514日に開催された公明党オートバイ議員懇話会「政策要望懇談会」の模様をお届けする。前編に引き続き、後編では懇談会の議題や内容について詳しく紹介したい。

新基準原付も! 政策要望懇談会の主な議題

▲公明党オートバイ議員懇話会「政策要望懇談会」の様子

 

今回の懇談会の主な議題は次の通り。全国オートバイ協同組合連合会(AJ)と日本自動車工業会二輪車委員会(自工会)が参加議員らに資料を渡して要望、説明した内容となる。

1. 新基準原付の誕生と現状、課題
2. 二輪車高速料金(車種区分)の見直し
3. 二輪車ETC車載機購入助成金の支給
4. 二輪駐車場の確保と現実的な取り締まり
5. 商品中古二輪車の軽自動車税免税
6. 二輪車自賠責保険の取り扱い

多くの議題は継続して要望、検討を重ねてきているもので、そうした議題では関係省庁からの検討、調査結果などが報告された。

1. 新基準原付の誕生と現状、課題

▲自工会二輪車委員会としての要望・説明を行った小椋道生 氏

 

自工会は新基準原付制度の施行に関して公明党議員、省庁関係者らに感謝を述べた。新基準原付登場に関する背景と経緯、登場によるユーザーとメーカーのメリット(トルクフルで発進時がスムーズ等)、ホンダとヤマハから発売中のモデルと購入ユーザーの声、さまざまなPR活動と消費者トラブル防止のための公正取引協議会との連携について説明した。

また自工会は2025年12月の二輪車出荷実績がコロナ禍以前に回復したこと(2019年と同等の33万8,000台)、趣向性の高いファンバイクが増えていることなど国内二輪市場の現況についても解説した。

▲50cc原付に比べてトルクフルで発進時にふらつきにくい、車体剛性が高い、ABS等安全装備を備えたブレーキなど新基準原付のメリットも伝えられた(写真はイメージ)

 

新基準原付には運用上の課題も多く残されており、大村直幸AJ会長からは熊本県でバイク通学を行っている県立高校で、排気量を理由に通学対象車両から除かれた事例があることも報告された。

これについて懇話会の石川会長は「125ccだからダメだというのはこれまでの議論の延長線から言うと全くそぐわない話。ちょっとこれ、文科省に言う必要があると思いますが…」とコメントし、新基準原付の安全性については警察庁も「基準を満たしており、これまでの原付と差異はない」と回答した。

2. 二輪車高速料金(車種区分)の見直し

▲AJとしての要望、説明を担当した石井 大専務理事

 

高速料金の見直し(車種区分の分離)は国会のオートバイ議連でも「一丁目一番地」として最優先課題に位置付けられている。「軽自動車」から二輪車区分を独立させること、その際の料金は現在の5/8、普通自動車「1」に対して「0.5」とすることを要望している。つまり「バイクの料金は車の半額」というのが二輪業界団体と議連で統一された水準だ。

近年は、ETCツーリングプラン(区域内乗り放題)やETC二輪車定率割引(1走行80km以上の場合に37.5%割引)が先んじて運用され、様々なデータ取りをしている段階だが、業界団体は定率割引の条件である「1走行80km」について、緩和もしくは撤廃を要求している。

石川会長 「見通しが立っていないのでは?」

▲車種区分の分離、料金の見直しについて追及した懇話会の石川博崇(いしかわ ひろたか)会長

 

所管する国土交通省道路局は、車種区分の分離について国土幹線道路部会において関連業界団体へのヒアリングを実施している最中だ。二輪業界や全国軽自動車協会連合会、日本自動車連盟への聞き取りを終え、今後はトラック・バス・タクシー等団体へ予定されている。

しかし、この動きについて懇話会の石川博崇(いしかわ ひろたか)会長からは「いったいいつまでヒアリングして、いつまでに車種区分の見直しを決めるのか、見通しが立っていないのでは?」という手厳しい意見も。

定率割引の条件についても「昨年は状況を見守りたいということで80kmが据え置かれた。今年こそは分析をして評価に入るだろうと思ったら、さらに引き続き分析を続けたいというのは合点がいかない」とさらなる追求が行われた。

また、高速料金問題について自工会は「車種区分分離について国交省で議論を進めて頂いているため“その行方を見守りたい”。実現までは現行のツーリングプラン、定率割引の継続を要望する」とこれまでより一歩引いたような立場を明言した。これに対してAJは「私どもは行方が定まるまでお願いし続けるという立場である」とし理解を求めた。

3. 二輪車ETC車載機購入助成金の支給

 

ツーリングプランも定率割引もETCがなければ利用できない。近年はPA・SAでのスマートインターチェンジや首都高などで進むETC限定出入口が増えており、今後の高速道路行政にはETCが必須と考えられている。

