シンプルなスタイルの中に“リバースヘッド”という驚き
こんにちは、青木タカオです。美しいレトロなカフェレーサーは、トライアンフ『TR6』(1965年)をベースに、HEIWA MOTORCYCLE(平和モーターサイクル)が手がけたカスタム『WILD PIGEON』です。
日本最大級のカスタムイベント『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ ホットロッドカスタムショー)』(2025年12月7日/パシフィコ横浜)にて展示され、見事に「Best Motorcycle European」つまり欧州車のなかでベストに選ばれました。
平和モーターサイクルは、国内のみならず海外からも注目を集める有力ビルダーで、カスタムショーではアワードの常連。『WILD PIGEON』は創設20周年のアニバーサリーバイクとして製作されたもので、その完成度の高さからファンから熱視線を浴びました。
大きな見どころの一つは、伝統の並列2気筒エンジンです。なんと、前方吸気・後方排気! 通常モデルとは逆向きのレイアウト「リバースヘッド」になっています。
パラレルツインのフロント側に、アルミ製カバーを装着したキャブレターを装備。エキゾーストパイプがリヤ側から出て、右のシリンダーから伸びるエキパイはシート下を潜り込んで車体の左エンドへ。
左のシリンダーから出たエキパイがその上をクロスして車体の右を真っ直ぐ後ろへ。その姿に見惚れてしまうのは、ボクだけでしょうか。
水平基調の外装もシンプルで美しい。スリムで長いガソリンタンクから、コンパクトなシートを経て、シングルシートカウルへ。
ブラックアウトしたリムとクロススポークのホイールからはじまるフロントエンド、正立フォークにセットされたセパレートハンドル、角断面のスイングアームなど、機能美を感じるディテールに目を奪われます。
ナックルヘッドなのに単気筒だって!?
HAMMER SYCLE(ハマーサイクル)のナックルヘッドには腰を抜かしました。ハーレーといえばVツインですが、なんと単気筒になっているではありませんか。
いったい、どのような乗り心地とサウンドなのか!? 興味は尽きません。
ハーレーダビッドソンのレーシングカラー、オレンジの外装を身にまとうのは、SUNDANCE(サンダンス)『SUPER XR1200DT』です。
サンダンスは本場アメリカのレースシーンでも輝かしい成績を収め、国内外から認められる名門。代表的なコンプリートカスタムのうちのひとつであるSUPER XRは、1983年にハーレーダビッドソンがレース参戦するために市販化したホモロゲーションモデル『XR1000』がそうであったように、ツインキャブレター仕様となっています。
通常のハーレーは、V字に配置されるシリンダーの間に吸気機構を1つだけ備えて、エアインテークを分岐させて前後の燃焼室へ送り込みます。
つまり、吸気が内側、排気は外側となっていますが、SUPER XRではフロント側にエキパイ、リヤ側にキャブをそれぞれ備えているのです。
よりハイパワー化されるのは、一目瞭然でしょう。エレメントが剥き出しになったエアクリーナーが、FCRにセットされるメカメカしい姿もファンにはたまりません。
イエローのUSストロボカラーで仕上げられているのは、1983年式のヤマハXV750。フラットトラックレーサーのようなゼッケンプレートをフロントとサイドに備えています。
SURESHOT(シュアショット)が手掛けたビューエル『S1W』(1998年)をベースにしたカスタムマシン『MAGAMI(マガミ)』は、サーキットを駆けるリアルレーサーです。
丸パイプを用いた美しいフレームワークと複雑なリアショックマウントに目を奪われます。
スイングアームは片持ち式のプロアーム。ホイールは前後17インチ化され、走りへの本気度が伝わります。
実はショー開催の1ヶ月前に、ボクは筑波サーキットでこのモンスターマシンを目撃していたのでした。MCFAJ主催のサンデーレースにエントリーしたとき、ピットがお隣になり、そこにはシュアショット代表の相川さんのお姿が。
雨の中、ロードレースを走り、さらにカスタムショーに展示するというその姿勢には感服するばかりです。
四発エンジン搭載のカフェレーサー
セパハン、バックステップ、シングルシートカウル、MOTOR FORCE(モーターフォース)の『CB750F』(1983年)は、カフェレーサースタイルに仕上げられています。
スリムなシルエットの車体に、インライン4の迫力あるエンジンが載せられているのが、実にカッコイイではありませんか。エアファンネルをセットしたケイヒンCRがレーシングムードを漂わせます。
エアクリーナーケースなどはなく、とにかくシンプル。足まわりには純正コムスターホイールがそのまま使われているのも、こだわりを感じます。
MOTOR FORCEのブースには、「剱(つるぎ)/TSURUGI」とネーミングされたBMW『R100/7』(1977年式)もあり、熱視線を浴びていました。
剣道の「面」を彷彿とさせるフロントマスクは、BMW伝統のキドニーグリルがモチーフ。和のテイストをドイツ車にとり入れているあたりは興味深く、大和魂がジャーマンスピリットと融合しているようで芸術性を感じずにはいられません。
フロントには2本のショックアブソーバーを持つボトムリンク式サスペンションが備わります。評価はやはり高く、『Best Cafe Racer』を獲得しています。
いかがでしょうか、今回はカスタムショーの最前線で見たものをご紹介いたしました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。









