●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行
バイクに乗る時、どんなバッグを使っていますか?
僕はカメラ機材を持ち歩くことが多いので両肩に負担を分散できるリュックを使っています。
ただシートバッグをバイクに装着していると、リュックが邪魔になってポジションが限定されてしまうことも。
大きめのシートバッグに全ての荷物を入れてもいいですが、バイクから離れる時に貴重品を持ち歩くので小さめでもバッグが欲しいところです。
数年ぶりにバイク用にショルダーバッグが欲しくなり探していたのですが、最終候補3個まで絞り込みました。
これは絶対にライダーにとって良い情報になるはずと思い、メーカーさんにお願いして製品をお借りしました。
僕が今回お借りしたショルダーバッグのメーカーは「クローム」です。自転車ライダーには抜群の知名度なのですが、バイク用品店には並んでいないので知らない人も多いはず。
まずはクロームというメーカーをご紹介します。
Contents
自転車ライダーの神バッグメーカー「クローム」とは?
クロームのロゴ
クロームは1994年にアメリカ、コロラド州のデンバーで発足。自転車で荷物を運ぶ自転車メッセンジャー用バッグで高い評価を得ています。
車のシートベルトバックル
創業当時はバッグを下す時に頭の上を通さなくても良いように、車の廃棄場から回収したシートベルトバックルを採用して製造。
後に回収したものを使い果たしたことからカスタムバックルを自社で開発。今でもシートベルトバックルがクロームのアイコンとなっています。
バイクの使い勝手を最高にするメッセンジャーバッグの特徴
一般的に片方の肩に背負うバッグを「ショルダーバッグ」と呼びますが、メッセンジャーバッグは派生したバッグの一つといえます。
特徴は二つ。一つはストラップを引っ張ることで背中にバッグを密着させることができる点です。
メッセンジャーバッグは背中に沿うように固定できる
バイク運転中にバッグが動いてしまうと集中できませんが、ピッタリと背中に沿うように固定可能で、一般的なショルダーバッグだと肩に荷重が集中しますが、前傾姿勢を取ると背中にも重さを分散できているように感じます。
バックルの引手は栓抜きとしても使える
緩める際にはバックルの引手をあげるだけです。ヘルメットを被っている場合には緩めてバッグを下すより、バックルのボタンを押してストラップを分離させた方が楽です。
重い荷物を入れる際にはサブストラップを併用する
もう一つの特徴はサブストラップがついていること。重い荷物を詰め込みすぎると、体に密着させていたとしてもバッグがずれてしまうことがあります。
そんなとき左わきを通してサブストラップをショルダーハーネスに装着することでずれにくくなります。
動きが大きくなる自転車に特化したメッセンジャーバッグはバイクにもピッタリ。
それでは容量や機能の異なるクロームのバッグを3個紹介します。
ミニメトロ メッセンジャーバッグ
クロームといえばミニメトロかシチズン
商品コード:BG001
容量:20.5L
防水レベル:防水
収納可能PCサイズ:13インチ
サイズ:W51×H31×D18
価格:18,700円
重さ:1.1kg
素材:1050デニールナイロン、500デニールTPE
奥がシチズン、手前がミニメトロ
クロームのメッセンジャーバッグで古くからラインナップされていた商品が二つあります。シチズンとミニメトロです。※以前は更に大きいメトロポリスという製品もありました。
このバッグは基本的なデザインや機能性は共通となり、容量はシチズンが24L、ミニメトロが20.5Lです。
筆者はシチズンを4年ほど使い倒しましたが、今推したいのはミニメトロです。正直シチズンの容量をバッグに入れるならリュックの方が肩の負担が少ないからです。
フラップはバックルとマジックテープで固定
メインの荷室にファスナー等はなく、大型のフラップをマジックテープとバックルで被せる形になります。マジックテープだと粘着力が落ちてしまう不安があるかと思いますが、4年使ったシチズンは問題なく使えていました。
バックルのストラップには反射材が配置されていてヘッドライトなどの光を反射する
開け閉めを頻繁にするような場面ではマジックテープだけでフラップを閉めていると使い勝手が良かったのを覚えています。またバックルには反射材が配されています。
裏地には防水性に優れた素材が採用されている
表地には強度に優れた1050Dナイロンが使われていますが、内側は500デニールTPE素材が使われており防水性に優れています。
クロームは防水性のレベルを完全防水・防水・耐水の3段階で評価していますが、愛用していたシチズンやミニメトロは防水です。
嵐の日に使っても浸水することはありませんでした。
メイン荷室は広いので三脚も入ってしまう
メインの荷室は奥行きもあり、カメラポーチや三脚すら入ってしまいますが、マジックテープをはがすことで荷室を二つに分けることも可能。濡れたものを分けて入れられます。
荷室が分かれているので整理しやすい
荷室は他に4つあり、ファスナー付きは一つだけなのですが、大型フラップの下に納まるので飛び出す心配はありません。
ショルダーストラップにはDリングやウェーブベルトが配されている
大型のショルダーストラップはクッションが入っており肩への負担を軽減。更にウェービングベルトとDリングを備えているので、カラビナをかけることができます。
一回り大きいシチズンを4年使いましたが、使い勝手と堅牢性は保証します。
カデット スリングバッグ
カデットも過去に2年ほど愛用していた
商品コード:BG196
容量:9L
防水レベル:撥水
収納可能PCサイズ:13インチ
サイズ:W43×H20×D10
価格:11,500円
重さ:0.5kg
