国内メーカーの最新モデルを中心に、多彩なバイクが乗り比べできる――それが「那須MSLステップアップ試乗会」だ。なんと1日1000円で、好きなだけ乗り放題というから太っ腹。全長1.2kmのクローズドコースを使用し、普通二輪免許ライダーでも大型に乗れるのもポイントだ。さて実際はどんな雰囲気なのか、参加レポートをお届けしよう!

国内メーカーの新型バイクを一同に試乗できるのは正直、レアです

都心からほど近い栃木県那須市にある那須モータースポーツランド。レッドバロンがプロデュースするだけあって、立派なコースと設備を備えつつ「バイク専用」という数少ないサーキットだ。通常のスポーツ走行のほかに、試乗会やスクールほか様々なイベントでライダーを楽しませてくれる(※別記事もご参照を)

↑ここが会場の那須モータースポーツランド。■栃木県那須塩原市寺子字坂の上677-1 電話0287-62-6358 月曜休(祝日は営業) 営業時間8~17時


今回取材した「ステップアップ試乗会」は、国産メーカーの新型をメインに試乗できるイベントだ。各バイクメーカーが開催する試乗会では当然1メーカーのモデルに限定されるが、この試乗会では複数のメーカーと外国車にまで一堂に揃う。多彩なバイクを取り扱うレッドバロンならではの試乗会なのだ。

さらにクローズコースで行うため、普通2輪免許のライダーでもビッグバイクに乗れるのがポイント。普通2輪免許の人で「大型に憧れてるけど、どんな乗り味なのか気になっている人」にまさに最適だ。

筆者が取材した5月21日(日)には、22台もの試乗車が用意されていた。ジャンルはスーパースポーツにアドベンチャー、ツアラー、ネイキッド。排気量も250~1300ccクラスまで幅広い。なお試乗回数は制限がなく、次々と乗り比べ可能だ。

今回とりわけ注目したいのは3月24日に発売されたばかりのGSX-8SとV-ストローム800DEに早くも乗れること。650を除いてVストロームシリーズの1050、800、250が揃っており、乗り比べできるのも楽しい。

↑ズラリと並べられた多種多彩な試乗車!


試乗車をジャンル別に分けると次のとおり。

●フルカウルスポーツ
Ninja ZX-10R(カワサキ '22年型)、YZF-R1M(ヤマハ '20年型)、CBR1000RR(ホンダ '12年型)、YZF-R7(ヤマハ '22年型)、Ninja ZX-6R(カワサキ '22年型)、CBR600RR(ホンダ '12年型)、GSX250R(スズキ '23年型)

●ツアラー
ハヤブサ(スズキ '22年型)、GSX-S1000GT(スズキ '22年型)

●アドベンチャー
トレーサー9GT(ヤマハ '21年型)、ヴェルシス1000SE(カワサキ '22年型)、V-ストローム250(スズキ '23年型)、V-ストローム800DE(スズキ '23年型)、V-ストローム1050(スズキ '20年型)

●ネイキッド
MT-09(ヤマハ '21年型)、MT-09SP(ヤマハ '21年型)、XSR900(ヤマハ '22年型)、GSX-S1000(スズキ '22年型)、GSX-8S(スズキ '23年型)、R1200R(BMW '13年型)、ストリートトリプル(トライアンフ '16年型)

試乗会をサーキットで開催するメリットとは?

教習所などで行われる試乗会もあるが、サーキットで実施されるのもポイントだ。コースが広々としており、実に走りやすい。特に那須MSLは峠のようなセクションを持ち、公道に近いコースレイアウトなので、より実際のシチュエーションに近い走りが体感できるのがいい。

↑コースは全長1.2km。低中速コーナーが多く、公道っぽい雰囲気なので走りやすい。


サーキットとはいえ、革ツナギは不要で、ツーリングウエアでもOK。つまり長袖&長ズボンに、ヘルメット(半ヘル不可)、グローブ(オープンフィンガー不可)など乗車にふさわしい服装なら大丈夫だ。ちなみに用品レンタルはなし。

レッドバロンで車両を購入した「レッドバロン会員」以外の人も参加可能だ。

↑ヘルメットに貼るシールの色で免許を判別。緑は普通二輪免許ライダー、赤は大型二輪免許ライダーだ。スタッフは普通二輪免許ライダーのサポートを特に手厚くしてくれる。

↑各モデルには始動方法などの説明も設置。ビギナーでも操作に困らないよう配慮されている。

座って順番を待てるのでラクチン

試乗は先導車付きで1回2周。サーキットだからといって飛ばす必要は全くない。参加者によってペースが速くなったり、遅くなったりせず、常に40km/h程度のペースが守られる。サーキットを悠々走った後、次の方にバトンタッチするという流れが繰り返されいく。

