友人・知人にオススメのバイクショップを聞かれた時、あなたならなんと答えますか?
私(高木)なら、迷わず「レッドバロン」。
その理由はいくつもありますが、特に知ってもらいたいのが「中古車の品質の高さ」や「アフターサービスの手厚さ」です。
今回の記事では、そんな品質の高さを支えている「レッドバロン本社工場」に潜入取材してきました。
絶版車の純正パーツをストックしているって本当?
本社工場ではどんな作業が行われているの?
そんな疑問にお答えします!!
Contents
レッドバロンを支える本社工場
やってきたのは、愛知県岡崎市にあるレッドバロン本社工場です。
おなじみの真っ赤なマークと「RED BARON」の文字が屋根に掲げられたエントランスが出迎えてくれました。
これからどんな発見が待っているのか…ワクワクしますね!
工場のお仕事をご紹介する前に皆さんに見ていただきたいのが、こちら。緑色のラックがズラリと並ぶ、2階建ての巨大な倉庫です。

ここに収納されているのは、なんと全3,700車種・60万点以上のバイクの純正パーツ!
しかもその多くは、すでにメーカー絶版となり入手が難しくなった貴重なものばかりです。
オーナーであれば喉から手が出るほど欲しくなるような、まさに宝の山ではないでしょうか。
これらのストックパーツは、レッドバロンで販売される中古車の整備や、会員の車両を修理する際に使用されています。
つまりレッドバロンで中古車を購入すれば、絶版車であっても安心して乗り続けられる環境が整っているのです。
「まるで新品」なパーツの秘密
レッドバロンの中古車とアフターサービスの質を支えている、本社工場の純正パーツ。
実は、これらのパーツは新品をストックしているわけではありません。
それなら一体どうやってこれほどのパーツを手に入れているのかというと…その入手方法は、廃車となった中古バイク(ダメージ車)。
例えばヤマハ『VMAX』の場合、車体を構成するパーツは1691点。

もちろんダメージの状態・損傷個所によってはすべてのパーツを使えるとは限りませんが、これらを検品・クリーニング・加修したものこそが、レッドバロンのストックパーツの正体なのです。
しかし読者の中には、リサイクルパーツの品質を不安に感じる人もいるかもしれません。
──大丈夫。そんな心配は不要です。
ということで、ここからはパーツがどのようにリサイクルされていくのか。実際の工程を追いながら、レッドバロンの中古車の品質の秘密に迫っていきましょう。
レッドバロン本社工場のお仕事
ザックリと説明すると、純正リサイクルパーツができるまでの工程は以下の通り。
ダメージ車両の性能チェック
↓
分解・素材回収
↓
クリーニング(磨き)
↓
必要に応じて修理(加修)
↓
パッケージング
↓
ストック
こうして並べるとシンプルで単純に見えますが、それぞれの工程に「プロフェッショナル」と呼ぶべき職人技がギュッと詰まっています。
各工程の現場でどんな作業が行われているのか、いよいよ詳しく見ていきましょう!
ダメージ車両の性能チェック
まず訪れたのは、「エンジンチェック室」とその周辺エリア。たくさんのバイクが並んでいます。
よく見るとどの車両も何らかの損傷があるように見えますが、修理の順番を待っているワケではありません。
そう、ここに並ぶバイクこそが、リサイクルパーツの「素材」となるダメージ車。
「少し直せば乗れそうなのに、分解するなんてもったいない」と思うかもしれませんが、実は見た目からでは分かりにくい深刻なダメージを抱えている車両が多いのです。
1台を無理に修理するよりも、部品として再活用することでより多くのバイクを修理できる。
…そんな広い視点からバイク修理のサイクルを回せるのは、日本最大級の規模を持つレッドバロンのネットワークがあるからこそですね。
とはいえ、もちろんやみくもに全部の部品を回収しているのではありません。
ここへ運び込まれたダメージ車は、すべて技術者によるチェックを受け、そのうえでリサイクル可能なパーツだけを選別・回収しています。
チェックの際には、全国のレッドバロン店舗にも導入されている『コンピュータ総合診断機 ACIDM』を使用。出力・ブレーキ性能・ホイールアライメント・スピードメーターの動作などを丁寧にチェックしています。
ちなみに…ダメージ車両はタイヤが回らないケースもあるため、本社工場のACIDMには全国で唯一吊り下げ用リフトが設置されている点が特徴です。
分解・素材回収
チェックが終わったダメージ車は、次の工程である「分解・素材回収」へと進みます。
ここでは文字通りバイクをまるごとバラバラに分解して、使えるパーツをすべて取り外していきます。
1台を分解するのに必要な時間は、だいたい3時間~1日ほど。
回収されるパーツはナット・スイッチといった小さなものから、ハンドル・マフラーといった大きなものまで様々。
絶版車にとってはひとつ欠けるだけで修理ができなくなるような、貴重なものばかりです。
クリーニング(磨き)
回収したパーツには経年劣化やダメージなどによる傷・汚れが付いているため、まずは「クリーニング(磨き)」の作業へと進みます。
ここでは外装の錆び・凹み・小傷の修繕に加え、ガソリンタンク内部に溜まったゴミ・錆びといった異物の除去などを行います。
ただ単純に洗って磨くだけの作業かと思ったら大間違い。
金属や樹脂など、それぞれの材質に適した溶剤や技術が必要となるため、熟練の技が欠かせません。
その仕上がりは、クリーニング作業のビフォー・アフターを見比べてみると一目瞭然。

