スズキのレトルトカレーが今、人気を集めている! 超本格インド風で美味しいと評判だが、実際はどうなのか? さっそく全5種類を購入して試食してみた。
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918円の高級レトルト! それでも半年で約10万食に迫る人気
スズキのミーティングやモビリティショーなどのイベント会場で見た人もいると思うが、スズキのレトルトカレー『スズキ食堂 ベジタリアンカレー』が大人気だ。918円という高価格帯ながら、2025年6月の発売から約6か月で9万5000食を販売。高級レトルトカレーの分野では年間20~30万食が大ヒットの目安となっており、スズキのカレーはまさに販売好調なのだ。
イベント会場のほか、スズキの公式ECサイト「S-MALL」で購入でき、発売当初は入手困難になるほど。また4種類で登場したが、10月に「南瓜サンバル」が追加され、現在は5種類になっている。
このカレー、元々はスズキ本社の社員食堂で2024年1月から提供されているメニューがベース。スズキのクルマはインドで大きなシェアを獲得しており、本社のある静岡県浜松市にも多くのインド系社員が訪れる。そこで、日本でも懐かしい「母親の味」を味わってもらうべく、本格的なインド料理の提供を開始。この献立を再現したのが今回のレトルトカレーだ。
レシピをスズキと共同開発したのは、同じ浜松で150年以上にわたってブライダルやレストランなどで食を提供してきた「鳥善」。乳製品や動物性材料を使用していないインドベジタリアン料理としている。

↑発売時に公開されたスズキの鈴木俊宏社長(写真右)と鳥善の伊達善隆社長のツーショット。パッケージデザインは、スズキの四輪デザイン部が作成した。
さっそく購入! 背表紙の隠し絵が……完成できない?
スズキが開発に携わったカレーとはどんなものか。そして1食900円以上のレトルトカレー……。普段は100円台、高くても300円未満のレトルトカレーしか食べない私にとって、実に興味深い。それに「カレー」というのが何ともスズキらしい気もする(!?)。
ちなみに私はインドを半年旅行した経験があり、数えきれないほど現地のカレーを食べてきた(というか、レストランで食べられる料理はほぼ全てカレーなので、必然的にカレーを食べるしかなかった笑)。インドカレーの本格度はわかるという自負がある。
というワケでさっそく「S-MALL」で全5種類を購入してみた。

↑S-MALL内のESSENNCIAで購入できるのが正規品。918円×5種類=4590円に送料770円で合計5360円。注文の翌々日に到着!
パッケージは種類ごとに解説するが、ハヤブサやVストローム1050DE、ジムニーなどスズキの二輪四輪があしらわれている。また、背表紙をつなげると1つの絵ができる隠し絵もマニア心をくすぐる。
さっそく背表紙を合わせてみると、アレ? 隠し絵ができない!?

↑スズキの公式写真によると、こうなるハズが……(当時は4種類のみ)。

↑私の購入したカレーだと鈴木俊宏社長が二人!
どうやら、これは左から2番目の「トマトレンズダール」をノーマルではなく、「二輪オリジナル」仕様にしたせいだったのだ。

↑コチラがノーマルの「トマトレンズダール」。赤いスイフトがパッケージに描かれている。

↑私が購入したのは「二輪オリジナル」仕様のトマトレンズダール。
特別仕様のせいか、セットで購入することを考慮されていないのかも。なお、二輪オリジナル仕様は、KATANA、GSX-S/R、Vストロームの各ミーティング会場で販売された商品で、現在はS-MALLでも購入可能。ライダーとしてはスイフト仕様ではなく、コッチを選ぶのが当然だろう(笑)。
実食の採点項目はこんなカンジ、ちなみにぜんぶ中辛以上だ(笑)
前置きが長くなったが、ようやく実食! 採点項目は次のとおり設定してみた。
採点 ※各5段階評価
◎辛さ(主観的な辛さ、後をひく辛さか)
◎ソース(ルーの味わいやコク)
◎スープ度(ソースの粘度。シャバシャバ系ほど高い。高いほどいいわけではなく、ソースの雰囲気を表す)
◎具の充実度(野菜の量や質)
◎総合評価(トータルでの美味しさ。コスパや“また食べたいか”も含む)
ちなみに辛さに関してS-MALLでは次のような項目が。
・辛さ1:スパイス香るピリ辛(市販カレーの中辛程度)
・辛さ2:じんわり中辛(市販カレーの中辛~辛口程度)
・辛さ3:本格スパイシー辛口(市販カレーの辛口程度)
・辛さ4:汗かく辛さ(市販カレーの大辛程度)
辛さ1は「青菜ムングタール」のみで、他は全て辛さ2以上。辛さ1でも中辛程度なので、要はぜんぶ辛い(笑)。ここにスズキの本気度を感じる。なお、私は辛い料理は好きなのだけど、ココイチの1辛でも汗だくになるほど辛さに弱い。インドでは意外とそこまで辛いカレーはなかったので大丈夫だったのだが……果たして!?
[トマトレンズダール] 豆と酸味のハーモニーが二重マル
まず食べてみたのはバイクがたくさん描かれている「トマトレンズダール」だ。HPの説明によると、栄養豊富なレンズ豆をトマトと合わせた北インドの煮込み料理で、スパイスはクミン/ターメリック/チリの3つだけながら、奥深い味わいを楽しめるという。

