気になる新型が出ました!
こんにちは青木タカオです。ボクはカワサキW1SA(1971年/昭和46年)に30年間乗っている“ダブワン”乗りでして、ここForRでも何度も愛車をご紹介させていただいております。
前回は7月に公開した「夏は夜走り&朝ごはん! ダブワン放浪記〜バーチカルツインの音色よ永遠に!!」でした。
W1を溺愛することは、もう何度も繰り返ししつこいくらいにいろいろなメディアで書いてきましたが、そんなボクにとって、たいへん気になるニューモデルが発売され、先日おこなわれたメディア向け試乗会にて乗ることができました。『W230』です!
Wだけでなくメグロも!!
最初に見たのは昨年10月、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)にておこなわれた『JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)』でのこと。Wシリーズの血統を受け継ぐレトロスポーツモデルとして世界初公開、参考出品車としてカワサキブースに展示されました。
「W」と名を冠したモデルですから、見逃すわけにはいきません。各ブースでメーカーのご担当者とお話をするなど、いろいろと取材の予定が入っておりましたが、ボクの好奇心は抑えきれません。情報を予め入手していたので、駆け足でまずカワサキブースへ! 『W230』の実車をかぶりつくようにして眺めたのでした。
そしてそこには、カワサキW1のルーツ「メグロ」ブランドの新型もあるではありませんか! 『MEGURO K3』が2023年に発売され、1960年代から途絶えていたメグロという名がよみがえりました。
ダブワン乗りにとって、メグロもまた尊敬なるブランドなのです。というのも、ボクが所有するカワサキW1SAは空冷4サイクルOHV2バルブ並列2気筒エンジンを搭載しますが、それは初代『カワサキ650W1』(1966年/昭和41年)から受け継がれたもの。
そのW1の先代に当たるのが『カワサキ500メグロK2』(1965年/昭和40年)であり、言うならばW1はメグロK2の進化版と言えるのです。
「目黒製作所」は1924年(大正13年)に東京府荏原郡大崎町桐ケ谷(目黒村)に設立されました。トランスミッションを製造し、車両メーカーに供給することで業績を上げると、1937年(昭和12年)には初の完成車として500ccOHV単気筒「メグロ Z97」を発売。戦前戦後は「陸王」とならぶ国産大型オートバイの名門となっていったのでした。
警視庁に白バイを納入するなどしましたが、小排気量車も扱う国産二輪メーカーが次々に台頭してくると、1960年(昭和35年)には経営不振に陥り、目黒製作所は川崎航空機工業(現在の川崎重工)と提携を結ぶことに。そしてさらに1965年(昭和40年)には、統合することになります。
ボア66mm×ストローク72.6mmで排気量を496ccとするメグロK2のボアを8mm拡げ、W1は624ccの排気量を獲得したのでした。カワサキビッグバイクの礎をつくったメグロ。その名を聞けば、ボクだけでなくダブワン乗りの多くは背筋が伸びる想いなのです。W1のミーティングでもメグロはよく見かけますし、リスペクトされています。
あっ! このあたりについても、すでにボクは好きすぎて乱筆長文を何度もココで公開しておりましたので、今回はこのへんでやめておきます。下記にリンクをはっておきますので、ご興味のある人はぜひ読んでください。
メグロK3の始祖はカワサキ&メグロのWネーム! 夢にまで見たK2走行シーンを目の当たりに!!
これぞカワサキビッグバイクの礎! 国産最大排気量を誇ったW1初期ワンキャブ&モナカマフラー!!
ついに乗ったW230
話を戻しましょう。そしてついに先日、『W230』に乗ることができたから感慨もひとしおです。
空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンを、オーソドックスなスチール製ダブルクレードルフレームに搭載。ボア67mm×ストローク66.0mmで排気量は232ccとしています。
丸目の1灯ライトをはじめ、丸みを帯びた燃料タンク、2眼メーター、スポーク仕様のホイールとスチールフェンダーの組み合わせなどレトロな装いで、Wというネーミングにふさわしい普遍的なスタイリングの美しさを具現化しています。
745mmという低いシート高で足つき性に優れ、143kgの軽量な車重で取り回しがしやすい。小柄な人も苦にならない車体サイズで、乗り手の体格を選びません。
トコトコとシングルエンジンらしいパルス感を味わいつつ、低中速トルクもしっかりあって扱いやすい出力特性です。
フロント18インチ(リヤ17インチ)でおおらかなステアリングフィールは、普段の街乗りから休日のツーリングまで用途を問わず、いつでも一緒に出かけたくなるフレンドリーなキャラクターです。
試乗記事のウラに
メディア向け試乗会ではメーカーの開発責任者もいらっしゃって、お話することができました。聞けば、低中回転域のフィーリングを重視したセッティングが施され、やはり重視しているのは扱いやすさだと教えてくれます。
そして、コンパクトでシンプルな構造が、車体重量の軽量化と重心バランスに貢献し、軽快性と安定感を兼ね備えたハンドリングを実現しているとのことです。
FIチューニングだけでなく、低回転域で十分なトルクを発揮するカム形状を採用し、フライホイールもまた高い慣性モーメントを発揮するよう重くしていると教えてくれます。
こうした情報をもとに、ボクはすぐさま原稿を執筆し、オーダーをいただいているWEBニュースサイトなどへ寄稿していきます。現場でカメラマンさんが走行シーンなどを撮影し、編集部にてボクの文章と合致させて、みなさまがお読みいただけるよう記事となります。すでに公開されているものもありますので、もしご興味があればぜひご覧ください。
『メグロS1』にも乗りましたが、長くなりましたのでそのハナシはまた次回以降に。今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。