昭和の遺物を探してツーリングする「昭和レトロ紀行」。スーパーカブ110で栃木県足利市に到着した筆者と息子は、強烈な宿で一夜を過ごした翌日、有名な「かきた食堂」に行ってみた！ 店は見つけにくいけど、味もボリュームも大満足だったのだ。
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Contents
昼飯を2回！ これも二人旅ならではか
さてツーリング2日目。前回記事「ビジネスホテルかわかみ」の衝撃を引きずったまま、「渡良瀬橋」で取り残した写真の撮影に向かった。
幾度か足利学校の前を通り過ぎ、山の上から街並みを見下ろしている足利織姫神社を仰ぎ見る（足利のシンボルだけど、どちらも寄らなかった笑）。
歴史ある街だからなのか、どこか街に風情がある。ただ、それはよそ者だから感じることなのかとも思う。実際に暮らしている人にとっては見慣れた日常なのかもしれない。
なんだかんだ撮影していたら11時頃になったので、「昼飯第1弾」に向かった。前日の夕飯にぜひ行きたかった食堂が休みだったので、昼に2箇所まわることにしたのだ。これが一人旅だったら時間を空けないと食べきれないけど、今回は食べ盛りの息子がいる（笑）。こういう時、二人だと便利だ!?
昼飯の第1弾は「かきた食堂」。昔ながらの中華料理屋で、昼間からホルモン焼きが食べられるというワイルドさが魅力だ。
住宅の奥に店が！ これは見つけられないよ～（笑）
それにしても、店が見つからない（笑）。ホテルの時と同様、タンデムでグルグルと周辺を探したけど、住宅街で店らしきものがないのだ。それにしても、小まめにUターンしたり、細い道を難なく行けたりと、この機動力はバイク、そしてスーパーカブならではだな、と思う。
探すこと15分。「かきた食堂駐車場」と検索したら、ようやく駐車場を発見できた！ 5台駐められるスペースのうち、もう4台が埋まっている。なるほど人気店のようだ。
↑駐車場のカンバン。バイクは角の狭いスペースに駐車できる。
カンバンの図のとおりに行こうとするのだが、家と家の間、人がようやく1人通れるぐらいの細い道しかない。本当にこれで合っているのか？
↑カンバンにあった図のとおり進む。完全に民家……。
↑そのままズンズン進んでいくと、「かきた食堂」の文字が！
ついに発見。これは難しいぞ～（笑）。息子も驚いている。
↑かきた食堂。通りから分け入った住宅街の奥にある。●栃木県足利市通4丁目2790 0284-21-2377 11時30分～14時, 17～20時 木曜定休
↑駐車場とお店の位置関係を図にしてみるとこんなカンジだ。
ザ・昭和レトロのイキな店内！ 味もボリュームもイイ
店内は、まさしく王道・昭和レトロの雰囲気。年季の入った壁とカウンター、テーブルに椅子。そして脂でスリッピーな床といい、全てがたまらない。
さて、さっそく着席。
↑奥が入口で、テーブルに8席とカウンターに3席。
↑奥に座敷がある。テーブルが4つあり、14席程度。
妙齢のキップがいい女性がメニューを持ってきてくれる。厨房ではご主人らしき方が一人で調理していた。
↑こちらがメニュー。
ランチは丼物とラーメンがセットになっている。これもいいが、注目は「ホルモン焼き」。カシラ、白モツ、バラ肉、レバーが昼間から食べられる。
息子は、ビジネスホテルかわかみのビッグボリュームな朝食がまだ腹に残っているらしく、何を頼むか迷っている。
「せっかくだからホルモンを」とプッシュしたのだが、息子が選んだのは「バラ肉」の定食（800円）。私も食べたかったのだが、次のお店に向けて余力を残したかったので、お店の人に断りを入れてコーラを頼ませてもらった（スミマセン）。
注文すると、女将さんがガスロースターをセット。
↑自分で焼くスタイル。卓上の調味料はソース2種類、塩、胡椒、酢、醤油と一通り揃っている。テーブルの褪せた感じがまたいい。
間もなく肉がやってきた。
↑ゴロッとした豪快な豚バラが登場。いかにも新鮮でイキがいい。
↑さっそく焼いていく！ 物凄くいい匂いがしてきた。
そのうちにご飯とわかめ入りのスープ、お新香が到着。そしてご飯は安定のドンブリ飯だ（笑）。
息子が焼き上がった肉をパクついていく。例の美味いものを食った時に目を閉じて眉をひそめ、上を向く仕草をしていた（笑）
「ぷりっぷりの肉とタレがよく合う」と息子。舐めてみるとタレは味噌ベースで、実にウマい。これだけで飯が喰えてしまいそうだ。
それにしても、昼間っから焼肉はロマンだ。ついついメニューに載っていた泡の出る黄色い飲み物を頼みたい誘惑にかられてしまう（笑）。
ちなみに今回は焼き肉だったけど、他のメニューも美味そうだ（以下の写真はお店に許可を取って撮影させてもらった）。
↑パラパラで美味そうなチャーハン。セット用なので、これでも半チャーハンだ！
↑こちらはカシラ炒め定食（1100円）。ホルモンのカシラと野菜炒めのボリュームも凄いが、やはり飯の存在感も負けていない。さすが足利！
創業75年！ 味もサービスもマルで今後も繁盛しそう！
働く女将さんの様子を見計らいつつ、声をかけてみた。
創業者はご主人の親だそうで、屋台からスタート。既に75年が経っており、「年数だけ長いのよーハッハッハ」と豪快に笑う。75年というと1948年（昭和23年）創業か。ビジネスホテルかわかみが創業76年だから、大体同じ計算になる。その頃に足利で商いを始めた方が多かったのだろう。
以前は表通り（中央通り 県道67号線）、栄進ゼミナールの辺りにお店があったが、区画整理で奥へ移転することになったという。
すると、カウンターに座っていたお客さんが「スミマセン」と冗談まじりに話に入ってきた（聞いてみると、栄進ゼミナールの職員の方だった！）。移転してからも既に50年が経っているとのこと。
なお、お店の手前にある駐車場は栄進ゼミナールの駐車場。ここに駐車してしまうお客さんが多いらしく、お店は困っているので、行かれる方はご注意を～。
2022年9月に有名なTV番組の取材があったそうで、遠方からお客様が訪れてくるとのこと。
「いまだに、この前のTV見て来ましたぁというお客さんがいらっしゃるのよー」と女将さん。
↑厨房の様子。ご高齢の主人がフル回転で様々な料理をつくっている。
またしても後継者の問題がありそうだが、料理にも接客にもサービス精神があふれる、かきた食堂。チクショー、こんな店が近くにあったら絶対リピーターになるなぁと思ってしまった。令和の世も末永く続けて欲しい。
次回、いよいよ感動の（？）最終回！ 果たして、どんな結末が待っているのか、乞うご期待！
