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プロローグ ~乗れてるけど操れてないという自覚

▲やってきました! 栃木県の一大観光地、那須高原にほど近いサーキット「那須モータースポーツランド」です!
ホンダCBR1100XXスーパーブラックバード(1997年式・欧州仕様)に乗り始めてはや1年。遠くは九州まで自走&フェリー旅もこなし、乗ること自体にはずいぶん慣れてきました。しかし、操るという意味では正直さっぱりでして、一度サーキットを走りたいなぁと思っていた矢先のことでした。
今シーズンから那須モータースポーツランドで始まる新たな走行会のプレイベントに招待されまして、これ幸いと行ってきました。結果は予想通りというか「こりゃいかん!」と自分の操縦レベル向上など課題の改善を誓った次第です。今回はこの模様をお届けします。
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那須MSLスキルアップ走行会はオールインワン!

▲サーキット体験にうってつけのビギナークラスならツーリングウェアでも参加できます
今回プレ体験させて頂いたのは、6月7日(土)、8月30日(土)に開催が予定されている「那須MSLスキルアップ走行会」というイベントです。この走行会の良いところはサーキットが初めての方でも安心の“オールインワンパッケージ”になっているところ。
- 那須MSLオンロードライセンスの取得
- 経験・速度で5つのクラスに分かれてのスポーツ走行(15分×4本)
- ヘルメット・革ツナギ・ブーツ・グローブ・プロテクターなどのレンタル(有料)
- これだけのホスピタリティでレッドバロン会員1万円、一般2.2万円
※税・見舞金・ライセンス費用・年会費(一般のみ)込み
サーキット走行ってやっぱり敷居が高いじゃないですか。多くのサーキットは走行枠のお金を払えばすぐに走れるわけじゃなくて、ルールを守って走るための講習を受けてライセンスを取得しなきゃいけなかったり、会員登録が必要だったりしますよね。
もちろん皮ツナギやプロテクターなど安全装備の知識と着用だったり、タイヤの空気圧だ、転倒に備えたバイクへのテーピングだ、走行前の車検チェックだと覚えなきゃいけないこともいっぱいあります。
こういった心配事も那須MSLスキルアップ走行会なら、ぜんぶパッケージングされているので安心でお手軽です。
初心者の方が特に気になってしまうクラス分けも、ビギナー・ノービス・セミミドル・ミドル・ファーストと細かく5つに分かれています。なので、コースを走る時は同じレベルの人と一緒に走れるんです。

▲ビギナークラスは走行グループの前後にインストラクターがついて走ってくれるので安心
「自分が遅すぎて気が引ける…」「周りが速すぎて怖い…」なんてこともなく、スポーツ走行をそれぞれのレベルで楽しめるように考えられています。ビギナークラスなら先導車つきで追い越しも禁止なので、サーキットデビューにもうってつけです。
さらには、ツナギ・ブーツ・グローブ・フルフェイスヘルメット・プロテクターなどの装備品も借りられます(別途有料)。ここまでのサービスとホスピタリティで企画してくれるサーキットなんて他にはないですよね。

▲一流ブランドの皮ツナギやブーツ、グローブ、ヘルメットなどレンタル用品が並んでいた
詳しいことは下記リンク先の公式ページを参照ください。当日のスケジュールなどもわかりやすく書かれていますよ。
- 那須MSLスキルアップ走行会公式ページはコチラ
ツーリング装備のまま、気軽にサーキットへ行こう!

▲皮ツナギやレーシングブーツ、フルフェイスヘルメットといったサーキットウェア類はすべてレンタル可能です。皮ツナギ・ブーツ・グローブの3点セットだと(レッドバロン会員)割引価格1,500円! 気軽に借りられるお値段です
さて、それでは筆者によるビギナークラス体験談にしばしお付き合いください。サーキットの朝は早い! 当日は7:30までに来場くださいということなので、ツーリングに組み込むならば近くの宿で前日泊がよいでしょうね(今回筆者もそうしました)。
到着したらまずは受付を済ませて、次に車検を行いますが、スタッフの案内通りに動けばOKです。どれも難しいことはありません。タイヤの空気圧調整やバイクのランプ類へのテーピングについてもスタッフが親切に教えてくれますよ。

