中国テイスト濃厚なネイキッドのGSR250にようやく見慣れてきたと思ったら、♪咲いた~咲いた~♫なハーフカウルを持つ「GSR250S」と、形容しがたいウネウネ感をまとうフルカウルボディの「GSR250F」が相次いでデビュー。これまた非常に残念な(広報)写真写りだったものの、その優れた素性をいち早く見抜いた旅好きライダーからは絶賛の嵐が巻き起こったのでありました!

GSR250Sカタログ

●2014年型「GSR250S」カタログより。フロントブレーキのローターが見える左頭横向き+サイドスタンドで手前に傾けるというこの構図が一番“映える”ことを、当のスズキも知り尽くしていたのでしょう。それにしてもチョモランマのごとく屹立しているウインドスクリーンの存在感は別格ですし、どうしてもそちらへ目がいってしまうのでスルーされがちですが、パイプ式に変更されたハンドルのおっ立ち具合も衝撃的でした……

 

GSR250という“アンチテーゼ”【中編】はコチラ!

ネイキッドが売れたか! では断固三兄弟にするぞ!?

STD(※GSR250)とSは最初から企画し、Fは市場ニーズに対応して追加で企画、開発しました』とは、前回も紹介した八重洲出版 モーターサイクリスト2015年8月号「追跡」座談会にご足労いただいたスズキ開発者のコメント(以下『 』部分は同)。

だんご

●某国営放送発祥の大ヒットソングになぞらえると一番上は長男「STD」、真ん中が次男「S」で、一番下が「F」ということになるでしょうか。ライバルの動向を見た営業サイドの強い意志がリフレインするようです。断固、断固、断固、断固、断固3兄弟にすべし!と……。断固ッ!

 

編集担当として同席していた筆者は「そうだったんだ……」と深く感動したものです。

追跡取材時のカット

●(写真手前から)Sが2台、STD2台、Fが1台集合した「追跡」のオーナー座談会。早朝から自走でご集合いただき、八重洲出版の車庫扉前で並び写真を撮影するのがお約束でありました。いい機会ですので、手前のSと一番奥のFとのウインドスクリーン角度の違いにもご注目ください。驚くほど造形は異なっていたのです

 

2012年に黒、赤、灰の3色展開で日本導入がスタートしたネイキッドの「GSR250」は翌2013年型で目の覚めるような白と精悍なグラフィックの青×白が追加されて、なんと全5色に。

2013年白

●白無垢の婚礼衣裳もかくやといった清楚さグンバツ(死語)なパールグレッシャーホワイトのGSR250。非常にいい色だと思うのですが、ナゼか街で見かけた記憶がございません。ホラー作品「呪怨」を思い出してしまうからかな……(←オイ)

 

2014年モデルではタンク上のSエンブレムとミラーステーを変更するマイナーチェンジが行われ、灰が廃止されて4色になる……という地味と言えば地味な展開に終始しておりました。

GSR250WHITE 2014

●はい、こちらが2014年モデルです。サイゼリヤのキッズメニュー間違い探しではありませんが確かにミラーステーまわりがスッキリして、タンク上のエンブレムがクッキリ見えるようになっております。……今回初めて新旧を見比べてみたのですけれど、確かに印象は相当に変わるなぁ(驚)

 

でもそれはネイキッドが最初から完成度が高く、幅広い支持のもとに好調な販売を続けていたからこそとも言え、スズキはその勢いに乗って2014年1月、ハーフカウルを装着した「GSR250S」を、

GSR250S

●リリース時、初めてこの広報写真を眺めたときには唖然としましたね、なんじゃぁこりゃぁ!と(by ジーパン刑事)。なおかつ空高く浮遊しているグリップの位置にも……。ところがコレ、いざ実車にまたがってみると背筋がシャンとして、とても具合がよろしい。白バイ乗りが実践できるので、「教習所ではなく試験場での大型二輪免許一発合格を目指すためにGSR250Sを選びました。センスタも付いてるし」というオーナーもいらっしゃったなぁ。そして高速巡航時はちょっと頭を下げるだけでウインドスクリーンの跳ね上げた走行風がヘルメット上を通過していくのです。そういう実利を体験するとカッコよく感じてくるのですよ、ホントに

 

同じ2014年の9月には2015年型としてフルカウルの「GSR250F」をリリースと、矢継ぎ早にバリエーションモデルを登場させてGSR三兄弟とし、250ロードスポーツ市場へ攻勢をかけます。