↑先程も紹介したが、GSX-R1000R、GSX-S1000、Vストローム1050DE、KATANAとスズキを代表するバイクが一堂に!

↑原材料はインド産のレンズ豆、トマト・ピューレーづけ、なたね油、ソテーオニオン、おろししょうが、おろしにんにく、食塩、クミン、赤唐辛子、ウコン。カロリーは223kcal。

↑高級レトルトだが、中身はこんなカンジでそっけない。これは5種類とも共通。袋を熱湯に入れて5~7分温めればOK。

↑ただし袋の左端に小さく商品名が書かれており、違うカレーをまとめて食べても間違う心配ナシ!(写真は南瓜サンバル)
袋を開けると、スパイスの香りが漂うが、そこまで強烈ではない。レンズ豆がゴッソリ入っていてソースの存在感があまりなく、レンズ豆の煮込みっぽい雰囲気だ。

↑具(レンズ豆)の存在感がスゴい! トマトらしく赤いルーが特徴。
口に運んでみると、豆の風味とトマトの酸味が飛び込んでくる。レンズ豆はホッコリ柔らかく、甘味もあり。公式の辛さ度は2だけど、辛みが前面に出てこない。全体的にやさしく、子供でも食べられそうだ。ん、いや後から辛さが出てきた(笑)。

↑スープ感はなく、豆が主体なカンジ。豆の甘味とトマトの酸味が混じり合い、複雑な旨味が。辛さは後から出てくる。
トマトをベースに、豆の甘味が味わえるトマトレンズダール。これは素直にウマい。インドで食べたダル(豆カレー)そのものだし、幅広い人に支持されると思う!
採点 ※各5段階評価
◎辛さ ★★
◎ソース ★★★★
◎スープ度 ★
◎具の充実度 ★★★★
◎総合評価 ★★★★
[茶ひよこ豆マサラ] まろやかさとキレのある辛さの競演
続いては「茶ひよこ豆マサラカレー」。公式HPによると、タンパク質豊富な皮付き茶ひよこ豆と、じっくり炒めた玉ねぎを合わせた北インドの煮込み料理とのこと。トマトの酸味と青唐辛子のキレのある味わいが楽しめるという。
マサラカレーとは、複数のスパイスを組み合わせた調味料「マサラ(ヒンドゥー語で料理用スパイスの意味)」で作られたカレーのこと。そして公式の辛さは最強の4だ!

↑ジムニーと玉ねぎのイラストが目印。

↑原材料はトマト・ピューレーづけ(イタリア製造)、ひよこ豆、ソテーオニオン、なたね油、おろししょうが、おろしにんにく、マンゴーピューレー、クミン、コリアンダー、食塩、砂糖、ガラムマサラ、ウコン、赤唐辛子、青唐辛子。カロリーは最も高い308kcalだ。
袋を開けると、スパイシーな香りが! ルーは、先程のトマトレンズダールよりスープ感がある。

