お気楽ゴクラクな1980年代から生真面目な1990年代へ。単気筒(2ストも!)からパラツイン、インライン4やV4(!)まで、ある意味日本のお家芸的エンジンをチョッパーライクな車体へサクッと搭載したジャメ……いやアメリカンバイクは市場が成熟するに従い、より本物志向へとシフト「Vツインにあらずんば~」な同調圧力の前に「レブル」は風前の灯火!?

1985年型レブルスペシャル

●やはり初代、1985年型ホンダ「レブル スペシャル」からしか摂取できない栄養はございますな〜。イケイケドンドンやて(byホンダ圭祐)な時代だったからこそのハチャメチャっぷりに我々も諸手を挙げて感応&興奮したものです。そんな「昭和レブル」は圧倒的な支持を得て平成の世も元気に駆け抜けていったのですが、だんだんと状況が怪しくなっていき……

 

ホンダ・レブルという傾奇者!【その4】はコチラ!

 

ホンダ・レブルという傾奇者!【その6】は今しばらくお待ちください m(_ _)m

 

アメリカ的な自由の象徴を手軽に味わえる存在として……

 

まぁ、いろいろ諸説異論☆反論はあるでしょうけれど(^^ゞ、ごく普通の一般ピーポー的には米国ハーレーダビッドソンが確立したと認識されているクルーザー=Vツインという図式。

ファットボーイ_2026

●いやぁ、痺れるカッコよさですなぁ。こちらは2026年型ハーレーダビッドソン「ファットボーイ」。実のところ「クルーザーと言ったらVツインエンジンでしょ!」との風潮は、今より1990年代のほうが盛り上がっていた印象があります。まぁ、その要望に応えるだけの余力が日本メーカーにまだあったからこそ……というのが正しいのかもしれませんが(涙)

 

 

ロー&ロングな車体に2つのシリンダーが前後Vの字に並んだゴリッパな心臓がドン!と鎮座するスタイリングは、やはり常にライダーにとって羨望の的となっておりました。

いらすとやハーレー

●いつもお世話になっているいらすとやさんで「アメリカンバイクに乗る人」として配布されているイラスト。このイメージが強いですよね

 

 

そんなムードの漂うなか1985年に登場して一躍大ヒットを記録したホンダ「レブル」は、ご存じのとおりパラレルツイン(並列2気筒)エンジン。

●初代「昭和レブル」こと1985年型……。やはり何度見ても秀逸なデザインですね。ティアドロップタンク下に位置する空冷パラツインの存在感も大したもの(このアングルだと単気筒に見えちゃいますが(^^ゞ)。長い歴史を持ち開発費の回収が終わった(?)エンジンゆえに33万9000円(スペシャルは1万円高)というお手頃価格も実現でき、こちらも大ヒットの要因になりました〜

 

目が肥えてくると本物(っぽいの)が欲しくなるもの!?

 

長年積み上げてきた実績を持つがゆえの信頼感とリーズナブルさを誇り、かつ必要にして十分な走行性能も確保されていたのでホンダ「レブル」は大いにウケた……のですけれど、そこにはやはり「250クラスなんだからハーレーみたいなVツインエンジンなんて無理だよね」といった諦観が少なからずあったことは否定できない事実。

 

 

駄菓子菓子! 

 

 

そこへホンダにとって不倶戴天の敵、ヤマハが1988年デビューの「XV250ビラーゴ」向けに空冷Vツインエンジンをわざわざ新規開発してブツけてきたのですからアラ大変!

XV250ビラーゴ_1988

●1988年型ヤマハ「XV250ビラーゴ(フラットハンドル仕様)」。正直言って248㏄空冷4ストV型2気筒(シリンダー挟み角60度)OHC2バルブエンジンを新規に開発しての38万9000円は対レブル打倒に向けた採算度外視のスーパー戦略的本来ならありえへん価格設定だったのではないかと……

 

 

250クルーザーの勢力図大きく変化していきました。

 

 

以降、「レブル」も矢継ぎ早にマイナーチェンジを繰り返したものの劣勢は明らか……。

レブル1994年型

●1994年型ホンダ「レブル」(税抜き当時価格41万8000円)は、よりらしくするため右側2本出しマフラーを採用。なお、ハーレーのショベルヘッドを彷彿させるようなエンジンカムカバーは1990年モデルで導入済み

 

 

かくいう状況下だった1994年6月に市場へ舞い降りたのが、ホンダのリーサルウェポン「V-ツイン マグナ」だったのです!