GSR250F

●タンクとシートの直下、フレームを模した(?)STDとSにはある銀の加飾部分まで覆い尽くすサイド&ロアカウルがとても有機的な仕上がり。このアングルかつこのグラフィックだとエグさのみが強調されてしまうのですが、真横の写真を見るとフロントフェンダーから上方へ向かう勢いや、テールカウルの流れをうまく受け止めていることがよく分かり、印象がまるで変わってくるのです

GSR250Fカタログ

●あ、まさしく2015年型「GSR250F」カタログ内にピッタリの説明イラストがありましたので抜き出してご紹介。厚みがある立体的な造形のため斜め前から写真撮影するとえも言われぬウネウネ感が出てきてしまうのですね……(汗)

衝立(ついたて)のような防風壁が目前に立ちはだかる!

まずは「GSR250S」について。

こちらはすでに前編中編でも少し紹介してきたとおり、中国での公安……つまりは警察の白バイ用として当初から開発が進められてきた車両です。

超絶におっ立った巨大なウインドスクリーンを持つ威風堂々たるハーフカウルも、中国当局の要望を真摯に受け止めて具現化した形状であろうことは想像に難くありません。

結果、彼の地で完成した公安仕様のように赤色灯、青色灯、エンジンガード、さらにはパニアケースにトップケース等々という前から後ろまでゴテゴテと装備満載の“満漢全席”状態なら、ある意味で全体のバランスがうまく取れてしまい全く気になりませんが、

GSR250S公安仕様

●はい、「常州豪爵鈴木摩托車有限公司」ウェブサイト内にある「GW250J-HA」の最高すぎるカッチョいい走りカットです。純白ボディに青いラインの入れ方も完璧ですね

 

そこから毛を刈られたヒツジよろしくハーフカウルだけがポツンと取り残されたように見えてしまう日本向け「GSR250S」の姿を見るとナンというか……正直、カッコいいとは言い難いものがありました(特に広報写真)。

GSR250S 部分カット説明

●2014年型「GSR250S」カタログより。岸部露伴先生のヘアバンドのようなギザギザカウリング形状も、多機能デジタルメーターの肩越しに路面からの情報を少しでも多く得るための必然的なフォルムだったのです

 

真正面から見るとスクリーンを固定する部分のカタチは幼稚園児が描くチューリップの絵のようで、ここからGSR250Sのことを「チューリップ」と呼ぶ習わしが広まっていったのは有名なハナシ(?)。

チューリップフリーイラスト

●まさしくコレ、可愛いですね。ちなみに17世紀のオランダでは球根の値段が異常高騰した“チューリップ・バブル”なる経済事件が巻き起こっています。興味がある方は調べてみてください

 

しかしこのハーフカウル、見た目こそアレですが防風効果は抜群で、身長178㎝、座高1m(座頭市ならぬ座高イチと自虐ギャグのネタにしてました)の筆者が高速道路を巡航していてもヘルメット真正面や体の肩口に走行風が直接強く当たらないため長距離移動がとても楽なのです。

もちろんそれには往年の“ジャメリカン”モデルのごとくスクスクと伸びきったパイプハンドルによる乗車姿勢の劇的変化も大きく寄与しておりまして、なんとハンドル位置がGSR250比で48㎜アップ66㎜も手前に!

自然とアップライトな暴れん坊将軍ライクな殿様乗りがキマるため、ロングツーリングでも疲労がたまりにくいのです。

白馬の王子様

●いつも大変お世話になっている“いらすとや”さんでも、さすがに「暴れん坊将軍の乗馬姿」はナシ。されど「白馬の王子様」はありました。まぁ、こんな感じです(←説明が

 

まさにルーツが白バイであることを如実に表すイカれた……いや、イカしたライディングポジションで、店頭に展示されていた実車にまたがった瞬間、「これだ!」と購入を即決した人が多数いらっしゃったと複数のショップ取材で聞き及んだほど。

いろいろとクセは強いものの理解してくれる“好き者”の心は絶対つかんで離さない……これぞSUZUKIの真骨頂とも言える特徴でしょう。

GSR250リヤビュー

●2014年型「GSR250S」カタログより。おっ立っているパイプハンドルにブレースバーを取り付けて、スマホホルダーや電源取り出し口、レーダー探知機、ETC車載器のアンテナ、初音ミクフィギュア(?)などを装着するオーナーが多数いらっしゃいました。クランプ部分のネジを緩めればハンドル角度を簡単に微調整できるメリットも見逃せません。

 

いや、実際に良きバイクでした。

高速巡航の快適さは先ほど述べたとおりですが、GSR250Sのうながすライポジへ素直に従うと、乗車中の背筋がほぼバーチカル(笑)になるため視野が広がり遠くまでよく見渡せるのですね。