↑いかにも王道のカレーっぽい見た目だが、ひよこ豆の存在感が強い。
辛さ4に戦々恐々としながら口に運ぶと……意外と辛くなく、甘さを感じた。恐らく、かなりオイリーなため、辛みをまろやかにしているのだろう。ただし、後からピリピリとした辛みが残る(思い出しただけで汗が笑)。それでも激辛というほどではなく、身近な例で例えるとレトルトカレー「LEE」の10倍の方がよっぽど辛い。
私にはトマトの酸味は感じられなかったが、玉ねぎなどのコクが実にイイ。そして特筆すべきはひよこ豆の食感。決して硬いわけではないが、トマトレンズダールより噛み応えがあり、複雑な甘味を醸し出している。

↑ひよこ豆は1cmほどとデカく、食感もしっかり。ルーの表面にはオイルが浮いている。
味わいながら「インドでも食べたけど、無印良品かどこかのレトルトでこんなオイリーで辛い系のカレーを食べたような」と思った。つまり、日本でもなじみがある味ということだ。また、食べ進めるうちに少し味に飽きたため、総合評価はややマイナスに。とはいえ、これほどひよこ豆がゴッソリ入った豪華なカレーは他にはないハズ。また、辛さを重視したい人にもオススメしたい。
採点 ※各5段階評価
◎辛さ ★★★★
◎ソース ★★★
◎スープ度 ★★
◎具の充実度 ★★★
◎総合評価 ★★★
[青菜ムングダール] 野菜のシブみと苦みが味わえる個性派
お次は「青菜ムングダール」。ムングダールとは、緑豆の皮をむいた黄ムング豆と小松菜を合わせた北インドの煮込み料理のこと。公式HPによると、青菜のほどよい苦みとクミンのスパイシーな香りが楽しめるという。

↑Vストローム1050DEにほうれん草をあしらったパッケージ。グリーンの色がスズキイエローのVストロームによく似合う!

↑原材料はインド産ムング豆、ほうれん草ピューレー、トマト・ピューレーづけ、なたね油、ソテーオニオン、おろししょうが、おろしにんにく、食塩、コリアンダー、クミン、赤唐辛子、ウコン。ほうれん草が入っているためかカロリーは最も低い181kcal。
袋を開けたら、強い香りが! 青野菜を煮詰めたような独特な匂いだ。

↑緑がかった茶色と黄色い豆のコントラスト。見た目も独特だ。
香りから想像されるように、味もちょっとクセがある。青菜をペーストにしたような風味があり、少し渋みも感じるが、深いコクがイイ。緑色のほうれん草カレーを食べたことがあったけど、あれより香りや味がマイルドな気がする。
そして豆に旨みがあり、ボリュームもスゴイ。辛さは公式では「1」なだけにさほど辛くない……と思ったら、食べ進めるうちにしっかり汗をかいていた(笑)。

↑レンズ豆やひよこ豆より小さいムング豆がゴッソリ入っている。ルーはサラサラ系ではなく、粘り系。5種類の中で最も個性派だ。
インドでもこんなカレーを食べた記憶がある。十分ウマく、レトルトにない味なのも高く評価したい。ただしクセがあるため好き嫌いが分かれそう。私としては渋みが少し気になったので、単体で一食ではなく、他のカレーと合わせて箸休め的に食べるのがベストな気がする。
採点 ※各5段階評価
◎辛さ ★★
◎ソース ★★★★
◎スープ度 ★★★
◎具の充実度 ★★★
◎総合評価 ★★★
[大根サンバル] 豆の風味と酸味の深いコクがイイ
続いては「大根サンバル」。サンバルとは、豆と野菜のカレー風スープ料理だ。今まではインド北部料理だったが、こちらと最後の「南瓜サンバル」はインド南部料理となる。
原材料に使われているトゥール豆は、キマメ(樹豆)という豆の皮を取り除いて挽き割ったもの。HPによると、みそ汁のようにご飯にあわせるのがオススメとのことだ。

↑スズキのフラッグシップと言える現行ハヤブサが登場。背後に大根とニンジンがたたずむ!