雨・ホコリ・振動対策が必要な二輪車用ETC車載機は四輪用よりも高額であり、装着率の低さが課題とされるためETC車載機の購入助成が毎年行われてきた。

車載器購入助成キャンペーンは高速道路会社(ネクスコ、首都高など)ごとに期間・台数を限定して行われており、GWや夏休み・お盆といったツーリングシーズンに間に合うよう実施時期の前倒しが要望されている。

国交省道路局は助成の開始時期が昨年度はお盆を過ぎてしまったことについて「まずかった」と認めたうえで「7月中にはできるようにしたい」と発言。

事実、7/8から10/30の期間で、首都高速(東京・埼玉・神奈川県限定)、ネクスコ東日本、ネクスコ中日本、ネクスコ西日本の管内で「車載器購入助成キャンペーン2026」が始まっている。

4. 二輪駐車場の確保と現実的な取り締まり

▲駐車問題の改善には役所や警察など地域行政との連携が欠かせない

 

AJは東京都内の二輪車保有台数あたりの駐輪場が四輪車と比べて1/7しかないことを示し、都市部の自治体に対して附置義務条例(大規模商業施設などに必ずバイク置き場を設置する条例)の制定を働きかけること、また路外に駐輪場所のない地区では駐車規制対象路線において「二輪を除く」区間を導入することを要望した。

さらに2022年3月に警察庁から各都道府県警察に通達された「地域の実情に応じた自動二輪等に係る駐車環境の整備に向けた継続的な取組の推進について」に記された駐車環境の整備がなされるよう、警察庁に対して継続的な指導を要請した。

国交省都市局は各自治体が附置義務条例を制定しやすいようひな型となる標準駐車場条例の改正を行うなどしているが、自動二輪車に関する附置義務条例は全国でまだ10都市のみと伸び悩んでいる。

駐車問題は最終的には地域ごとに条例改正などする必要があり、懇話会の石川会長も「公明党の首脳の先生方、地元の地方議員さんと連携しながら自動二輪の附置義務条例を推進するよう取り組んでいきたい」と考えを述べた。

警察庁はこれまで「駐車禁止規制からの除外(二輪を除く)」について累計で30,156か所、「二輪駐車可の区間数(Pマークの青色標識)」は172か所あり、今後も自動二輪等に配意した駐車環境の整備を進めていきたいと述べた。

5. 商品中古二輪車の軽自動車税免税

▲商品車両への軽自動車税は地方税。自治体ごとに減免を進めていく必要がある

 

AJはバイク販売店に置かれている商品車両に対して軽自動車税を課さないことを総務省から全国の自治体に示してほしいと要望。現在は公明党の尽力もあって21都道府県・112市町で実現している。

総務省は全国の税務当局が登録している「月刊 地方税」(25年7月号)において商品中古二輪車の減免に関わる実施団体(AJが情報提供)、その論点などの解説文章を掲載したことを報告した。

懇話会の石川会長は、来年は会長の地元である東大阪市でスタートする見込みであることを伝えた。

6. 二輪車自賠責保険の取り扱い

▲ビッグモーター事件以降、中小の保険代理店が影響を受けている

 

2022年に発覚したビッグモーター保険金不正請求事件に端を発した問題で、二輪販売店が自賠責保険の取り扱い契約を解除されるケースが相次いでいることから、無保険状態の増加などが危惧されることに対して、AJが歯止めとなる措置の検討を要望している。

現在、車検のない二輪車(250cc以下)に関してはコンビニや郵便局などでも即日で自賠責保険に加入できるが、重要なインフラでもある代理店網が縮小していくことでの加入率・更新率の低下も予測され、制度基盤への影響が不安視されている。

国交省物流・自動車局は無保険車対策の重要性を示し、警察と連携しての街頭取締・監視活動の実施、自賠責制度の周知、注意喚起のためのPR活動を行っていることを説明した。

また金融庁はビッグモーター事件以降の代理店からの個人情報の漏えいといった不祥事、不適切事案を踏まえ損害保険業界を挙げて信頼回復に取り組んでいるとした。

私感:「新基準原付」通学問題で文科省も出席か!?

▲新基準原付に関する問題として「原付バイク通学で許可されなかった」ケースを伝えたAJの大村直幸会長

 

今回の懇話会は担当省庁による資料がわかりやすく、議論も活発で中身の濃いものだった。個人的に注目したいのは、新基準原付でのバイク通学問題で石川会長が「文部科学省」の名前を出したこと。

懇話会に文科省が参加して新基準原付での通学に問題のないことを示せれば全国のバイク通学実施高校にとって指針となるだろうから、この点については今後も特に注目していきたい。

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