キャンプ用マットのお話、第4弾。今回はエアーマットについて。いいマットは安眠のために大切➡安眠は疲労回復につながる➡疲労回復は翌日のツーリングの安全性を高める。ということで、マットはキャンツーの重要アイテムのひとつなのです。

コンパクト収納が第一のメリット

エアーマット

 今回ご紹介するのは、カスケードマウンテンテックの「インフレータブルスリーピングパッド」という名のエアーマット。ちなみにカスケードマウンテンテックは、ワシントン州プレストンのカスケード山脈の中心部に位置するアウトドア企業です。このブランドのこの製品がベストだとは思っていませんが、コストコで格安販売していたので(しかもマクラのおまけ付き)、つい手が伸びてしまったわけ。

エアーマット

 エアーマットの1番のメリットは、コンパクトな収納性です。広げて膨らませば〈長さ188×幅58.5×厚さ6.3cm〉になるものが、収納時は〈高さ22.2×径11.4cm〉。600ml入りのペットボトル飲料2本分ぐらいの容量でしょうか。エアーマットは、ただ空気で膨らませるだけなのですから、中にクッション材が入っているインフレーターマットよりも小さく収納できるのは当然なのです。

宙に浮くような寝心地は好みが分かれるかも

エアーマット

 エアーマットは、使用時の厚みも特徴的。コンパクト性を重視したインフレータブルマットは、厚み2.5cmが主流。クローズドセルマットは2.0cmが主流ですが、エアーマットはその3倍もの厚みがあります。なぜか。エアーマットがそんなに薄かったら、体重で潰れて地面に底打ちしてしまうからです。なのでこのエアーマットも、厚さが6.3cmとなっており、寝心地は上等。ポワンポワンと宙に浮くような、不思議な感じがします。家庭の寝室で使うベッドや敷布団とはまったく異なる使用感で、落ち着きのなさを感じることもあり、ここは好みの分かれるところでしょう。

エアーマット

 構造は、こんな感じ。こぶし大の空気室が、いくつも連なっています。コストコの商品紹介欄には「何十もの柔軟な気泡が、体を均等に支え、地面を感じることなく寝られます。~中略~ 岩の多い地形やその下の隆起による煩わしい不快感がなくなり、最適な快適さと暖かさを提供します」とあります。
 確かに快適ではありますが、暖かさには注意が必要。なぜなら断熱材の入っていないエアーマットは、寒冷期には向かないから。地面の冷気がエアーマットに伝わり、中の空気を通じて背中に到達するのです。なので使用するなら春から秋まで、でしょうね。

使用前と収納時にやや面倒なところも

 エアーマットを使用するためには、空気で膨らます必要があります。多くの場合は、口で息を吹き込むタイプ。

エアーマット

 カスケードマウンテンテックの製品は、クイックリリースバルブを採用。空気注入口にはゴムの逆止弁がついているので、効率よく息を吹き込むことができますが、パンパンに膨らませるためには筆者の場合、胸に大きく息を吸って15回。時間にして1分30秒かかりました。

エアーマット

 マット使用後に空気を抜く際は、クイックリリースバルブをもう一段階、引き抜きます。すると逆止弁つきバルブが解放されて空気が抜けます。

エアーマット

 中の空気が抜けるとはいえ、完全に抜け切るというわけではありません。きちんと畳み、端からていねいに丸めていく際にも、残った空気を押し出してやる必要が。手も足も使って空気を押し出しながら、しっかりと丸めていきます。そうしないと収納袋に収まりませんから。
 この作業に要した時間は、約3分でした。使用前と収納時が、やや面倒であるところ。これがエアーマットのマイナス面です。

最大の難点は、パンクのリスク

 やや面倒とはいえ、寝心地のよさを考えれば、それほど苦にはなりません。一番の難点は、やっぱりパンクのリスクです。別の製品の話ですが、明け方に背中が固くて目が覚めたら、マットがパンクしてたなんてことが過去に何度もありました。

エアーマット

 気の利いたブランドのエアーマットには、リペアキットが同梱されています。カスケードマウンテンテックの場合は、収納袋の内ポケットに10cm四方の生地が2枚と、接着剤が入っていました。それはそれで確かにありがたいのですけれども、寝ている最中にパンクして、その場ですぐに修理するのは現実的じゃありません。接着剤が乾くのを待っていたら、朝どころかお昼も過ぎてしまいそうです。
 以上がエアーマットの長所と短所です。インフレータブルマットやクローズドセルマットも、それぞれに長所と短所がありますから、どれを買えばいいのか、悩むところですよね。で、悩んでいるうちにあれを買い、これにも手を出し、深い沼にどっぷりと……。
 それもまた、キャンプツーリングの楽しみのひとつ? ではまた!

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