視覚的余裕……視野の広さが安全運転の第一歩であることはご存じのとおり。

ワインディングでコーナーの奥まで見通しつつ、STDより少し鷹揚になったハンドリングを味わいながら、振動が少なく軽やかに回るエンジンに適宜鞭を入れてクリッピングポイントをシュッと脱出していく……。

GSR250S走り

●2014年「GSR250S」カタログより。ハングオンでヒザを擦る……より、リーンウィズで淡々としかし意のままにコーナリングを楽しんでいく姿が似合うし得意な250㏄のスポーツツアラー! なお車両重量はネイキッドのGSR250が183㎏、ハーフカウルの「S」が188㎏、フルカウルの「F」が189㎏と公表されておりました。ん? ハーフカウルとフルカウルとの差が1㎏ぽっち……、シールドやハンドルの短縮化が奏功していたのですかね!?

 

筆者担当のツーリング企画では何度となく「S」の広報車を借り出して取材を行わせていただきました

だって独のようにしく走れてなのですから活用しなけりゃMOTTAINAI!

ライダーのために凝りに凝りまくったフルカウル化

そして、三兄弟の3番目に登場したのが「GSR250F」ですね。

GSR250Fカタログ 置き2台

●2015年型「GSR250F」カタログより。広報写真より圧倒的にカッコよく写っている2台並びがタマリマセンな。レーサーレプリカ系のフルカウルデザインとは一線を画し、タンクとシート下までフルカバーすることでエンジンから立ち上ってくる熱気をシャットアウト。こもった熱は左右に設けられた大きなダクトから排出するというエアフローが構築されていました。適切なカウル形状決定のため風洞実験&実走行テストが幾度となく繰り返されたそうです

 

こちらは冒頭で述べたように、企画の初期段階では存在していなかったモデルなのだとか。

やはりカワサキ ニンジャ250Rの超絶大ヒット、それに続いたホンダCBR250R(MC41)と近日登場が確定していたヤマハYZF-R25が作り上げていくであろう“250フルカウルスポーツ”というジャンルの訴求力は無視できないとスズキ側も悟ったのでしょう。

しかし、筆者のような頭で考える「ハーフカウルまで出来ているんだから、そこから下までGSX-R(GK71B)やRZ250RR、FZ400Rのように(?)チャッチャッチャとカウルを延ばせば、ほらフルカウルになるじゃな~い!」という安直な方向性をスズキ開発陣は選びませんでした。

YAMAHA RZ250RR

●1984年に登場したヤマハ「RZ250RR」。突破者スズキの「RG250Γ」がアルミフレームを引っさげて衝撃デビューを果たしていたあとですから、当時中坊だった筆者は“フグカウル”のRZ250R→鉄パイプフレームのままハーフカウルのRZ250RRへ進化という流れを「時代遅れ、ぶちダセぇなぁ」と高飛車に眺めていたもの(←翌年、TZR250にブッ飛ばされます)。しかし今こうして眺めてみると、とんでもなくイケてるバイクだったのですね……。当時の自分に土下座させたい気分です

YAMAHA RZ250RR YSP

●そんな中坊の目から見て1983〜1984年当時のバイク業界は「フルカウルモデルなんて正規で出しちゃっていいの? きっとダメだよね、でもオプションパーツとしてならいいよね、ね、ね???」と許認可省庁……今はなき運輸省の顔色を伺いまくっていたという印象が残っています。上に紹介しているモデルも「RZ250RR(あくまで)YSP仕様車」として販売されていたもの。あ、追加されたロアカウルの形状はシンプルですが、もちろんチャッチャッチャッと作られたものではございません。念のため。……それにしても広報写真、カッコいいなぁ(^^ゞ

 

サイド&ロアカウルは完全に新設計され、アッパーカウルやハンドルなども再度綿密に練り込み直しです。

結果、ウインドスクリーンはGSR250Sより約5㎝(49㎜)も低く、角度も10度ほど後傾されて左右の切り込みまで追加

ハンドルバーも24㎜低められており、スポーツツアラーといった赴きライディングポジションへと変貌しました。

GSR250Fリヤビュー

●2015年型「GSR250F」カタログより。GSR250Sより大幅に低くなったハンドルバーとトップブリッジにはブラック塗装が施され、ウインドシールドもコンパクトとなりメーターまわりが精悍な雰囲気へ変貌。バイク雑誌業界としては分かりやすくニンジャ、CBR、YZFとひとくくりにして“250フルカウルスポーツ頂上決戦!”なんてコピーとともに比較試乗テストを乱発したものですが、それら3台とは明確に異なる独自性をGSR250Fは全身から放っていました。当然、絶対的なパワーが勝負を決めるゼロヨン加速や最高速といった項目では劣っていたものの、街中〜高速〜峠道といった一般道での快適性や疲労度の少なさ、積載性、タンデム特性、整備性、燃費などツーリング領域のシチュエーションでは互角以上のバトルを繰り広げたのです

 

(ここで某リフォーム番組っぽく)なんということでしょう! 

