伝統感じる展示に感涙!!
「ワクワクする未来を、探しに行こう!」をコンセプトに、新型車から未来のモビリティまで、まだ見ぬ将来にワクワクする体験を提供するのが『Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー)2025』(10月30日~11月9日/東京ビッグサイト)です。
そんな中、ボクはカワサキブースのステージ上ど真ん中に展示された『650-W1』(1966年)にワクワクしてしまいました。
未来のモビリティにももちろん興味津々ですが、60年前のバイクにワクワク! こんにちは、青木タカオです。
ここでは3回にわたって、ジャパンモビリティショー2025に展示されるバイクの見どころを開催前の情報からお伝えしてきました。
あるに違いないぞCB1000F&YZF-R9! ジャパンモビリティショーに期待大!!
DR-Z4S/SMやGSX-8T/TT、電動バンバンなどジャパンモビリティショーはスズキが激アツ!
ジャパンモビリティショーではカワサキブースが見逃せない! なんと1966年初代W1が出てくる
こうして予習しておいたので、開発担当者にどんなことを聞こうかなど取材の準備もできて、各メディアへの速報記事など、比較的スムーズに執筆することができました。
電動だったり水素、AIを活用して自律走行する未来の乗り物たちが勢揃いする中、「伝統と革新」とテーマを掲げ、初代『650-W1』がセンターを務めるカワサキには「あっぱれ!」と言いたいです。
Wシリーズ生誕60周年の節目とのことで、1971年式『W1SA』に乗るボクとしては、とても嬉しい展示でした。

なんと言っても歓喜したのは、カワサキモータース伊藤社長のプレスカンファレンス(報道記者会見)。一般公開前のプレスデーに開かれるのですが、そこで「Wが無ければ、Zもニンジャも生まれなかった」「このW1からカワサキの大型モーターサイクルの歩みが始まりました」と、『650-W1』を紹介したのですから、もぉ〜たまりません!
思わず、「よくぞ、言った!」と合いの手を入れたくなりました。ダブワンを30年以上、大事にしてきたオーナーとしては、なんだか勝手ながら誇らしい気持ちになり、こうしてあっちこっちで自慢しているのです。
造船を起点に川崎重工業の礎を築いた創業者
伊藤社長の言葉や、ボクのWEB記事などを読んで、「ふ〜ん、そうなんだ、アオキくん」なんて、言葉をかけてくれようものなら、ハナシは長くなりますので、覚悟してください。
川崎重工は創業者・川崎正蔵が東京・築地に「川崎築地造船所」を開設したのが、はじまりでした。創業1878年(明治11年)ですから、とても歴史のある会社なのは有名なところです。
1896年(明治29年)に「川崎造船所」として株式会社化。その後、鉄道車両、航空機、産業機械などへ事業を拡大してきました。
川崎航空機工業の発動機事業部から独立し、「明発工業株式会社」が設立されたのが、1953年(昭和28年)のことでした。
2ストローク単気筒エンジンを搭載する『メイハツ125B7』を発売したのは1955年(昭和30年)。1960年(昭和35年)には川崎航空機が明発工業を吸収し、二輪開発・生産体制を強化します。
1961年(昭和36年)にはカワサキ自動車販売株式会社に社名を改称。『カワサキペットM5』をリリースしています。
そして1962年(昭和37年)、株式会社カワサキメグロ製作所に名を改め『125B8』が発表されました。
大型車が登場するのは、1965年(昭和40年)の『カワサキ500メグロK2』からです。それまでは、小排気量モデルがメインだったので、今とはずいぶんイメージが違うのではないでしょうか。
メグロ、つまり目黒製作所と業務提携したことが大排気量車を生産するターニングポイントとなっているのです。
川崎航空機工業とメグロが業務提携したのは1960年(昭和35年)。目黒製作所の主力モデルには『スタミナK1』(空冷並列2気筒4ストロークOHV500cc)がありました。
『カワサキ500メグロK2』(1965年/昭和40年)は、スタミナK1をベースに川崎航空機工業が改良したモデルです。
そして、1965年(昭和40年)の東京モーターショーで発表されたのが『X650』、翌年に発売される『カワサキ650 W1』なのでした。
K2のエンジンを排気量アップした初代W1は、メグロの伝統を受け継ぐバーチカルツインを心臓部としています。
北米市場向けに『SUPER4(Z1)』がデビューするのは1972年(昭和47年)のことですから、W1誕生はそのずっと前の出来事。カワサキビッグバイクの礎を築いたのは、紛れもなくWシリーズというわけです。
何度もその姿を拝んだ!
ボクはこれを何度も胸を張って言い続けるものですから、「やかましいわー」とうっとうしく感じられることもしばしば。
実際のところ、中古車市場では「W」より「Z」の人気が圧倒的に高く、煙たがられたところで反論の余地はありません。
しかし、ここでもしつこくてすいません。伊藤社長は「Wが無ければ、Zもニンジャも生まれなかった」「このW1からカワサキの大型モーターサイクルの歩みが始まりまし」と、はっきりと言ってくださいました。
壇上のボードには、その言葉がそのまま掲げられているではありませんか。
ボクはジャパンモビリティショーの取材中、何度も繰り返しカワサキブースに足を運んでは、初代ダブワンとそのキャッチフレーズを眺めてはニタニタしていました。
ジャパンモビリティショーは11月9日で終了します。もしまだご覧になっていない人は、ぜひステージのセンターに立つ初代W1を見てくださいね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。伊藤社長の記者発表は、嬉しくて動画にも収録しておきました。







