2023年のスズキの注目モデル、Vストローム800DE。この記事を書いている2023年2月現在、まだ日本国内では正式発表されていないがいずれ国内でも発売が開始されるモデルだ。この注目モデルを大々的にPRするため、スズキは「WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」を企画。イタリアのサルディーニャ島に、世界各国から約40名の二輪系ジャーナリストが集まった。

SUZUKI_Vstorm800DE_WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

「SUZUKI Vストローム800DE WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」では欧州はもちろん、日本、アメリカなどの各国から約40人のジャーナリストが集結。僕ら二輪媒体関係者にとっての国際試合、オリンピックみたいなもんだ。

WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

この 「SUZUKI Vストローム800DE WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」 には日本からは3人が渡欧。パリダカールラリーやBAJA1000などの海外ラリー経験が豊富な松井勉さん、レーシングライダーでBMWの公認インストラクターも務める鈴木大五郎さん、でもって最後の一人が僕ってワケだが、正直なところ僕は代打(笑)。……ではあるが、そんな世界中からライダーが集まるオリンピックみたいなステージに立てるというのだから誉なことだ。

かつてバイク雑誌の編集部に所属していた頃には、雑誌枠としてこの手の海外試乗会に参加したこともあったが、それはあくまで媒体や出版社への依頼であって、ライター個人として海外試乗会のオファーが来たのは今回が初めてのこと。僕の代わりに行くハズだったライターさんには大変申し訳ないが(もちろん知り合いだ)、繰り上げ当選だろうがなんだろうが、海外試乗会に行けて超ラッキーって感じなのだ!

SUZUKI_Vstorm800DE_WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

時差ボケした頭で適当に撮ったもんでちゃんと写ってないのが申し訳ないが、左が松井勉さんで右が鈴木大五郎さん。それにスズキ二輪の広報さんと動画撮影班2名という総勢6名の大所帯での渡欧だ。

コロナ禍の渡欧はどんな感じ!?

SUZUKI_Vstorm800DE_WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

僕にとってはコロナ禍突入後、初の海外遠征。パスポートや国際免許の更新となんだか慌しい感じの毎日が続く。

 

イタリア行きが決まったのが1月の下旬。そこから2月下旬の出発までが大変だった。……というか心労が半端なかった。なんせコロナ禍のおかげで海外渡航はしばらくぶり。パスポートを確認すれば期限切れが間近だし、当然ながら国際免許の期限も切れている。それにワクチンの接種証明書なんてものも必要みたいで、なんだかんだと慌ただしい。

だが一番不安だったことは自身が渡航直前にコロナウイルスに感染してしまうという最悪の事態だ。いろいろな手続きが済んだところで、「コロナになっちゃったんで行けません。航空券が無駄になります!」なんてことになったら、二度とお声が掛からなくなるに間違いない。

あ、そうそう。この手の海外試乗会はメーカーさんからのご招待。いわゆる顎、足、枕付きで海外に渡り、現地でバイクを乗り回して、“ああ、楽しかった!”と帰ってくる。もちろん帰国後は普段寄稿している各媒体に売り込んで、“ああ、楽しかった! みんなもこのバイクに乗ってみない!?”という試乗記を書くのが仕事なわけだけどね。……ハイ、そうです! このForRへの寄稿もそのお仕事の一環でゴザイマス!

SUZUKI_Vstorm800DE_WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

トランジットはトルコのイスタンブール空港。飛行機を待つ間、粉ごと煮出すトルココーヒーを飲む。地震の被害が気になるところだが、イスタンブール空港は被災地とだいぶ距離が離れいるらしく、空港内では地震の影響をいっさい感じなかった。

 

紙媒体での露出はもう少し先になるだろうけど、ヤングマシンのYouTubeチャンネルモトメガネなどウェブ媒体にはいち早くVストローム800DEの試乗記事を寄稿してますので、ぜひぜひそちらもご覧ください! 

さて、なんの話だったか? コロナ禍でちゃんと渡欧できるか心配だったって話だ。そんなわけで日頃の手洗いうがい、こまめな消毒といった基本的な感染対策を徹底するとともに、人混みも極力避けたりしていたのだが、この1ヶ月の心理的プレッシャーは相当なものだ。それこそ「土壇場でコロナにかかって関係者に迷惑をかける」……ってところで目が覚めるなんてことが何度あったことだろう(笑)。

無事、イタリア入国

SUZUKI_Vstorm800DE_WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

スズキ・Vストローム800DE「WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」が行われるのはイタリア・サルディーニャ島。日本でいう沖縄か北海道みたいなリゾートアイランドで、長靴の形をしたイタリアのスネから海を渡ったところにある、一周約200kmくらいの大きな島だ。

スリや旅行者のトラブルが多いと聞くイタリアだが、サルディーニャ島の治安はイタリアのなかでもかなりいいらしい。

 

なんとかコロナをかわしつつ準備を進めるのだが、悩んだのは荷物だ。この手の海外試乗会には、ヘルメットや皮ツナギなど、ライディング用品は自分で持ち込むのが慣わし。今回のVストローム800DEの場合、アドベンチャーモデルなので、ラリースーツやオフロードブーツ、それにニーブレースなどのプロテクターと結構な荷物を持っていきたい。

悩んだのはヘルメットだ。アドベンチャーモデルということで、アライのツアークロスのようなシールド付きのヘルメットを持ち込むのはもちろんだけど、今回試乗するVストローム800DEはフロント21インチホイールを履いたダート性能強化型のアドベンチャーモデルで、寄稿するクライアントにはオフロード専門誌もある。

いわゆるゴーグルを付けて走るようなオフロードヘルメット・Vクロス4も持ち込みたいと考えたのだが、オフロード系ヘルメット2コとなると荷物がパンパンになり、重量的にもギリギリ。カメラや動画撮影用の機材やパソコンは手荷物で持ち込むとして……。毎度のことながら荷物の重量制限は目一杯使い切ることになるのだ。

それと怖いのはロストバゲージ。飛行場で預けた荷物が現地に届かなければ、試乗会へ行きながらバイクに乗ることは非常に難しくなる。かつてどこかの海外試乗会の会場で、ポツンとつまらなそうに携帯をいじっている参加者を見かけたことがある。ロストバゲージでニューモデルに試乗できず荷物を待ちながら暇を潰している。……と事情を聞いてゾッとしたことがある。

SUZUKI_Vstorm800DE_WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

デイパックに撮影機材一式。トロリーバッグにヘルメット2個、オフロードブーツ、ラリースーツ、プロテクターを入れ、隙間に着替えを詰め込んだら、制限の23kgをほぼ使い切った。だが荷物と共に入国してしまえば、Vストローム800DEの試乗はもう目の前である。

 

実際、知り合いのライターや編集部でも海外試乗会でのロストバゲージ話は何度か聞いたことがある。とある二輪雑誌の編集部では、ロストバゲージ対策にライディングシューズは履き歩き、ヘルメットは手荷物で機内に持ち込むことを徹底しているところもあるくらいだ。

……ってなわけで、現地に着くまで何かと心労が絶えないのが海外試乗会なのだが、なんとかイタリアのローマに到着。荷物も無事受け取ることができた。さぁ、いよいよVストローム800DEの試乗だ。この新しいVストロームは相当ダート性能に拘っているらしく、試乗コースもダートセクションを長めにしているらしい。実に楽しみである!

SUZUKI_Vstorm800DE_WORLDWIDE PRESS TEST RIDE

日本から30時間以上かけてようやく試乗会場に到着。明日からはいよいよ、Vストローム800DE「WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」がスタートする。

 

つづく

 

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