもので、メインウェポンを失ったあとの自衛のための最後の武器だ。捨ててどうする…。あきらめずにトリセツPDFを読んでいると、最後のページにこれまたひとすじの光を見つけた!

「なんか困ったことがあったらお客様相談センターにシモシモしてねん

さっきから、ちょいちょいがついているのは絶望にうちひしがれたおじさんが女神さまに救いを求めているのであって、決して頭がどうかしたわけではない(してる)。

 

▲4/30(水)はゴールデンウィーク期間だが、祝日ではなかった! お姉さんの勤労に感謝したいっ!

 

おっしゃー、電話じゃ、電話! I want to call you! Call you! Killing Me Softly !?

お約束のガイダンスのあと、落ち着きのある声の優しそうなお姉さんとつながった! お姉さん、ゴールデンウィークなのに働いてるよ、ううぅ(涙)、同志よ…。

お姉さん、あのね、僕ね… Wi-Fiでスマホアプリとカメラをつなげたいん…

「液晶見れんとできんで~、それ(殺)」

ズバシャァアアアーーーー!! 3 - 4 - 2のトリプルプレーオワタ\(^o^)/

お姉さんお仕事ご苦労様です。「参りました」の投了でございます。これにて小生、清く正しくも… 詰みました。

画像サイズ? 誌面を縮小すればいいじゃない?

まぁ、ボッチ取材を長年こなしているとね、トラブルなんて日常茶飯事だから。こういう時は現場対応力よね。それしかないの、うん。ベースの設定は気にしても仕方がない。フィルムカメラの状態で今日、明日の2日間がんばるしかない! もし画像サイズがSサイズになっていたら… 誌面をA5サイズに縮小すればいいじゃない?(〇リー・〇ントワネット風)

てなわけで、開き直って撮影しまくったんだけど、特に気をつけたのは露出をオーバーにしないこと(写真を明るくしすぎないこと)。

 

▲白馬大橋からの白馬岳。写真の四隅が少しケラレてるけど、もちろん現地では確認するすべなし…

 

何せここは白馬村。北アルプスの山々には真っ白な雪が残っていて、これはさまざまな雪形(ゆきがた)も見せてくれるほどの美しさ。この雪山を真っ白に飛ばしてしまわないようにとにかく露出アンダー(適正露出より暗く写す)で撮りまくる。アンダーで撮っておいて、後日、フォトショップなどの画像ソフトで明るく起こせば(補正すれば)よいのだ。実際にどれくらい暗く写っているのかは確認できないんだけどね…。

で、企画トビラのメインカットとなったのがこの一枚。松川と姫川の間の白馬村北城地区からの「絶景走り」(絶景とバイクの走っている写真を一枚に収めた写真)だ。

▲北アルプスと青空が美しい(自画じーさん)。写真を明るくしてシャープをかけるなど画像補正をしています

 

これはフォトショップでRAW画像から明るく補正したもので、撮影時はこのようにわざと露出アンダーで撮影していた。

▲こちらが補正前の撮って出しの写真。適正露出を一発で計測できるKPの「グリーンボタン」に助けられたし、グリーンボタンを信じて撮影を続けた

 

こんな感じで、撮影を重ねていったけど、特に注意したのは寺社の屋根。実は寺社の屋根ってツーリング取材の撮影対象の中でもダントツに飛ばしやすい(露出オーバーになりやすい)。なので、他にも増して、2段、3段と露出をアンダーにして撮影を重ねた。でないと、太陽光で屋根が真っ白に飛んでしまい、ディティールや色味などが失われるのだ。

▲白馬村神城地区にある飯森神社。領主の飯森氏が八方池に住んでいた大蛇を鎮めるために建立したという伝説が残る

 

▲ヤマメを狙ってルアーフィッシングも楽しんじゃったり! カメラ壊れてる人のやることじゃないよね(爆)

 

▲雪解け水が多すぎて水量強すぎ問題。釣れないことはわかっていても絶景のなかで釣りを楽しむという絵をみんなに見てもらいたいじゃない?

 

はい、こんな感じの顛末でした。正直ね、松本市街まで走ってカメラを買おうかと思ったよ(笑)。マジで! 

今回の取材のお話はモトツーリング誌の77号(2025年7月号)に掲載されています。白馬村の自然と歴史・文化についてかなりマニアックに紹介してるので、興味のある方はぜひバックナンバーでご覧ください! ではまた!

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