スズキがイタリアのサルディーニャ島で2023年2月に開催した、「Vストローム800DE WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」に参加してきた模様を4回に渡ってレポートしていますが、なんと! 3月17日から開催された大阪モーターサイクルショーに合わせてVストローム800DEの国内モデル情報が発表になりました!

第50回東京モーターサイクルショー、スズキブースでのV-STROM800DEトークショー

2023年3月24日〜26日まで行われた第50回東京モーターサイクルショーでは、スズキブースにて「V-STROM800DEトークショー」に出演してイタリア試乗会での印象を存分に語らせていただきましたっ! スズキのオフィシャルインプレッション動画も近日アップ予定とのことですのでお楽しみに。

お買い得感たっぷりのVストローム800DEは132万円!

Vストローム800DEの発売日は3月24日なので、この記事がアップされた時にはすでに発売中。しかも価格は税込132万円とかなりのお買い得! 激戦区になりつつあるアドベンチャーバイクのミドルクラスモデルとしてはかなり頑張った値付けをしてくれました!

Vストローム800DE

国内モデル/チャンピオンイエローNo.2(メーカー希望小売価格:132万円)

 

電子制御装備がABSくらいしかないヤマハのテネレ700の2023モデルの価格が税込134万2000円であることを考えると、Vストローム800DEのこの価格は破格と言っていい。電子制御スロットルを備え、ライディングモードが切り替えられたり、トラクションコントロールを装備。しかも、“Gモード”なんていうオフロード専用のトラクションコントロールシステムを搭載していたりしてスペシャル感がものすごく強いのがVストローム800DEの強みなのだ。

Vストローム800DE

国内モデル/グラスマットメカニカルグレー(メーカー希望小売価格:132万円)

 

ただこのアドベンチャーモデル激戦区には、ホンダも同カテゴリーにXL750トランザルプというライバルを同タイミングで発表し、そこに126万5000円なんていうかな〜り戦略的な値付けをしてきたもんで、ちょっとVストローム800DEの価格のインパクトは薄れてしまっているのは否めません。……ですが、それでもやっぱり“Gモード”なんていう新規軸を提げての132万円はスタンディングオベーションものです!

Vストローム800DE

国内モデル/グラススパークルブラック(メーカー希望小売価格:132万円)

 

<主要諸元(国内モデル)> ■全長2345 全幅975 全高1310 軸距1570 シート高855(各㎜) 車重230㎏(装備)■水冷4ストDOHC並列2気筒 776cc 82ps/8500rpm 7.7kg-m/6800rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量20ℓ(ハイオク) ブレーキF=ダブルディスク R=ディスク タイヤサイズF=90/90-21 R=150/70R17

せっかくローマに来たのだから観光もしたい!!

さて、こここからは2月下旬に行われた「Vストローム800DE WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」の海外試乗記事に戻ります。「渡航編」、「オンロード編」、「オフロード編」とVストローム800DEの魅力をお伝えしてきましたが、4回目は「イタリア・ローマのバイク事情編」をお届け……というのは建前でして(笑)、その実、今回は「ローマ市街観光編」です。

ローマ市街

せっかくイタリアのローマまできたのだから市街を散策したいのだ! 本当に全ての道はローマに通じているのか? 気になるじゃない!?

 

だって、せっかく何十時間もかけてイタリアまで行ったのに……、ローマにほど近いフィウミチーノ空港で7時間ものトランジットがあるのに……、観光しないんじゃもったいないじゃない!? 世界遺産のコロッセオの一つぐらいは観光して帰りたいじゃない!?

とはいえ、今回の旅の目的はあくまでVストローム800DEの試乗(当たり前だ!)、スタッフも総勢6名での移動なので勝手な行動をして迷惑をかけたくはない。

TRENITALIA鉄道

TRENITALIA鉄道には、フィウミチーノ空港からローマの表玄関であるテルミニ駅までノンストップで行ける直通電車がある。片道40分くらいかけてしっかり鉄分を摂取!

 

ごく私的な観光要素は、Vストローム800DE試乗会の帰りのタイミングに狙いを定め、同行チームにも「ローマで時間があったら動画に差し込むイタリアらしい、コロッセオとかのわかりやすい写真を撮りに行きたいんですよね〜」なんて感じで、仕事風を装ってそのチャンスを虎視眈々と狙うのだ(笑)。

……そんな用意周到な根回しのおかげで(?)、チームは「ちょっと時間があるからローマ市内まで飯でも食いに行きますか?」的な雰囲気になってきた(笑)。よしよしっ!

TRENITALIA鉄道でテルミニ駅へ

TRENITALIA鉄道のローマ直通電車は日本の成田でいうスカイライナーみたいなもので値段は14ユーロとちょっと高いが直通だし安心。そして何よりローマ市内まで40分と最速の移動手段なのだ。

 

ちなみに僕は言語の方はカラッキシ。バイクの技術説明など、内容が予想できるような状況なら多少の英語を聞き取ることはできるが、日常会話は「コレヲクダサイ」、「ココニ、ワタシハイキタイ」ぐらいが関の山。事前にローマへの電車での行き方や切符の買い方ぐらいは調べてきたが、しゃべれて読んで理解できる同行者がいるのは大変心強い。

TRENITALIA鉄道でテルミニ駅へ

車窓から見えたローマの城壁兼水道のマッジョーレ門。ローマといえばやはり水道橋。そのうちバイクを借りてじっくりめぐってみたいもんだ。

 

駅に着いたところで、本場イタリアンレストランを探す本隊からチャオっと離脱(笑)。ひとりコロッセオ目指して歩き始める。帰りの電車までの猶予は2時間弱。美味しいイタ飯も魅力だが、初イタリアの僕は少しでも歩いてより多くのものを見たいのだ。

