伝えたい想いがある
今回は想いを手話で表現しながら歌うサインヴォーカリスト 水戸まなみさんと「みんなともだちプロジェクト」をご紹介させていただきます。
ボク(青木タカオ)が編集長を務めさせていただいているWITHHARLEY/ウィズハーレー(内外出版社)でも、誌面にて紹介させていただきますが、撮影を担当するフォトグラファーの藤村ノゾミさんが取材で出逢い、親交を深めた仲間たちとスタートしたのが「みんなともだちプロジェクト」です。
藤村さんがサインヴォーカリストの水戸まなみさんを取材し、デフライダー(聴覚に支障のある方々のライダー)の存在を知ったことから始まりました。
知らなかったけど、今からできることがある
以下、藤村さんが書き綴った想いをココに記します。
藤村さんはヒアリングを重ねるうちに、彼らも聴者と同様に自由にバイクに乗り楽しんでいることを知ります。見た目では聴覚に支障があることがわからないため、話しかけられてもうまくコミュニケーションが取れないことを残念に思っている、などの事実があることを知ったのです。
藤村さんも、これを書いているボク自身もこれまでデフライダーの存在を知りませんでした。
「聴覚がないと運転は危なくないのか?」
藤村さんはそんな疑問を抱きます。
それでも多くのデフライダーの皆さんが、聴覚以外の感覚でライディング時の情報を補い、しっかりと安全に運転していることを知ります。
彼らとコミュニケーションを取るにはどうすればいいのか?
藤村さんは考えました。もし自分たちが彼らの存在を知っている、そんなサインを出せれば、またデフライダーの皆さんもご自身が「手話が分からなくても全然OKだよ」とわかるサインがあれば私たちも気軽に話しかけられるのでは、そんなふうに思ったのです。
そうしたきっかけになるものがあれば、もっとお互いの存在が近づくかもしれない。聴覚に支障があること、それは障がいではなく個性。見えない個性を、知ることができるサインがあれば……。
そんな相談を藤村さんは水戸さんに、そして仲間のデフライダーの皆さんにします。じっくりと話し合ううちに、ひと目でわかるサイン=バンダナがあればいいのでは? と思いつきます。
多くの仲間が集まった
バイクに乗っていれば、あらゆるシーンで活用の場のあるバンダナ。このバンダナの存在が”人と人を繋ぐ”かもしれない。
すぐ作成に乗り出しました。せっかくなら、バイク乗りの心に届く本当にいいデザインのものを作りたい。藤村さんたちの熱意に快く協力してくれたかたが、刺繍作家のDoodle50(ドゥードゥルゴジュウ)さんでした。
ステージを問わず様々なシーンで活躍されているアーティストで、たくさんのイラストがリリースされています。一筋縄ではいかない、大いに皮肉さも感じる可愛らしいイラストが、今回のテーマで描くとどうなるのだろう。そんな好奇心を抱きながら、何度もブラッシュアップを重ね、デザインが完成します。
ハンドサイン(手話)の「I LOVE YOU 」がチョッパーを運転し、四方には様々なハンドサインのキャラクターが散りばめられた、これ以上ないイラストが誕生しました。
メッセージはきっと届く
このバンダナを持っているということ。
そこには、デフライダーの存在を知っている。デフライダーである、仲良くなろうよ、友達になろうよ。そんなメッセージが込められています。
「Minna tomodachi Project」
綺麗事に聞こえるかもしれません。でもやはりこれが想い。
輪を繋いでいきたい
また、サインヴォーカリストの水戸まなみさんは、こうメッセージを発信しています。
手話でコミュニケーションの大切さを知り人生が変わった私は、聞こえなくても一緒に楽しめる空間を作りたくて手話で表現しながら歌うサインヴォーカリストとして活動を続けてきました。
また、"バイクが好き"という共通点があるにも関わらず、情報が届かず同じようにイベントを楽しむことができなかったり、コミュニケーションが取れずに寂しい思いをしているデフライダーの存在を知ってもらいたい! 輪を繋いでいきたい! という思いからバイクに乗り始めた経緯もあります。
「手話ができなくても問題ありません。」
「身振り手振りや口の動きで十分会話はできます。」
実際にデフライダーの仲間たちの意見も踏まえ完成したこのバンダナは、デフライダーの存在を知っている理解者であり、「お話しよう!」「繋がろう!!」というサインとして、多くのバイカー達のコミュニケーションのキッカケになる事を願っています。
バンダナを購入すると、1枚につき100円を施設に寄付されます。もし、気になった人がいらっしゃいましたらコチラまで! みんなともだちデス!!
https://minnatomodachi.mystrikingly.com/
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。