素材:1050デニールナイロン、1000デニールタープ
実はこちらも2年ほど使っていました。今ほど円安が進んでいなかったので8000円前後で購入した記憶がありますが、フリマアプリで売却した際は4000円程度値段がついて、リセールバリューの高さに驚きました。
筆者が使っていた頃はありませんでしたが、一回り小さい5L容量のミニカデットも現在はラインナップされています。
FOGはミニメトロにもラインナップされている
クロームは毎年定番バックに新しい素材やグラフィックを採用した製品を発表しますが、今年カデットを購入するならFOGがお勧め。リフレクターパネルが配置されていてヘッドライトなどの光を反射します。
体に触れる部分にはパッドが配されている
ショルダーハーネスやバッグ背面など体に触れる部分にはパッドが配置されており重量の負担を軽減します。
フォンポーチはクロームの他のバッグにも装着可能
まだショルダーハーネスには拡張性があり、オプションのフォンポーチなどが装着可能。ポーチはDリング付きなので携帯電話と鍵などをスマートに収納できます。
デジタルガジェットを入れるのにクッション付きはありがたい
メイン収納は二つに分かれており、背中側にはクッションが入っているのでタブレットなどを収納するのにピッタリ。13インチまでのPCを収納できるというだけあり、筆者愛用中の10.2インチipadは余裕で納まりました。
荷室は明るくDリングもついている
荷室はタブレットを収めてもスペースに余裕があり、色々と物を詰め込むと見つかりにくくなりそうですが、お借りしたFOGは内装が明るい色を採用しているので荷室が見やすく、更にDリングがついているので、鍵などはカラビナでかけておくことができます。
メインの荷室には止水ファスナーが採用されている
更にバッグ前面にも収納があるので、財布やスマートフォンなど頻繁に出し入れするものはこちらに入れておく方が良いでしょう。
ただし、メイン収納は止水ファスナー、前面収納は止水ではないので濡らしたくないものはメインに入れておいた方が無難です。
サンプル品はスチールバックルでしたが、製品はアルミバックル採用との事。
クロームを象徴するシートベルトバックルはスチールでしたが、現在販売されている製品は軽量になったアルミバックルを採用しているとの事。
アイコン的なカスタムバックルですが、少々重いのが難点でした。コンパクトなカデットには軽量なアルミバックルがピッタリ。またアルミはスチールに比べて錆びにくいのもポイントです。
なおカデットの防水性は耐水となっていますが、素材違いのブラックロームカデットは防水となっています。防水性に拘る人はそちらを選択すると良いでしょう。
シンプルメッセンジャーバッグ
クロームの新しい流れを感じるシンプルメッセンジャーバッグ
品番:BG322
容量:12L
防水レベル:防水
収納可能PCサイズ:13インチ
サイズ:W48×H24×D14
価格:13,200円
重さ:0.6kg
素材:1050デニールナイロン、500デニールTPEタープ
クローム史上最もシンプルなメッセンジャーバッグは製品名も「シンプルメッセンジャーバッグ」
シチズンやミニメトロといったクロームを代表するメッセンジャーバッグに対して、かなりシンプルにまとめられています。
クイックリリースバックル
まずクロームを象徴するシートベルトバックルが採用されておらず、クイックリリースバックルが採用されています。シュッと体に密着させることはできますが、ストラップをセパレートする機構は省かれました。従来品に比べるとかなり軽量です。
ストラップは他のメッセンジャーバッグに比べて長い
その代わりストラップがかなり長いので、緩めればヘルメットを被っていても下ろしにくいという事はありませんでした。
サブストラップは脱着可能
ショルダーハーネスはミニメトロやカデットと比べて細身で肩に当たる部分にクッションもありません。またサブストラップのパーツは装着されていますが外すこともできます。
荷室は細かく分かれているので整理しやすい
メインの荷室は5つに分かれており、背中側には13インチまでのタブレットやノートPCを収納可能。仕切りにはクッションが入っているので安心です。
真ん中の一番大きい収納部はマチも広いのでミラーレス一眼レフカメラが入るスペースがあります。
前側には3つのスペースがあり、名刺入れや手帳などを分けて入れることが可能です。
フラップを開けなくても荷物が出し入れできるので便利
フラップはミニメトロやシチズンに比べて短く、固定用のストラップも用意されていません。その代わりにフラップの下側にも収納があり、ファスナーは止水ファスナーが採用されています。
よく使う財布やスマホを入れておけば、いちいちフラップを開ける必要がありません。
素材はシチズンやミニメトロ同様ですが、フラップを短くしたことで防水性は多少落ちそうな印象です。
どれも最高のバッグでした
元シチズンユーザーの筆者としては、シンプルメッセンジャーバッグは色々な機能を省いている分、少々物足りなく感じましたが、実際に1日使ってみたところ思っていた以上に快適でした。
シートベルトバックルを省いている分、ゴテゴテした感じがしませんし、新しいクロームを感じることができます。
反面やっぱりクロームといえばシートベルトバックルに魅力を感じるところもあります。
ただ一つ言えるのは今まで普通のショルダーバッグ、ボディバッグを使っていたユーザーは、どのバッグを使っても機能性の高さ、使いやすさに驚くはずです。
20.5L、9L、12Lと容量違いの3つを紹介しましたので、持ち歩く荷物量に合わせて選んでみてはいかがでしょうか?筆者もいずれかを購入したいと思います。
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