猫も杓子もバイクへ夢中となっていた1980年代中盤! 国産4メーカーがあらゆるジャンルで鎬を削り、次から次へと市場に送り出されるニューモデルはどれもカッコよくて性能もアゲアゲ! 中でもレーサーレプリカ軍団が爆発的な人気を集めつつある状況下で、突然……本当に突然プイッと現われた250㏄アメリカン。それが「Rebel」だったのです!

●はい、こちらが超モテモテな最新レブル……2025年3月に発売が開始されたホンダ「Rebel 250 S Edition E-Clutch」であります(写真はパールシャイニングブラック)。249㏄水冷4スト単気筒DOHC4バルブエンジンは最高出力26馬力/9500回転、最大トルク2.2㎏m/6500回転と必要にして十分なパフォーマンス。搭載されているHonda E-Clutchは発進、変速、停止など駆動力が変化するシーンで、ライダーのクラッチレバー操作を必要とせず最適なクラッチコントロールを自動制御してくれる電子制御技術! 手動での操作も可能という点がポイントが高いですね〜。 燃料タンク容量11ℓ、シート高690㎜(!)、車両重量175㎏。 なお、S Editionはヘッドライトカウルやフォークブーツとフォークカバーを標準装備した仕様で税込み価格73万1500円。あ、素の「レブル250」は63万8000円です!
ホンダ・レブルという傾奇者!【その2】は今しばらくお待ちください m(_ _)m
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現行モデルは押しも押されもしない軽二輪セールス絶対王者!
レブる、レブれば、レブるとき、レブろう、レブれ!
……思わず動詞の五段活用(ラ行)を不完全に書き殴ってしまいましたが、

●「じゃあ次は古典の助動詞下二段活用!」「え〜?『る』なら……れ れ る……るる るれ れよ……かな?」「正解!」などと言い合いながら通学するJK2人組の姿を眺めたときは尊さで目がつぶれそうになりました。胸の鼓動もレブリミット寸前!?
ホンダ「レブる」いや「レブル」……売れていますねぇ~っ!
現在絶賛発売中の「レブル250/500」は2017年4月に登場し、250に話を絞れば2018年から2025年まで8年連続で軽二輪(126~250㏄)クラス販売台数ナンバーワンの座に君臨!

●2017年型ホンダ「レブル250」カタログ表紙より。オシャレですなぁ〜(^^ゞ。なお、REBEL(レブル)とは、直訳すると「反逆」の意。おしきせを排し、自由に行動すること。……と、後述する初代レブルの1985年4月18日付けニュースリリースに明記されておりました
いやもう完全に仏恥義理(byヤンキー漢字)と言っても過言ではない人気集中っぷりで、還暦という節目がAstemoシケインの向こうに見えてきた昭和のオッサンにとっては「偉くなったもんじゃのう……」とヤンチャ坊主だった甥っ子がベンチャービジネスで大成功し、人生の春を謳歌している姿を見せつけてられているようで誇らしい限りですわい、ゴホゴホ。

●「フフフフ……今や時の人となったキミが砂場でスッ転んで泣き叫んでいた頃を私は知っているぞ……」といったメンドクサイ親戚のオジサン目線で、このコラムは綴られていいきます!?
ならば老害の嗜みとして転生前の○○○しい過去、もとい麗しい過去をほじくり出して紹介していかねばと思った次第(^^ゞ。
今しばらくお付き合いのほどを……。
1980年代中盤、秒進分歩の勢いでバイクが高性能化するなか……
と、いうわけで時は未曾有のバイクブーム真っ只中、1985年に戻ります。
前年(1984年)には初代ニンジャことカワサキ「GPZ900R」やヤマハ「RZV500R」・「FZ400R」、スズキ「GSX-R(400)」・「GSX750S KATANA」、

●1984年型スズキ「GSX750S KATANA」。リトラクタブルヘッドライトも特徴的なスズキ国内デザインとされる新時代を切り拓いたカタナ。直近、東京モーターサイクルショー2026にてモトドーウェルというショップが、こちらをリスペクトした外装キットを展示したことで話題騒然! 今また注目が集まっている俗称:3型カタナ、パカタナ……(^^ゞ 筆者もタミヤのプラモデルを複数回作った思い出があります。1984年デビューだったのですね……
ホンダ「NS250R/NS250F」・「CBR400Fエンデュランス」などなど令和の世でも話題と人気を集めるモデルたちがゾクゾクと登場!
燃え上がるレーサーレプリカジャンルだとエンジンは空冷から水冷へ、フレームは鉄からアルミへ、カウリングもハーフからフルへ移行していくという正に過渡期でしたので、山口の片田舎でモーターサイクリスト誌を毎号全文字漏らさず読み進めていたワタクシのコーフンも最高潮に~。