サイド&ロアカウルはラジエターやエンジンから吐き出される熱気の流れまで考慮して、ライダーの快適性を向上させる造形上の工夫がテンコ盛りではないですか。

風洞施設も活用して、しっかり設計されたことが伺われます。

しかし、惜しむらくはやっぱり……(広報)写真写りが芳しくない(笑)。

GSR250Fカタログ表紙

●2015年型「GSR250F」カタログの表紙より。担当者とカメラマンの苦労と試行錯誤が偲ばれる素晴らしい出来映え。朝日が昇る山々をバックにしてツーリングイメージを押し出しつつ、ウエッジシェイプとボリューミーなサイド&ロアカウルの形状を穏やかな色調と陰影で表現。座り心地の良さそうな肉厚シート、グラブバー、重厚にメッキ処理されたマフラー、そしてセンタースタンドが標準装備であることもバッチリ訴求できています。被写体を下から上に向かって撮影する“アオリ”は正義!

 

それでもまだ精悍に見えるパールネブラーブラックのGSR250三兄弟写真を取りそろえ、紹介ページでの少しでもカッコいい組み合わせ構図をマウスを滑らせつつ模索しておりましたら、後方からモニターを眺めていたヤマハ派である口の悪いスタッフがボソッと「グロい三連星……」とつぶやいてから自分のデスクへ3倍の速さでトンズラ。

パソコン作業

●作業に没頭していたら、いつの間にか後ろでニヤニヤしていたのでビックリしました。心臓に悪い! そして発したひと言がまた神経を逆なでしやがりましたの(以下略)

 

「(ガイア、マッシュ、オルテガかよ!)」と心の中がジェットストリームアタックとなりましたが平静を装って黙々と仕事を続け、その夜は事なきを得ました(怒)。

愛あるスズキファンならずんばスズキを茶化すべからず……私の勝手な価値基準です。

踏み台

●いつか踏み台にしてやろうかと……(笑)

ライダーの走らせ方へしっかりと応える良好な実燃費

さて、そんな与太話はどうあれ、3つの強すぎる個性を得たGSR250シリーズはスタイリングだけにとらわれず、優れた実力を見極めることのできる目の肥えたライダーから熱い支持を受け続けて堅調に販売総数を伸ばしていきました。

中でも注目されたのが250パラレルツインとして良好な部類に入る実燃費

前述の「追跡」で座談会にいらっしゃったオーナー5名様のリアル燃費コメントを抜粋すると……。

●Aさん(STD)『平均27~28㎞/ℓで納得できる燃費です。60~70㎞/hで走ると伸びますが、120㎞/h前後で高速道路を走り続けるとやはり悪くなる』

●Bさん(STD)『都内だと30㎞/ℓを切るくらいで、まずまずだと思います』

●Cさん(S)『下道主体のツーリングだと平均約35㎞/ℓで、最高37㎞/ℓまで伸びました。ただ、高速道路で流れに合わせて走ると排気量が小さいので回さなければならず、燃費は落ちますね』

●Dさん(S)『高速道路主体で33㎞/ℓ、街乗りだと27~28㎞/ℓ、平均すると30㎞/ℓ前後で悪くない』

●Eさん(F)『僕は30㎞/ℓ前後ですが不満はないです』とのことでした。

GSR250Fリヤ走り

●2015年型「GSR250F」カタログより抜粋。ちなみに3タイプとも従来からカタログに記載されている60㎞/h定地燃費は40㎞/ℓです。その「定地燃費値」とは平坦な直線の舗装路を時速60㎞(50cc以下は時速30㎞)で走行して計測する燃費のこと(基本的に51㏄以上は2名乗車)で、正直この数値を実際の公道走行で達成することは難しいでしょう。なお、下にあるWMTCモード値に関してはコチラをご参照ください

 

ちなみに3タイプとも2015年からカタログに表示されるようになったWMTCモード値(60㎞/h定地燃費値より実走行に近い条件で測定)は29.2㎞/ℓとなっており、条件や走り方によってはそちらを軽く凌駕するデータを叩き出していることがよく分かります。