1994年型Vツインマグナ

●1994年型ホンダ「V-ツイン マグナ」。正直、Vツインエンジンとはいえシリンダー挟み角90度というのは非常にらしくないのですけれど、空冷と見紛う冷却フィンやピカピカと輝くエアクリーナーカバークランクケースカバーへ目が行ってしまい違和感は大幅減。リヤのディッシュホイールに右側2本出しショートタイプメガフォンマフラーも斬新でした。シート高はレブルより30㎜高い690㎜、車両重量はレブルより29㎏重い183㎏でしたが扱いやすさは抜群! 税抜き当時価格は53万9000円と同年式「レブル」より12万円以上高かったのですけれどロットオブユーザーの感心はコチラ側へ……

 

「そのVツインエンジンを持ってきたかぁ〜」という驚き!

 

 

もう、車名からしてVツインエンジン搭載車であることを主張するイヤらしさ(^^ゞ

 

 

あの2スト「RZ250」に4ストで戦いを挑んだ「VT250F」(1982年登場)に端を発するスーパースポーツ向けエンジンを「ここで使うかぁ~!」と、

1982年型VT250F

●1982年型ホンダ「VT250F」。1980年に35馬力の水冷2スト並列2気筒エンジンを引っさげ登場し、大ヒットを記録していたヤマハ「RZ250」を4ストエンジンで打倒すべく開発された革新のスーパースポーツ。一次振動を理論上ゼロにするシリンダー挟み角90度の248㏄水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブエンジンは1万1000回転でRZと同じ35馬力を発揮! 

 

 

筆者が当時在籍していた八重洲出版モーターサイクリスト編集部のスタッフ一同、大いに驚き、のけぞった記憶が鮮烈に残っております。

驚きイラスト

●2スト全盛だった世界グランプリ500㏄クラスに4ストで殴り込んだホンダ「NR500」。その2分の1エンジン!?という触れ込みで大いにイメージアップを果たした「VT250F」。そんな猛き心臓がクルーザーにぃいいッ???

 

 

しかしながらよくよく考えてみれば、非常に合理的な判断

 

 

デビュー当時は超高回転高出力な心臓として鳴らしたシリンダー挟み角90度のV型2気筒エンジンも「VT250スパーダ」や、

VT250スパーダ

●1988年12月、あのアイルトン・セナ氏を宣伝キャラクター(!)にして登場したホンダ「VT250スパーダ」。度重なる改良により43馬力/1万2500回転まで出力向上していたVツインエンジンは、40馬力/1万2000回転へと仕様変更。スチール製に較べ軽量・高剛性化が図れると同時にデザインの自由度を大幅に高められる世界初のアルミ鋳造中空一体構造の二輪車用フルキャストフレーム〈CASTEC(キャステック)〉を採用したことでも有名ですね

 

 

「ゼルビス」といった時代の要望に応えるモデルに則した改良が続けられていたことにより、扱いやすさ抜群のパワーユニットへと進化……。

ゼルビス_1991

●1991年10月にデビューしたホンダ「XELVIS(ゼルビス)」。エンジンはさらに臨機応変さを増すべく36馬力/1万1500回転というスペックへ。筆者も数々の取材で乗らせていただいたのですが、いやもう本当にナイスなバイクでございました。ハーフカウルで高速巡航も楽だわシート下に7ℓもの容量を誇るスペースがあるわ燃費がいいのにタンクは16ℓも飲み込むわ……。なぜ大ヒットしなかったのだろう??? レッドバロンに在庫があれば是非〜

 

43馬力→27馬力となりクルーザーとして最適なエンジンへ!

 

そちらをさらに「V-ツイン マグナ」用へ大幅にモディファイすることで、ライバルとはちょっと次元の異なるフレキシブルさと鼓動感まで獲得してきたのですから驚きもひとしおだったのです。

Vツインマグナ_1994

●1994年型ホンダ「V-ツイン マグナ」。エンジンの最高出力こそ27馬力/1万回転となったのですがクランクの慣性マスを大幅にアップさせるとともに低速トルクを重視した出力特性とし、ギヤレシオを一新した超ワイド5速ミッションも採用また、90度V型2気筒ゆえ一次振動は抑えつつ二次振動はすべて取り除くのではなく、ライダーにとっての解放感・快適性に寄与する振動はあえて活かす方向性が与えられていました。実際、のんびりトコトコも走れるのですけれど、いざとなればしっかり回せて峠攻めも楽しめました(^^ゞ

 

 

果たして「V-ツイン マグナ」は以降、生産終了となる2007年モデルまで大ヒット街道をばく進していき、250クルーザー界を牽引していきます。

Vツインマグナ

●2003年にはタンクに大胆なストライプを施したパールクリスタルホワイト塗色も登場(写真)。なお、1996年にはフロントにもディッシュホイールを採用した「V-ツイン マグナS」もラインアップされたりしました(1999年モデルで再び統合)

 

カワサキもスズキも250㏄Vツインクルーザーを投入ッ!