TRENITALIA鉄道でテルミニ駅へ

テルミニ駅に降り立ってとにかく驚いたのは、右を見ても左を見てもとにかく絵になる建物が多い。ナニかっていうと道路拡張、立ち退き、建て替えで街の景色が均一化していくどこかの国とは大違いだ。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

それにローマ市内はバイクがとても多い。道は狭いし、石畳の場所もちらほら見かけるが、東京よりもたくさんのバイクが走っている。人々の足としてバイクがちゃんと認知されているのだ。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

大通りに面した場所は時間によって路上駐車が許されており、車も多いがバイクもたくさん置いてある。日本では2006年の道路交通法改正以降にすっかり失われてしまった風景がまだ残っているのだ。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

市内にはバイク用のコインパーキングもちらほら。大抵埋まっているようだが、バイクがきちんと交通社会の中に組み込まれている。世界に誇る四大バイクメーカーを擁しているにもかかわらず、都心部にバイクで出かけても駐める場所を探すのが大変な日本とはえらい違いだ。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

公営か私営か不明の駐車場だが、車の区画があれば、その隣にはバイクの駐輪スペースもちゃんと設けられている。これはうらやましい!

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

区画がないところにもバイクが駐められている。駐禁でない場所には迷惑にならないような場所におく……という感じなのだろうか。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

イタリアンライダー発見! 「Nice Moto! Photo OK!?」と聞いたらサムアップしてくれた。ドゥカティも、ダイネーゼも、ノーランのヘルメットもココイタリアじゃ国産アイテムなのだ。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

ローマ市内はとにかくスクーターが多い。写真はヤマハのTMAXだが、見かける車種からするとやはり石畳に向く走破性の高いハイホイール系のスクーターが人気のよう。

ローマは1日にして成らず。しかし成ったらとりあえず2000年は残った!

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

テルミニ駅から西へ歩くこと数十分。目の前にコロッセオ、円形闘技場が現れた。約2000年前の建物というからもう少し小さいような印象を持っていたが予想より遥かにデカイ(笑)。

ローマ式コンクリートで建てられているのだが、鉄筋工法のない時代によくこれだけの大きな構造物が作れたモンだと感心!

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

コロッセオの中に入るには別途チケットが必要で、相当混んでいるうえに当日券は完売っぽい。今回は外側をぐるりと回れただけで十分。しっかりとした観光はまたの機会にとっておくことにしよう!

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

人の大きさを比べるとコロッセオの大きさがよくわかる。高さ48mとのことだが、2000年前の建物がこの高さでよく崩れないもんだ。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

あまり見かけないコロッセオの裏側。発掘作業なのか補修工事なのか、何かの作業をしている雰囲気。やはり観光写真でよく見かける表側(?)の方が映えるね。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

コロッセオのすぐ横にある市民広場の遺跡・フォロ・ロマーノも“外から”チラ見。チケット売り場の前で、「ここまで来たのになんてこった!」という感じで英語で騒いでいる観光客の反応で、こちらももう当日券は売り切れているのを察した。

 

いやぁ、満足満足! 2時間足らずの散歩だったがコロッセオもフォロ・ロマーノにも行けたし、何より街歩きが楽しかった。イタリアというと、スリが多いとか治安が悪いというイメージがあり、「イタリア人を見たらナントカと思え」なんて言葉も聞いたことがあるけど、それこそ案ずるよりナントカって印象だ。確かに、テルミニ駅からコロッセオに直行すべく、最短の路地裏に入った時には、「東洋人が入ってくんじゃねーよ!」的な感じで威嚇されてビビったが、起こったトラブルといえばその程度。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

日本でも人気のアドベンチャーバイクだが、海外でもやっぱり流行っていることを実感。写真のアフリカツインにヤマハのトレーサーシリーズ、Vストローム1050(しかもXTじゃない!)も見かけた。

 

それにやはりというか自分の目で見てようやく納得できたのは、世界的なアドベンチャーバイクのブーム具合だ。旅好きな日本人がアドベンチャーバイクに憧れるのはなんとなくわかるのだが、海外でも本当に流行ってるの? なんて半信半疑だったのだが、イタリア本土でもサルディーニャ島でも、結構な数のアドベンチャーバイクを見かけることになった。


まぁ、スズキさんもニューモデルの登場に合わせて「WORLDWIDE PRESS TEST RIDE」をカタナの登場時(2019年)以来久方ぶりに開催して、世界13ヶ国から媒体関係者を集めるくらいなのだから当たり前といえば当たり前なのだが、どうも自分の目で見て肌で感じないと納得できないタチなのだ(笑)。

テルミニ駅から徒歩でコロッセオへ

コロッセオから駅に戻る途中、ちょっと時間に余裕がありそうなので遠回りして路地裏探索。なんだかどこを切り取っても絵になる街並みである。電車の乗り方も覚えたし、いずれ観光メインでゆっくりまわってみることにしよう。

 

というわけで4回にわたってお送りしてきた「イタリアでスズキのVストローム800DEに乗ってきた!」もこれにて終了。長々とお付き合いいただきありがとうございました!  僕自身数年ぶりの海外だったわけですが、ようやく日本でもマスクの制限がなくなるなど、コロナ騒ぎも収束してきた感じ。いずれ観光メインでイタリアに来るときは、バイクを借りていろいろゆっくり回ってみたいな。

 

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イタリアでSUZUKIのV-STROM800DEに乗ってきた! Vol.1 -渡航編-

イタリアでSUZUKIのV-STROM800DEに乗ってきた! Vol.2 -オンロード編-

イタリアでSUZUKIのV-STROM800DEに乗ってきた! Vol.3 -オフロード編-

イタリアでSUZUKIのV-STROM800DEに乗ってきた! Vol.4 -ローマのバイク事情編-

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