↑原材料は、野菜(大根(国産)、人参、グリーンピース)、キマメ、ソテーオニオン、なたね油、タマリンドペースト、食塩、ミックススパイス、マスタードシード、コリアンダー、赤唐辛子、ウコン、カスリメティ。カロリーは184kcal。
袋を開けると、今までのカレーと違い、シャバシャバなスープカレー風。香りはあまり感じなかった。

↑じゃがいもに見えるけど、実は大根。にんじんやキマメ、マスタードシードも見える。サラサラッとしたスープが早くもご飯に染み込んでいる。
口に運んだ瞬間から「ウマい」と思ってしまった。インドでよく食べた好みの味で、カレーっぽい風味の中に、豆の甘味と酸味が効いたスープといったカンジ。タマリンドかウコンのおかげか、とても複雑で奥行のある味わいだ。公式の辛さ「3」の割にマイルドだと思ったが、やっぱり後から辛みが来て気が付けば汗をかいている(笑)。
具もバッチリウマい。大根、にんじん、ほっこりしたキマメにスープが染み込み、しっかりした食感も美味。カレーと大根という日本ではお目にかかれない組み合わせもイイ。スープがご飯に染み込みやすいのも他の商品にはない特徴。このご飯も実にウマく、思わずメシが進む。

↑サラサラっとした味わい深いスープと大根など具とのマッチングが絶妙。
甘くて酸っぱくて辛いスープだけに、万人受けするとは思えないけど、好きな人はとことん好きな味だろう。とにかく自分には好みだ。ちなみに、インド現地でも辛くないサンバルがあったし、個人的にはもっと辛くない方がウレシイ!
採点 ※各5段階評価
◎辛さ ★★
◎ソース ★★★★
◎スープ度 ★★★★★
◎具の充実度 ★★★★
◎総合評価 ★★★★★
[南瓜サンバル] 優しい味わいとバラエティ豊かな具がマル
ラストは2025年10月に新登場した「南瓜(かぼちゃ)サンバル」。HPによると、トゥール豆とかぼちゃをベースにした煮込み料理とのこと。

↑パッケージのeVITARAは、インドから日本など世界に発売されるグローバル車。

↑原材料は、野菜(かぼちゃ(ニュージーランド)、人参、グリーンピース)、キマメ(インド)、かぼちゃペースト、ソテーオニオン、なたね油、タマリンドペースト、食塩、ミックススパイス、マスタードシード、コリアンダー、ウコン、赤唐辛子。カロリーは196kcal。
袋を開けると、スパイシーな香りが鼻を直撃。5種類のうち1、2を争う刺激的な匂いだ。

↑しっかりした食感を残したかぼちゃが入っており、ルーにスープ感がある。
口に入れた第一印象は「甘い」。かぼちゃをはじめ、グリーンピースや油の甘みが前面に出てきた。その後、辛みを感じる。公式の辛さは「2」だけど、後味はもう少し辛い印象だ。
サラッとしたスープは、甘みに加え、タマリンドらしき酸味も重なって重層的な味わい。ただ、大根サンバルほど酸味は目立たず、甘みが際立っている。そして、具材のバラエティが5種類随一。かぼちゃをはじめ、キマメにグリーンピース、人参と様々な具がオイシイ。原型を保ったかぼちゃの食べ応えも特徴的だけど、大量に入っているキマメのトロトロした食感と優しい味わいもよかった。
総合評価としては、かぼちゃなどの具とオイリーなスープが甘いのがポイント。少し辛いけど、幅広い人に食べやすいハズだ。
採点 ※各5段階評価
◎辛さ ★★★
◎ソース ★★★★
◎スープ度 ★★★★
◎具の充実度 ★★★★★
◎総合評価 ★★★★
【結論】どれも本格インドカレー、1000円近い価値はある

↑5種類勢揃いすると壮観!

↑汗だくになりながら食べまくるの図。イッキに計5種類を食べたわけではないけど、辛さに弱い私はノドを痛めたのでした(笑)。
どれもレトルトっぽくなく、本格的なインド家庭料理風かつ「お店の味」といった印象。500円台だったら、もっと手を出しやすいけど、1000円近い値段の価値は十分あると思う。中でも個人的に一番気に入ったのは、大根サンバル。次点はトマトレンズダールだ。好みもあるけど、この二つはリピートしたいぐらいウマかった。
他はほぼ同じ程度に好きだけど、付け合わせとして青菜ムングタールが欲しいかも。ちなみに万人向けなのはトマトレンズダール、茶ひよこ豆マサラ、南瓜サンバルあたりだと思う。
ちょっと高いけど、鈴菌の人はもちろん、気になる人はぜひ試してみてほしい! ちなみに……隠し絵にはまだ続きがありそうなので、新作も期待してますよスズキさん!