↑各モデルごとにピットとイスが割り当てられ、自分の順番が来るまで日陰で座って待てる。ピットアウトから戻ってくるまで約4分というペースが守られるので、大体の待ち時間が計算できる。

 

↑筆者も順番待ち。順々に前のイスへ移動していく。トイレなどの緊急事態を除き、椅子から離れないようにしよう。

 

↑走行時は、前走車と一定の距離をキープ。わざと速度を下げて急加速するといった隊列やペースを乱す走りは禁止。安全性を保つことが目的だ。


見ていると、今回は特にハヤブサ、ZX-10R、YZF-R1Mのフラッグシップ系が待機する人が絶えなかったほか、新型のGSX-8S、Vストローム800DEの人気が高かった。

↑ピット裏の広いスペースには自由に使えるテーブルやイスを用意。疲れたら休憩してもヨシ、仲間同士で感想を語り合うもヨシ。丸一日、自分のペースで楽しめるのだ。

[参加者の声]大型でも乗りやすく、安心でした!

ここで参加者の声をご紹介しよう。

宇都宮から来た男性(36歳)は、普通二輪免許保持者でW400が愛車。


「乗ったことがないアドベンチャー系に乗りたいと思って来ました。Vストローム800DEに試乗したのですが、大型なのに乗りやすいですね! 最初は車体がデカいし、足付きが怖かったのですが、意外と大丈夫でした(身長は178cm)」

普通二輪免許の人でも乗れちゃいますか?
「軽くてパワーががあるから大丈夫です。400で高いギヤだとギクシャクする場面でも大型なら何とかなるのもラクです。取り回しも問題なさそう」

ちなみにVストローム800DEは、メーターがカッコいいと絶賛。「さすが最新バイク」と感心していました。

続いては仙台から来場した女性。大型二輪免許ライダーで普段はGSX-S750に乗っているとのこと。


「今日はSSに乗りたいと思ってきました。GSX-8Sに乗ってみたところ、レスポンスがよくて足着きもよかったです。トータルで気に入りました。GSX-S750の次の愛車候補になるかもしれません」

この方もGSX-8Sは「カラー液晶メーターが見やすい」と好評。GSX-8SとVストローム800DEのメーターは共通タイプだ。

昼休みはカレーを食べて休憩、スクールの実演もアリ

12~13時は昼休み。会場にはケータリングサービスがあり、この日は「那須高原カレー」が購入できた。外に出て昼飯を食べたり、買ってこなくて済む。

↑筆者が購入したのはカレーライス(700円)。適度な辛みで食べやすい。とろけるチーズ付きは800円、ロングフランクソーセージ付きは900円、チーズとソーセージ付きのダブルトッピングだと1000円。ライス大盛りは+200円。


ケータリングでは「ツーリング施設 共通利用券」(1年間有効)が使えるので、お持ちの人はお忘れなく!

昼休みには「那須MSLライディングスクール」の紹介も。常にステップアップ試乗会で紹介しているわけではないが、この時は幸運にも実施。ブレーキングのコツに参加者たちは「納得」の表情を浮かべていた。

↑昼休みに、中井直道講師の「那須MSLライディングスクール」実演も。中井さんとは昨年の「那須MSLライディングカレッジ」体験記事以来、久々の再会だった! 記事の詳細はコチラへ(https://for-r.jp/useful/24431.html)。

試乗開始の9時から乗れば(たぶん)コンプリートも可能

取材をしつつ、閉場となる16時までに10台以上乗ることができ、大満足だった(笑)。開場は8時、受付開始が8時30分で、試乗スタートは9時。試乗会を満喫したい人は、8時30分に受付を済ませて、早々に目当ての車両が待つピットで並ぶといい。

↑こちらはバイク専用駐車場。朝から大盛況で、多くのライダーが詰めかけた。


1日の定員は先着順で最大200人。「大行列で目的のバイクに乗れない」という事態はまずなく、朝から乗りまくれば全車の試乗コンプリートも余裕だろう。

早朝の出発するのがツラい場合は、筆者のように『ホテルアライ』に泊まるのもいいでしょう(笑)。
ちなみに四輪駐車場料金は別途2000円が必要、バイクの駐車料金は無料です。筆者もスーパーカブ110で来場したのでタダでした(笑)。

――さて次回からステップアップ試乗会で気になったバイクを筆者がインプレしていくので、乞うご期待!

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事