▲車検は「車検チェックシート」に沿って行います。参加を申し込む前に確認しておきましょう。写真はマフラーの音量チェックをしているところ

▲バイクのライト・ランプ類に養生テープでテーピングします。当日は雨だったのでヘルメットのシールドとメガネに曇り止めも行いました

▲タイヤの空気圧調整も行って、最後にゼッケンを貼り付ければ走行車両の完成です
ツナギやブーツなど安全装具をレンタルする場合は、受付にて行います。装備品は参加するクラスによって規定が異なりますが、自分はビギナークラスなので普段のツーリングと変わらない格好で参加します。

▲ジャケット・パンツ・ブーツ・グローブとすべてツーリング用品で参加できるのもビギナークラスの魅力です。ただしジャケット・パンツは背中・肘・膝にパットやプロテクターが入ったもので、ヘルメットは要フルフェイスですよ。ジェットタイプの人はフルフェイスタイプをレンタルしましょう。
しかし実は、走行会に備えてジャケット内の標準ソフトプロテクターをより安全性の高いタイプに入れ替えてきました。これについてはまたコチラの記事でお話しましょう。

▲外見からはわかりませんが、標準装備のものよりも安全性の高いプロテクターに入れ替えているんです。詳細は別記事にてお伝えします
サーキット走行のルールを教えてくれるブリーフィング

▲コース走行に必要な知識となるフラッグの色と意味、その際の対処法もしっかり教えてくれます
装備品とバイクの準備ができたら、いよいよブリーフィングに参加します。走行会の流れや注意・禁止事項のほか、コースで起きている状況を知らせてくれるフラッグ(旗)の意味、さらには転倒やコースアウトなどトラブル発生時の対処法も教えてくれます。
特に重要なのは、コースインとピットインの手順です。ピットロードからのコースイン、走行を終えてピットロードに入る際の確認と手順はしっかり覚えましょう。なお、ビギナークラスの場合はすべての走行回で先導車両がつくので安心ですよ。

▲コースイン、ピットイン時のピットロードの走り方は安全上特に重要です
ちなみに、ブリーフィングで一番大事なことは、わからないことがあったら質問するということです。自分だけでなく他のライダーの安全にも関わりますから、少しでもわからないところがあったら遠慮なく聞きましょう!

▲当日、インストラクターを務めてくれた皆さん。左から中井直道さん、片平亮輔さん、稲垣琢真さん、山本陽生さん
いよいよコースイン! 雨天ならではの走行も貴重!

▲午前中は雨が降る中での周回となりました。これはこれで貴重な経験です。公道だと白線やマンホールの危険度が増してバンクさせられないですからね
ブリーフィング後の走行開始は9:00から。走行枠は1回15分間で、午前に2回、お昼をはさんで午後も2回、計4回60分となっています。走行枠はクラスごとなので、装備品を整えたり車両のチェックをしたりしてビギナークラスの時間が来るのを待ちました。
しかし朝方から降り続いた雨がやまず、午前中は雨天走行となってしまいました。これはこれで貴重な機会ですから慎重な走りで感触を確かめながら周回します。先導車は理想とされるレコードラインを通ってくれるので、トレースできるようにライン取りを意識します。

▲雨の日ってバイクを寝かせるのが怖いけど、サーキットなら安心してトライできますよね。ライン取りやバイクの向きを変えるポイント、バンク中の角度を確かめながら走りました
お昼をはさんでの午後は、雨も止んで路面が少し乾いてきました。午前中よりも全体のペースがわずかに上がっているのがわかります。ブレーキングやスロットル操作にも慣れてきて、コーナーでのバンク角も意識できるようになりました。
体に疲れ… 中井インストラクターのアドバイスで改善!
しかし、3回目の走行枠では体に疲れを感じてしまい、みんなについていくのがキツく感じられました。これはいけないなと思い、中井インストラクターにアドバイスを求めました。

