ジャパンモビリティショーの注目モデルは?
こんにちは青木タカオです。Japan Mobility Show/ジャパンモビリティショー2025(プレスデー10月29日~30日、一般公開日10月31日~11月9日)に向けて、各社が出展概要を発表しております。今回はバイクファンとして、二輪車にクローズアップ致しましょう。
ホンダは『CUV e:(シーユーヴィー イー)』や『Rebel(レブル)1100 S Edition Dual Clutch Transmission』を展示します。
CUV e: は、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を動力用電源に採用した原付2種クラスのEVコミューターです。
ホンダは2025年6月20日に発売する直前、メディア向けの試乗会を開きました。出力モードを備えていて、最もパワフルなSPORTにすれば、発進加速はガソリン車以上。実用速度域である50km/h前後なら、電動だからというネガな部分は見当たりません。
よりスピードが上がっていくと、内燃機エンジンの伸びというところで差を感じるのではないでしょうか。
気になる航続可能距離は60km/h定地走行で57km、実際の走行条件に近いWMTCモードでは70km以上(欧州届出値)となっています。
興味深いのはバッテリーを交換式としていること。ENEOSと国内2輪車メーカー4社(ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキ)で設立したGachaco(ガチャコ)のバッテリー交換ステーションを利用することで、バッテリーを自宅などで充電するだけではなく、出掛けた先で即座に交換するという仕組みを構築し、導入されているのです。
試乗会ではこれを体験することができました。ICチップ入りの認証キーをセンサーにタッチすれば、ステーションを利用でき、空きスロットに使用済みのバッテリーを差し込めば、充電済みのバッテリーが発光で案内され、受け取ることができました。
画期的と言えるシステムで、ネットメディアなどで記事にした際も反響が大きくありました。CUV e:の展示は、そういった点でも注目度が高いと言えるでしょう。
レブル1100 Sエディションは、ヘッドライトカウルをはじめ、重厚感を演出するフォークブーツやラジエーターサイドカバー、スタイリッシュなバーエンドミラー、フロントにショートフェンダー、ダイヤモンドステッチ風ワディングが施されたシートを標準装備しています。
2つのクラッチ機構が奇数段と偶数段を分担して自動で変速を行うデュアルクラッチトランスミッションは、クラッチレバーが備わっておらず、つまりAT限定免許でも運転できます。
リラックスしたライディングポジションで、シート高710mmと足つき性に優れることから乗り手の体格を選びません。もし展示車両が跨がれるのなら、ぜひその気軽な乗車姿勢を体験してみてください。
あの新型もきっと出てくる!
これを書いている時点では発表されていませんが、きっと激アツのニューモデル『CB1000F』および『CB1000F SE』も姿を表すのではないでしょうか。
今春のモーターサイクルショーで公開し、「往年のCB750Fの復活」と話題となった新型ですから、目の当たりにしたいファンは多いはず。
CB1000Fが139万7000円で2025年11月14日に、2026年1月16日にビキニカウルやグリップヒーターなどを装備するSEが159万5000円で発売されます。
より進化したモトロイドに会える
ヤマハは近未来を予感させる展示に注目です。自立してライダーに歩み寄る『MOTOROiD(モトロイド)』が初登場したのは2017年のことでした。ヒトとマシンが呼応し合う進化版『MOTOROiD2(モトロイド2)』を2023年に発表。
今回はAI技術によって学習し、自ら成長するモビリティ『MOTOROiD:Λ(モトロイドラムダ)』が登場します。仮想環境で学習し、Sim2Real技術により現実世界での動作を実現。モビリティが独立した思考を持つことで、ヒトと共に成長し合える新たな関係性への一歩を踏み出すのです。
「モビリティ×強化学習による運動制御」という未開拓の領域に踏み込み、二輪の世界を刷新し、まったく新しい未来を創るヤマハから目が離せません。
YZF-R系のデザインを持つ車体に、大型バッテリーを搭載する『PROTO BEV(プロト バッテリー イーブイ)』も見るのが楽しみです。
EVならではのリニアなスロットルレスポンスと力強くスムーズな加速性能が融合すれば、スポーツライディングの領域も大きく変わっていくはず。走りに集中できるHMI(ヒューマン‐マシン・インターフェイス)を実装しているのも、このセグメントへのヤマハの意気込みを感じさせます。実車で詳細をじっくり見て確かめたいと思っています。
水素エンジン搭載二輪車の社会実装を目指し、トヨタと共同開発中のコンセプトモデルが『H2 Buddy Porter Concept(エイチツー バディ ポーター コンセプト)』です。
モーターサイクルへの搭載に適した小型の高圧水素タンク(認可取得済)をトヨタ自動車が新規開発し、ヤマハが主に水素エンジンや車体等を開発しています。
水素満タン時の航続距離は実測で100km以上。カーボンニュートラルの実現に向けた選択肢のひとつとして、期待が膨らむコンセプトモデルです。
すぐにでも発売して欲しいMT顔のハイブリッド
ハイブリッド版「MT-09」とも言えるフロントマスクで、スポーティな走りと高い環境性能を兼ね備える。エンジンとモーターの駆動を切り替えることができる『PROTO PHEV(プロト プラグインハイブリッド イーブイ)』は、今すぐにでも発売して欲しいと感じさせます。
大型スポーツモデルにおける内燃機エンジンの生き残りが、これなら可能性十分なのではないでしょうか。
MT顔のハイブリッド イーブイは『PROTO HEV(プロト ハイブリッド イーブイ)』もあります。電動モーターと内燃機関を効率的なパッケージング技術で統合し、都市部では静かで落ち着いた走行を、郊外では力強く信頼感の高い走りを実現。“Fun to Ride”と優れた環境性能を両立しながら、同車格比で燃費を35%以上も向上するというから驚異的です。
大人気のR9は!?
新型の『TRACER9 GT+Y-AMT』や、市販予定車としてモーターサイクルショーに登場した『Fazzio(ファツィオ)』も展示されることがヤマハから発表されていますが、大人気の『YZF-R9』もブースに出現するのではないでしょうか。
排気量888cc水冷4ストロークDOHC直列3気筒4バルブのCP3エンジンを搭載した新型スーパースポーツモデルとして2024年10月、全日本ロードレース最終戦・鈴鹿サーキットのヤマハファンブースにて一般公開すると、瞬く間に話題沸騰。
欧州および北米で先行デビューし、日本へも2025年春以降に導入するとファンが待ち続けていましたが、ついに2025年10月30日に発売が決定しました。
価格は149万6000円。いかに、欲しい人が首を長くして待っていたか、わずか数日で受注数が生産上限数に達することになっています。実車を見たい人は少なくないはずで、ヤマハブースに期待がかかります。
まだ、ホンダとヤマハ2メーカーの青木タカオ個人的注目モデルを挙げてきただけですが、だいぶ長くなってしまいました。
カワサキとスズキはまた次回にいたしましょう。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
■Japan Mobility Show 2025
主催:一般社団法人 日本自動車工業会
会期:プレスデー 10月29日~30日/一般公開日 10月31日~11月9日
会場:東京ビッグサイト(江東区・有明)