 

つられるかのようにカワサキも1998年に「エリミネーター250V」を

エリミネーター250V

●ぶっちゃけ筆者的には「V-ツイン マグナ」より衝撃的だったのがカワサキ「エリミネーター250V」でした。40馬力を誇った並列2気筒の「エリミネーター250」シリーズがまさかの完全新設計、最大出力38馬力を1万3000回転で発揮する(のちに35馬力/1万2500回転へ変更)249㏄水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブエンジン搭載車に生まれ変わるとは……! 結局、写真の1998年型から2007年モデルにかけて販売され続けた痛快な運動性能がウリのスポーツクルーザーだったのです

 

 

1999年にはスズキが「イントルーダーLC250」を

イントルーダーLC250

●ホンダ、ヤマハ、カワサキがバトルを繰り広げていた250㏄クルーザー戦線を(なぜか)静観していたスズキながら1998年に突然、空冷シングルの「マローダー250(125も!)」をリリースし、翌1999年には写真の「イントルーダーLC250」を連続投入! 248㏄空冷4ストV型2気筒OHC3バルブエンジンは24馬力/8000回転のパフォーマンス。マローダー同様125モデルも存在(!)していましたが、そちらは残念ながら輸出専用モデルでありました

 

 

2000年にヤマハは「ドラッグスター250」をリリースし、

ドラッグスター250

●世紀末、400㏄クラスで長らく君臨していた横綱クルーザー、ホンダ「スティード400」シリーズを見事うっちゃったヤマハ「ドラッグスター400」シリーズ。そのデザインテイストを250へと反映させた「ドラッグスター250」が2000年6月に登場しました(写真)。「XV250ビラーゴ」譲りの空冷Vツインエンジンは23馬力(のちに20馬力)というトコトコ系で、ヤマハらしいイカしたスタイルは女性にも大ウケ……。小変更を受けつつ2017年モデルまで販売が続けられるというロングセラーに!

 

 

国産メーカー四つ巴250Vツインクルーザーバトルが繰り広げられていきます……。

 

 

ん? この項の主役「レブル」はどうなったのか? 

 

 

前述のとおり1994年2月に右側2本出しマフラーになるほかの仕様変更を受けたあと、1996年2月にミラーステーの形状が変わるなど小さな小さな変更を受け、これが最終型に……。

1998年型レブル

●日本における初代ホンダ「レブル」の歴史は、この1996年型で終了……(北米では2016年モデルまで継続ゥ!)。終盤戦こそ自軍の「V-ツイン マグナ」を含めVツインクルーザー軍団に追い込まれた感はありましたが、記録にも記憶にも残る存在だったことは間違いありません。とはいえ、約20年もの空白期間を経て「レブル」ブランドが再び浮上してくるとは思ってもいませんでした!

 

 

嗚呼、てやんでぇ!な反逆者もVツインエンジンを求める風潮には敵わなかった。

 

 

これで永遠のお別れ……と思っていたら、約20年もの眠りから覚めて2017年に新生「レブル250」(と「レブル500」)が大復活~ッ! 

レブル250

●2017年型ホンダ「レブル250」。復活するとの第一報を聞いたときは「へ? レブル? マジで?」と耳を疑ったもの。しかも250はシングルで兄貴分の500がパラレルツイン??? ……新生レブルシリーズは良くも悪くも現在のバイクシーンを象徴する存在だとも言えるのです

 

 

次回は、そこへ至った背景までをニギニギしくお届けいたしましょう!

 

 

あ、というわけで新旧「レブル」はもちろんVツインエンジンを積んだライバルたちは趣深い鼓動感とともにロングランが楽しめる仕様が自慢。レッドバロンが誇る『5つ星品質』中古車なら保証や交換パーツの心配なし! 日本を網羅する巨大ネットワークで事故や故障への対応も万全ですから、お近くの店舗でアナタだけの「鉄馬」を探しましょう!

 

 

ホンダ・レブルという傾奇者!【その6】は今しばらくお待ちください m(_ _)m

 

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