シンプルな構造でメカニズム自体を動かすフリクションの少ない、OHC2バルブという弁機構を採用したことによる利点の真骨頂だとも言えるでしょう。

GSR250Sカタログ表紙

●2014年型「GSR250S」カタログの表紙です。これは恐らく筆者の生まれ故郷である山口県は下関市と九州は福岡県北九州市門司区との間にある関門海峡……ですよね。遠くに関門橋も見えています。そんなことはさておき、重たい荷物を積載してのロングツーリングを余裕でこなし、燃費も良好なGSR250シリーズはその生真面目な作り込みが口コミやネットで広がって、距離感ガバガバ勢、キャンプツーリング派、マイファースト軽二輪模索ライダー、手軽なセカンドがバイクが欲しいナイスミドルなどなど多様なオーナーに頼れる相棒として選ばれていきました。まさにGreatなStreetのRunnerですね(※筆者は英検4級)

 

その後、公式にはカラーとグラフィックの変更だけを受けつつ2017年モデルをもって日本におけるGSR250シリーズの役目は終了

GSR250_2017

●こちらが日本市場においては最終となる2017年型「GSR250」のパールグレッシャーホワイトNo.2 ×パールネブラーブラックです。いやぁ〜垢抜ければ垢抜けるものですな。フレーム然としていたタンク&シート下の銀加飾やタンデムグリップ、マフラーの各部は黒く塗りつぶされてグラフィックもオシャレ。頬……いやヘッドライト横には赤い差し色まで施されているではありませんか。なおかつ撮られ方(カメラアングル)も工夫のあとがあり、2012年デビュー当時のイモっぽさ(死語)は微塵もございません

 

ライバルとは一線を画す“アンチテーゼ”を貫き通した疾走のバトンを引き受けたのは、エンジンやシャシーなどの根幹部分をGSR250から受け継ぎつつハイパーイケメン普遍的フルカウルスポーツ姿をまとった「GSX250R」と、

GSX250R

●ど〜うですか、お客さん! 2017年4月に登場した「GSX250R」のスタイリングは〜! 韓国や米国での大掛かりな変身バラエティショーも裸足で逃げ出す(死慣用句)トランスフォームっぷりは、ベースがGSR250であることを忘れてしまいそうなレベル。燃料タンク容量がGSRの13ℓから15ℓとなったのに、同じフルカウルのGSR250Fより11㎏も軽い(178㎏)というダイエットぶりは話題になりました。2023年現在もABSが標準装備されて最新ラインアップに名を連ねております

 

ウルトラ精悍アドベンチャー怪鳥スタイルを得た「Vストローム250」という“推しの子”もビックリな美形兄妹(兄弟?)だったのです。

Vストローム250

●ど〜うですか、お客さん! 2017年7月に登場した「Vストローム250」のスタイリングは〜! 650や1000の兄貴分とは全く異なるテイストでありながらスズキ発祥くちばしフロントカウルのまとまりも良く、瞬く間に人気モデルへと成り上がっていきました。しつこいようですが、こちらもGSR250がベースなのですよ……。当然のごとく現行ラインアップ車両ですので(最新排ガス規制もクリア!)、レッドバロンで新車を買うか、中古車を買うか大いに悩んでくださいませ〜(^_^)v

 

あえて言っておきましょう、この2台は広報写真写りもメチャクチャカッコいいと! 

それぞれのアレやコレやについては、また稿を改めて……。

次回からはもういっちょスズキつながりで時をさかのぼり「バンディット250/400」についてお届けする予定です。

バンディット250

●1995年型「バンディット250V」のカタログより。……ホントにスズキって年代によってスタイリングの浮き沈みが激しいと感じます(汗)。なお現状、次回からどんな展開にするかの構想は全くナシ! バンディットではなく突然SW-1やらストラトスフィアやら蘭&薔薇について語り出しても怒らないでください……

 

あ、というわけでGSR250シリーズ、そして実用域で楽しく・燃費良く・重い荷物をくくり付けても音を上げないというタフな“血”を受け継いだ「GSX250R」「Vストローム250」は、どれもビギナーからベテランまで自信をもって薦めることのできる定番モデル。ぜひレッドバロンで実車を確認してみましょう。なお、同社ウェブサイトでは膨大な在庫の中でも特にオススメな中古バイクがネット検索できるようになりましたので、こちらもぜひご確認を~!

GSR250という“アンチテーゼ”【中編】はコチラ!

バンディットという美学【前編】はコチラ!

 

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