キャンプツーリングでの楽しみのひとつと言えるのが、焚火の前で愛車を眺めながらいただく食事。体の冷える冬キャンだったら、アツアツの鍋料理なんて最高です。けれども気温が低すぎて、鍋がなかなか温まらずに苦労することも。そんなときは「JETBOIL(ジェットボイル)」を使えば、何も問題なし。今回は、アッという間にお湯が湧く、この驚きのクッキングシステムをご紹介。

JETBOIL(ジェットボイル)とは

 JETBOIL(ジェットボイル)とは、「小さな火力で素早く沸騰させる低燃費クッキングシステム」を採用した、クッカーとバーナーの一体型製品。こんなパッケージで販売されています。

ジェットボイル

 JETBOIL製品は、最軽量モデルや大容量モデルなど、いくつかラインナップがありますが、こちらの製品は口が広く料理がしやすい浅型モデルの「JETBOIL MINIMO(ミニモ)」。日本ではモンベルが取り扱っており、価格は25300円。

ジェットボイル

 箱から取り出すと、こうです。
 MINIMOの収納時のサイズはφ12.7cm×高さ15.2cm。クッカーの容量は1.0L。重さは約477g。
 キャンプツーリングの場合、登山と違って荷物を背負うわけではないので重さは気にならないけど、コンパクトなのはうれしいですね。
 まずは上蓋を開けてみましょうか。

ジェットボイル

 上蓋はゴムのような弾性を持つ柔らかい素材でできており、内側にはスタビライザーが折りたたまれた状態で装着されています。
 スタビライザーはガスカートリッジに装着することで、ストーブが転倒しにくくなります。
 クッカーの中にはオレンジ色をした袋が入っていて、袋にはバーナーとゴトクが収納されています。

ジェットボイル

 右がゴトク、左がバーナー。JETBOILは専用クッカーを使う際、ゴトクは不要。これは専用クッカーではない、他のクッカーやフライパンを使う際に必要となるもの。

ジェットボイル

 専用クッカーの底に取り付けられているプラスチックカバーを外すと、JETBOILの機能のキモとなる、独特な形状をした鍋底「フラックスリング」が現れます。
 フラックスリングとは、クッカーに一体化させたジャバラ状のフィン。このフィンが熱を受ける表面積を飛躍的に拡大させ、スピーディにクッカーを加熱させるというもの。
 メーカーサイトでは、熱効率が一般的なクッカーの2倍以上、ガスの消費量がおよそ1/2程度とされていますから、高効率・超低燃費です。
 ガス代の節約になってお財布にも優しい。

「JETBOIL MINIMO」のセット内容

ジェットボイル

 左上が専用クッカーの底を保護するプラスチックカバー(300mlまでの計量カップを兼ねたもの)。
 左下は専用クッカーの上蓋(湯切りの穴と、注ぎ口が付いている)。
 中央上が専用クッカー(周囲に巻かれているのは調理中でもクッカーが素手で扱えるネオプレンゴムカバーで「コジー」と呼ばれ、クッカーを保温する機能がある)。
 中央下はスタビライザー(畳んだ状態)。
 左上がバーナー(点火装置付き)。左下がゴトクです。
 これらすべてがセットになって、超低燃費ながらも高効率に湯沸かしや調理ができるという機能を発揮します。

ガスカートリッジひとつで何泊もできそう

ジェットボイル

 ガスカートリッジは、容量100gの「JETPOWER100g」(649円)と、容量230gの「JETPOWER230g」(836円)の2種類。
 プロパン、イソブタン、ノルマルブタンという3種類のガスを独自バランスで配合し、夏でも冬でもパワフルに使える仕様。

ジェットボイル

 ガスカートリッジにも「対応シーズン通年」と表示されています。また「JETPOWER230g」の場合、1回約500mlの水を沸騰させるのに、ガスが100%入っていれば55回、25%のガス量でも13回は使えるとの表示も。
 インスタントの袋入りラーメンを作るのに必要な水の量は450~500mlですから、1週間程度のキャンプツーリングであってもカートリッジひとつで足りそうです。