▲参加者からの質問に実際にバイクにまたがりながらアドバイスをくれる中井インストラクター
筆者「荷重をかけることを意識して走っていますが、バイクの挙動というかサスペンション、特にリヤの動きが感じられません。3回目の走行枠では疲れてしまってうまく走れませんでした。どうしたらいいでしょう?」
こんな感じで質問させて頂きました。すると、なんと中井インストラクターはかつてホンダCBR1100XXスーパーブラックバードでもてぎ7時間耐久レースにも参戦された経験をお持ちで、車両の特性も踏まえてアドバイスしてくれました。
中井インストラクター「サスペンションの初期設定が固いのかもしれないけど…、まずはニーグリップをしっかり意識して曲がってみましょう。シートの上で動くよりもバイクをしっかりホールドするほうが安定するし疲れずに走れますよ」

▲操作の基本であるニーグリップを再度意識して走りました。ペースが落ちるわけでもなくラクに走れるようになりました。何でもかんでも体を大きく動かせばよいというわけではないですね
中井先生のアドバイスに従って、4回目の走行枠ではニーグリップを意識して走ることに。すると体に無理がかからずにラクに曲がれました。バンク中の安定感が感じられるようになり、視線もより早くコーナーの先に送れるようになりました。やっぱりわからないことがあったら素直に質問すべきだなぁとしみじみ実感した次第です。
走行後の感想は「課題が整理できて良かった!」

▲ホンダCBR1100XXスーパーブラックバードにとって初めてのサーキット走行でしたが、乗り手の修業が足りませんね笑 この素晴らしいバイクに合った走り方を研究したいと思います!
さて、走行会も無事に終わりました。ホンダCBR1100XXスーパーブラックバードでスポーツ走行をしてみた感想は「いやー、想像以上に難しかったなぁ」というものです。近年のリッタースーパースポーツと比べるとやりづらいことが多かったですね。
あまり機構がどうだこうだとは言いたくないのですが、D-CBS(双方向の前後連動ブレーキ)と固めにセッティングされた足回りの組み合わせだと車体の挙動やタイヤの接地感が感じにくかったのは確かです。
今回このバイクで初めてサーキットを走ってみて「やっぱり難しい」ということを確認できた、課題が整理できたことが収穫でした。ただし、じゃあD-CBSを外してしまおう、サスペンションを交換しようという前に、自分自身の走り方を工夫することも必要だなと、中井インストラクターからのアドバイスで実感できました。
走行会に参加したことでサーキットライセンスも取得できましたし、次回はもう少し体力をつけてのぞむつもりです。

▲本走行会に参加すると那須MSLのオンロード走行ライセンスカードがもらえます
転倒などで自走不可能となった場合はどうするの?

▲サイドバッグ、シートバッグ、ラムマウントなどを装着して帰路につきます。三脚まで積んでいて、まるっきりツーリング取材の装備です笑
さてさて、これから帰路につこうと準備している最中にふと思い浮かんだのですが、もし走行中に転倒して自走不能になったらどうするんでしょう? 帰れなくなっちゃいますよね…。
この場合、レッドバロン会員(レッドバロンで購入したバイク)であれば最寄りのレッドバロン那須が引き上げに来てくれます。そのまま那須店で修理してもらって後日引き取りに行くか、行きつけのレッドバロンまで陸送(別途有料)してもらって修理するかの選択になります。
引き上げの際にはロードサービスゴールドカード(オートバイ保険加入者、有効期限は保険期間内)またはレッドバロン会員証についている200km無料ロードサービス券(有効期限はバイク購入後1年間)があればお金はかかりません。
なお、一般参加(レッドバロン会員ではない)の場合は、JAFや購入販売店のケアサービスを確認してレッカーサービスを手配することになるでしょう。
ワゴン車や軽トラックなどバイクを積めるクルマ(トランスポーター)があればよいのですが、そういうことを言っているとサーキット走行の敷居がどんどん高くなりますからね。自走不能になった時のプランも考えて備えておきましょう。

▲2万8千kmで購入したバイクですが、すでに4万kmを超えました。自分のバイクでサーキットを走るって楽しいですよ!
それにしても、保証付きの中古車選びからアフターサービス、果てはサーキット走行まで、レッドバロンでバイクを買うと、安心かつお得ということを実感できました。【購入レポート】シリーズ、次回もご期待ください!