●実のところホンダは1984年に「250T LAカスタム」のマイナーチェンジを敢行。1981年にデビューしていた軽二輪アメリカンモデルへヘッドライトハロゲン化やリヤキャリヤ採用などを施し商品力をアップさせたのです。翌年デビューする「レブル」が万が一ウケなくても大丈夫なよう保険をかけておいた……というのは勘ぐりすぎでしょうか(^^ゞ。ブーメラン型コムスターホイールが時代ですね〜。燃料タンク容量12ℓかつセンタースタンド付きでも車両重量は144㎏。シート高730㎜。当時価格は32万9000円でした
エポックメイキングなモデルたちがドカスカと登場した1985年ッ!
その流れが停滞するどころか、さらに加速していった1985年はメカニズム的な各社の個性が最高に強まったヴィンテージイヤーでした!
スズキは油冷エンジン「GSX-R750」や2ストスクエア4の「RG400/500Γ」をデビューさせ、ヤマハはVブーストの魔神こと「VMAX」・ジェネシスコンセプト第一弾となった「FZ750」・

●「2ストのヤマハ」を「4ストもヤマハ」に大転換させた記念碑的モデルだと個人的に思っている1985年型ヤマハ「FZ750」! 749㏄水冷4スト並列4気筒DOHC5バルブエンジンを45度前傾させてジェネシス思想に基づく車体へと搭載。かくいうコンセプトの正しさはケニー&平で熱狂したその年の鈴鹿8時間耐久レースやデイトナ200マイルレースで証明されました。ちなみに当時価格は79万8000円……
4スト250の45馬力時代を切り拓いた「FZ250フェーザー」・2ストレーサーレプリカのレベルを一気に数段は上げたとされる「TZR250」をリリース!
カワサキならアンチレプリカとして大ヒットした「GPZ400R」・新時代スポーツクルーザー「エリミネーター900」、

●ヤマハ「VMAX」同様、海外向けとして1985年にデビューしたカワサキ「エリミネーター900」(写真)。前年発表のニンジャこと「GPZ900R」用エンジンへ低中速重視のリセッティングを施して搭載したマシンで豪快な加速が楽しめました。エリミネーターブランドは下方展開され、750、400、250のみならず125版まで登場! レブル同様、現在は復活を遂げており400㏄パラレルツインモデルとして高い人気を博しています
ホンダも「NS400R」、「VT250Fインテグラ(ウイングスペシャルエディション)」ほか伝説級のモデルたちが多数デビュー。

●1985年5月にリリースされたホンダ「NS400R」。59馬力を発揮する新設計の387㏄2スト水冷(挟角90度)V型3気筒ピストンリードバルブエンジンをアルミフレームに搭載。車体全体にもホンダ最先端テクノロジーが注力されていたのです

●トリコロール(赤・青・白)カラーだけでなく、当時のホンダ・レーシング(HRC)レース活動メインスポンサーであるロスマンズ・インターナショナル社カラーが台数限定でも何でもなく、もっと言えば2色とも62万9000円という同価格で選べた……という事実にちょっと震えています、今
どれも「ウチの売りはコレなんだ!」という開発陣の熱い熱い主義主張が強く込められたマシンばかりなのですから、高3だった筆者は受験勉強そっちのけでモーターサイクリスト誌のページをめくりまくり、指紋すら消えそうな勢いでありました。

●英単語はちっとも覚えられないのに、ATACやYPVSやSACSやKVSSといった機構名はソラで完璧な詳細解説ができたあの頃……(^^ゞ
最新メカ! ○馬力! ○㎏! 最高速○㎞/h! 筑波○秒!…全てから脱却
そ~~んな1985年にですよ、本当にプイッという擬音も相応しく登場したのが初代レブルこと、ホンダ「レブル」と「レブル スペシャル」だったのです。

●1985年型ホンダ「レブル」カタログ表紙より。いやもう最初に紹介した2017年版とは全く異なる空気感よ……。イケイケドンドンな雰囲気が無条件に伝わってきますね。車名に排気量が入っていないことも新鮮でした。あの頃のバイク界隈を覆っていたスペック至上主義から完全に抜け出していた潔さは、後のカワサキ「ゼファー」にも通じるような!?
当時ホンダはライバルたちの大攻勢(特にヤマハ)へ対抗するため、4スト250並列4気筒から打倒TZRに燃える2ストレーサーレプリカ、V型4気筒スポーツの再構築やハリケーン(エアロ)シリーズに至るまでHY戦争当時に勝るとも劣らない数の多種多様なモデルを開発することへ全集中しており、市場へ繰り出すニューモデル数は例年より控えめ……。