500mlの水が2分少々で沸騰

ジェットボイル

 「JETBOIL MINIMO」でお湯を沸かしてみましょう。まずは画像のように、ガスカートリッジにスタビライザーとバーナーをセットします。

ジェットボイル

 専用クッカーに500mlの水を入れ、蓋をしました。

ジェットボイル

 点火する際は、バーナーの火力調節つまみを反時計回りに約2回転まわしてガスを出し、すぐに点火ボタンを押して火をつけます。
 それから専用クッカーをバーナーに載せます。
 クッカーの底と、バーナーのヘッド部分には小さな穴と突起があるので、そこを合わせて時計回りにまわせばロックされる構造。

ジェットボイル

 フラックスリングから火が飛び出て、クッカー外周のカバーが焦げるということもありません。
 画像では分かりにくいですが、火はジャバラ状のフィンの中心部で燃焼し、効率よく加熱を続けます。

ジェットボイル

 えっ!? と驚くほどの早さでお湯が湧きました。体感的には、一般的なガスストーブで沸かすときの半分ぐらいの時間。
 メーカー調べでは、500mlの水を約2分20秒で沸騰させられる、とのこと(周囲温度20℃、水温20℃、海抜64m、無風の条件下において)。
 寒い冬キャンの場合、すぐに温かい食べ物にありつけるというのは、うれしいもの。しかも「JETBOIL MINIMO」はトロ火も可能な構造になっているので、たとえば鍋料理など、弱火で常に温めながらゆっくり食事をすることも可能。
 焚火の横でお酒を楽しみながら、のんびりと鍋をつつく。いいですねえ、これはとってもありがたい。

コンパクトに携行できる

ジェットボイル

 JETBOILは、構成するパーツをクッカー本体の中に収納できるオール・イン・ワン設計。
 容量100gのガスカートリッジ「JETPOWER100g」ならば、それもクッカー内に収まります。
 画像では分かりやすいようにそのまま収納していますが、クッカー内にキズをつけないため、オレンジ色の袋に入れてから収納するといいです。袋は「JETPOWER100g」とバーナーが入るサイズになっています。

ジェットボイル

 ただしオール・イン・ワン設計とはいえ、「JETBOIL MINIMO」の場合はガスカートリッジをクッカー内に入れるとゴトクが収納できません。ガスカートリッジのキャップも外さないと入れられません。
 まあ、それでも充分だと筆者は考えています。専用クッカーしか使わない、と決めてしまえば、ゴトクは持っていく必要がないからです。

 他のクッカーには、JETBOILの特徴であるフラックスリングがついていないため、高効率で低燃費な湯沸かしや調理ができないのです。
 できないんだったら、高価なJETBOILを買う意味がない。ふつうのクッカーを使うんだったら、ふつうのガスストーブでいい。安い家庭用ガスカートリッジが使える、新富士バーナーのブランド「SOTO」のレギュレーターストーブでいい。そう思うのです。

ジェットボイル

 ゴトクさえ諦めてしまえば、オール・イン・ワンでコンパクトに持ち運べる。リアバッグに入れても場所を取りません。
 ソロでのキャンプツーリングだったら、「JETBOIL MINIMO」の専用クッカーで足ります。いや、足りる料理しか作らない。そう決めちゃえばいいわけです。
 筆者だったらインスタント袋麺のスープで、スーパーのカット野菜と少量の肉を茹でて食べ、最後に残ったスープでラーメンを煮てシメる、というお決まりコースでしょう。
 ということでJETBOIL。寒い冬キャンでは特に役立つアイテムとして紹介いたしました。
 コンパクトに持ち運べるのですから、トレッキング時の食事にも役立ちます。今度、低山にでも行ってこようかな。ではまた!

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