田沢湖へ行ったならば、田沢湖高原にも立ち寄らねば! 田沢湖高原は田沢湖のほとりから、わずか5㎞の距離。そこには秋田駒ケ岳の絶景と、安くてうまいジンギスカン定食と、田沢湖を見下ろす絶景露天風呂があるのです!

県道駒ケ岳線は爽快ルート!

 岩手県盛岡市在住の旧友Tと出かけた、田沢湖ツーリング。仙岩峠の茶屋で名物おでんをいただき、廃校を利用した「思い出の潟分校」でノスタルジーにひたり、「クニマス未来館」で絶滅したはずのクニマスの生きて泳ぐ姿に感動したふたりは、今回のツーリングの最後に田沢湖高原をめざしたのでした。

田沢湖高原

 田沢湖の北東部にある田沢湖高原へは、県道127号駒ケ岳線で向かいます。この道がなんとも爽快で、見渡す限りの高原風景、そしてその奥には秋田駒ケ岳の姿が眺められ、しかも天気がいいものだからチョー気持ちがいい。
 旧友Tが乗るC125のうしろに見えるのが秋田駒ケ岳です。広角レンズで撮影したので小さく見えますが、肉眼ではもっと迫力のあるサイズで眺められます。
 この県道は12㎞先の乳頭温泉郷で行き止まりになっているため、利用するのは温泉客か登山客がメイン。なので交通量も少なくて、とても走りやすい。筆者の乗るXSR700も高原ロードを絶好調で駆け上がっていきます。

昭和チックな食堂でジンギスカン

「なあスゴー、ジンギスカン食わねーが? この先にシブい食堂があるんだよ」
 旧友Tが言うには、今回のツーリングは昭和テイストでノスタルジックな峠の茶屋や分校などを巡ったのだから、メシも同様の雰囲気でシメたいとのこと。
「んだな、そうするべ。だば案内してけろ」
 C125の後を追いかけ、到着したのはこちらのお店。

田沢湖高原

 田沢湖高原の、民宿みどり荘。民宿を経営しつつ、一階ではジンギスカン食堂を営んでいるそう。シブいなあ。昭和っぽさを堪能してきた今回のツーリングにぴったり。

田沢湖高原

 さっそく中に入りましょう。グローブを脱いだ手でガラス戸をガラガラッと開くと……。

田沢湖高原

 店内もシブい。多くの客たちが焼いてきたであろうラム肉の煙でいぶされた天井、そのすすけ具合が歴史を感じさせます。
 テーブルの上にずらりと並んだガス台が、「さあ早くジンギスカン鍋をオレの上に乗せてくれ」と言わんばかり。

田沢湖高原

 壁に掲げられたメニューを見ると、ジンギスカン以外に陶板焼、ラーメンなどもありますが、店に入る前からジンギスカンのことばかり考えていたのですから今さら他のものは食べられません。身も心もジンギスカン。だいたいあのガス台の乗ったテーブルで、鍋も鉄板も乗っかっていないガス台を眺めながらラーメンが食えますか? ただただ切ない気分になるだけでしょう。
 なので旧友Tとふたり、ジンギスカン定食2人前を注文。そして運ばれてきたのがこれ。

田沢湖高原

 うまいのなんの、一心不乱にいただきました。肉もうまいが、絶妙な調合のタレがうまかった。野菜も新鮮で、キャベツじゃなくて白菜を焼いて食べるという点も目からウロコ。これが絶妙に合うのです。そしてごはん! さすが米どころ秋田、ごはんがうまい。
 で、そのごはんも味噌汁もお代わり自由というのもうれしい。隣のテーブルの若い女性も、遠慮なくお代わりしてました。慣れた様子だったし、おひとり様でご入店してらしたので、リピーター客かなあ。
 肉も野菜もごはんもうまい。タレもうまい。お代わりしないわけがない。これで1人前1400円は安いってもんです。

「アルパこまくさ」へ

田沢湖高原

 腹いっぱいになったふたりは、ジンギスカン食堂のすぐ近くにあるアルパこまくさへ向かいました。そこは田沢湖高原の中核施設。自然ふれあい温泉館、秋田駒ヶ岳情報センター、駒ヶ岳火山防災ステーションの3つの機能を持つ複合施設です。
 仙北市の観光情報サイトによれば「山という意味の『アルペン』と、温泉の『スパ』の造語で、可憐なこまくさをはじめ、 高山植物の数々が咲き乱れる駒ヶ岳の豊かな自然がいつまでも身近に感じられる施設であって欲しい」という願いが込められているそうです。

田沢湖高原

 山小屋風の木造平屋造り、天井が高く広々とした館内に入れば、駒ケ岳周辺の自然環境や山岳情報が学べるパネルがいっぱい。
 ですが今回ここを訪れた我々の目的は、温泉! 県道を5キロ少々走れば、あの有名な乳頭温泉郷へも行けるのですが、日曜だし観光客でいっぱいなんじゃないかということで、今回はアルパこまくさの露天風呂を利用することにした次第。

田沢湖を見下ろす展望露天風呂

 内湯のシャワーで身体を洗い、しっかりと汗を流して、いざ露天風呂へ。どんな露天風呂だったか、パンフレットの写真をご覧ください。

田沢湖高原

 露天風呂の湯船の向こうに、さっきまで走り回っていた田沢湖が見下ろせます。温泉で火照った体に吹き付ける高原の風も心地いい。
 泉質は硫黄泉で、源泉かけ流し。入浴時間は10:00~16:00(受付は15:30まで)、それで入湯料は大人550円。安いでしょ!? そして思ったとおり、空いていました。旧友Tとふたり、露天風呂を独占状態。
 とまあ、こんな感じで、田沢湖周辺ツーリングは終了。見どころも食べどころも豊富なエリアですので、みなさんもぜひ!

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