3月17日から行われた大阪モーターサイクルショーでアンベール発表されたエリミネーターは、4月25日から発売が開始され、現在すでにかなりの人気になっているという。
この約16年ぶりに復活したエリミネーターSEに乗る機会を得たので早速インプレッションしてみた!
ロー&ロングなスタイリングにスポーツエンジンを搭載
まず新型エリミネーターのシリーズには無印のスタンダードと上級仕様のSE(スペシャルエディション)がある。SEにはビキニカウルやフォークブーツ、スペシャルシートに防水設計のUSB Type-C電源ソケットといった外見上の違いだけでなく、“GPS付きのドライブレコーダー”を二輪車としては初搭載している。
それ以外の基幹部品に関しては共通で、特徴的なロー&ロングなフォルムも同じである。ロー&ロングなフォルムの車体に、フロント18インチ、リヤ16インチのファットタイヤを装着しており400ccクラスらしい迫力ある見た目を演出。このロー&ロングなフォルムは、がっつり30°も寝かせたフロントフォークによるところが大きく、軸間距離は1,520mmとこのクラスにしてはかなりのロングホイールベースになっている。
搭載するエンジンはニンジャ400が搭載の水冷398ccの並列2気筒エンジン。最高出力もニンジャ400と同じ48PSを1万回転で発揮。なんとレッドゾーンは12000回転以上という高回転エンジンとなっている。
なぜアメリカン風のロー&ロングなフォルムの車体に、スポーツ型エンジンを搭載するのか? 実はこれこそがエリミネーターというバイクのキャラクターなのだ。
このエリミネーターは、0-400mのタイムを競うドラッグレーサーのスタイルを取り入れてきた経緯があり、スポーツモデルの高回転型エンジンを搭載するのが慣例。ゆったり走るのではなく、スポーティに走るのがエリミネーターのキャラクターというわけだ。
このためポジションも低く構えたドラッグスタイルになる。最大の効用は足つきの良さで、シート高に関しては735mmと低い。この数値はカワサキの500cc以下のモデルで一番低いシート高だそう。
実際に跨ってみると、かかとがベッタリとつき、かなり膝にも余裕ができる。これなら初心者にも安心だろう。ミッドコントロールのステップは意外とスポーティな走りもできる。
ゆったりもスポーツも可能な二面性が楽しい!
“ロー&ロングな車体に、ぶん回し系のスポーツエンジンを搭載する”というのがエリミネーターの昔からのコンセプトだが、この最新式のエリミネーターも同様。搭載するのはニンジャ400の水冷398cc並列2気筒エンジンで、ハード的な部分での変更はなくアシストスリッパークラッチもそのまま踏襲。
おかげで高回転まで使ったスポーティなコーナリングがしっかり味わえるようになっている。秀逸なのはコーナーの侵入。割と乱暴なシフトダウンを行っても、アシストスリッパークラッチがバックトルクを逃してくれるおかげで、かなりスムーズな侵入が可能。ロー&ロングな車体でバンク角は少なめではあるが、存分にスポーティな走りを味わうことができた。
素晴らしいのは、スポーツ走行のための高回転域だけでなく、低回転域の扱いやすさもしっかりと作り込まれているということ。特に発進時の極低速でもトルクが厚めに感じるからエンストしにくく、扱いやすいのだ。ロー&ロングな車体は、迫力はあるが足着き性がよく、この扱いやすいエンジン特性ならバイクライフ最初の一台としても十分おすすめできる。
高回転までぶん回せばしっかりとしたスポーツランが楽しめて、足着き性がいいから日々の取り回しや街中での使い勝手もいい。令和に蘇った新生エリミネーターは、エントリーユーザーからベテランまでしっかり楽しむことができる二面性を持ったバイクに仕上がっていた。
エリミネーターのディティール
エリミネーターにはスタンダード(75万9000円)と上級仕様(85万8000円)のSEが存在。
上級仕様エリミネーターSEのディティール
スタンダードより9万9000円高いSEだが、フォークブーツや専用シート、ビキニカウルにGPS付きの前後ドライブレコーダーと、価格差に納得の装備がおごられている。写真はエリミネーターSE。
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