●水面下で力を蓄えた忍従の1985年があけ、1986年からのホンダ反攻はすごいものでした。レースで鍛えてきたカムギヤトレーンを並列4気筒エンジンのみならずV型4気筒エンジンへも積極的に導入。特にプロダクションレース制覇を視野に入れた販売戦略では「Force V4」という旗印のもと写真の1986年型「VFR400R」を筆頭にV4パワーを猛烈にアピールし、並列4気筒のCBRシリーズと切磋琢磨していきます。そして10月にはあの「NSR250R」がデビュー! じわりじわりとホンダがレーサーレプリカジャンルを席巻していくことに……
受験生だった筆者の脳裏に刻み込まれたレブルの「てやんでえ」精神!?
そのせいかバイク雑誌の表4(背表紙)や表2~表3(表紙をめくってすぐの見開き)といった非常に目立つところで「レブル」の広告がバンバン打たれていた記憶がございます。

●これぞまさにモータサイクリスト誌の表4で一字一句読み込んだ記憶のあるレブルの広告! メインのコピーを書き起こすと……「REBELとは直訳すると反逆、しかし意訳すると“てやんでえ”となる。こんなきもちでホンダがつくったのがこのレブル。だから全身、非常識のかたまり。スクーター並の低シート、ナナハン並のロングホイールベース、ロックシンガー・プリンス並の迫力ある排気サウンド等々〜(中略)〜これは現代のメルヘンだと言いきろう。」。受験日は刻一刻と近づくのにやる気スイッチは全くONにならず焦ってばかりで陰鬱としていた自分の心に「てやんでえ」の5文字は染みわたりました。「てやんでえ! 何とかならぁな!」と開き直ったらアラ不思議、現役で希望大学に合格してたじゃあ〜りませんか(その後留年(^^ゞ)
何と言っても白いボディに金色のパーツ(タンクには唐草模様!?)を配した「レブル スペシャル」は強烈なインパクト!

●1985年型ホンダ「レブル スペシャル」。233㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは、上で紹介した「250T LAカスタム」と同じく最高出力21馬力、最大トルク2.0㎏mというパフォーマンス。燃料タンク容量10ℓで車両重量は147㎏。シート高660㎜(!)。当時価格は34万9000円(STDは33万9000円)。金色パーツの多さから相当にお金がかかっているように思えたのですが、たった1万円しか違わなかったのですね〜
まぁ、実際のところは同時に用意された「レブル」の落ち着いたカラーリング2色のほうが売れたのでしょうけど。

●後日、八重洲出版へ入社してモーターサイクリスト編集部で働いていたころ、仕事仲間でもあった親友がこのパールステラブラックの「レブル」で毎日トコトコ走っていましたね〜。そりゃもう走行性能の確かさは安心のホンダ製。カタログでは50㎞/h定地走行テスト値55.0㎞/ℓという燃費を誇っていましたが、たしか実走行でも30㎞/ℓ前後いったはず

●キャンディアイガーブルーの「レブル」。全長2115㎜、ホイールベース1460㎜というゴリッパな車格にもかかわらず、シート高は小柄な人でも両足が地面へベタベタに着く660㎜に抑えられていたことも人気を集めた理由のひとつ。まだネットなんてなかった時代、雑誌記事と口コミで「レブル」の魅力がジワジワと日本全国へ伝わっていきました!
どちらにしても、ダークで地味な色遣いのイメージが浸透していたその頃の250アメリカンの中では頭ひとつ抜けた出来映えだったことは間違いなく、当のホンダも驚くヒット作へと駆け上っていったのです……。

●1985年型ホンダ「レブル」カタログより。細身、軽量、スリム、低重心とくれば取り回しもラクラク。ハンドル形状も絶妙で運転がとてもしやすかったことを覚えています。通勤に使う人も多かった!
次回は往年の250アメリカン(ジャメリカン!?)事情に触れつつ、初代「レブル」の成り上がり伝説を検証してまいりましょう!

●初代と現行……ともに「レブル」という名前を冠していても40年以上の隔たりによって車体構成は大きく異なります。しかし、両車ともライダーへ至上のクルージング体験を与えてくれることは不変! 【その2】でも存分にレブりますよ〜
あ、というわけで平成&令和の大ヒットモデルとなったホンダ「レブル250」。中古車はもちろん新車だってレッドバロンでの購入がバッチリ可能です(初代も探せば……(^^ゞ)! 日本全国を網羅する巨大ネットワークで事故や故障への対応も万全! お近くのレッドバロン店舗でアナタだけの「レブル」を探してくださいね〜!
ホンダ・レブルという傾奇者!【その2】は今しばらくお待ちください m(_ _)m