ビフォーでは錆や油汚れが付着してくすんでいたパーツが、アフターではまるで別モノのようにピカピカです。
せっかくパーツをリサイクルしても、オーナーに愛着を持って乗ってもらえるクオリティでなければ意味がありません。
丁寧に根気よくパーツと向き合う職人がいるからこそ、レッドバロンのリサイクルパーツは高いクオリティを保っているのです。
修理(加修)
クリーニングが終わったパーツは、次の「修理(加修)」作業へと向かいます。
パーツごとに作業内容が大きく異なるため、ひとつずつご紹介していきます。
エンジン
レッドバロンには、エンジンのオーバーホールを専門に行う部署があります。
ここで扱うのは、リサイクルパーツ用のエンジンだけではなく、全国の店舗から依頼された商品・客注車両のエンジンも含まれています。
その数なんと、年間600台分というのだから驚きです。
作業内容は、パーツ交換や清掃といった一般的なオーバーホール作業だけではありません。

例えば、バルブホールの調整による密閉性の改善や、破損したエンジンフィンの補修など、通常であれば不可能とされるような作業もお手の物。
「レッドバロンでしかできない」と言い切れる、最高レベルのメンテナンスを行っているのです。
ちなみに、この部署では独自にエンジン専用の倉庫を持っています。
そこではシングル・Vツイン・ボクサーなど、あらゆる種類のエンジンが約9000機も保管されており、使用される日を待っているのです。
キャブレター
絶版車を修理するにあたって欠かせないもののひとつが、キャブレターの修理技術です。
キャブレターといえば、内部まで手を入れることが難しいパーツ。
しかしレッドバロンでは、不調の原因を突き止めたうえで分解・修理をする技術を持っています。
原因究明の際には、バタフライバルブをはじめとした各部の密閉性を測定器でチェック。
感覚ではなく数値で状態を確認することで、精度の高い修理ができるのです。
さらに修理の工程では、破損した部品を自社で製作して補う技術も完備しています。
例えば、折れたフロートピンの支柱を再生する技術。
ポッキリと折れた根元を整え、金属製の部品を取り付けることで支柱が復活しました。
まるで虫歯の治療のように、元の機能を持つ形へと再生することができるのです。
このほかにも、樹脂製のホースフィッティングを金属製パーツで補うなど、純正同等の性能を取り戻せるのがレッドバロンの強み。

修理用の細かなパーツは分類して保管され、それぞれ微妙な調整を加えながら使用するのだそう。
非常に高度な技術が必要な修理なのですね。
リアサスペンション
キャブレターと同様に、一般的には非分解パーツとされるのがリアサスペンション。
路面からの衝撃を吸収する重要なパーツで、不調となると乗り味が悪くなるだけでなく、最悪の場合は操作不能になる危険もあります。
レッドバロンでは、このサスペンションも分解してオーバーホールを行い、本来の性能を取り戻すことができます。
今回は実際の分解作業を見学させてもらいました。
まずはスプリングを外し、手慣れた手つきでダンパー内のガスを抜いたら、ロッドを取り外していきます。

オイルを取り出してみると、量が減っている上に白く濁っていました。
これでは本来の性能を発揮できなかったはずです。
最後にロッドを分解したら、サスペンションの分解作業は完了。

複雑な構造にもかかわらず、プロの手にかかれば10分足らずでバラバラになりました。
この後、各パーツは洗浄・交換を経て再び組み立てられ、リサイクルパーツとして新たなサスペンションへと生まれ変わります。
次回へ続く!
ここまでレッドバロン本社工場での作業をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
「想像以上に専門的な作業だった」「純正パーツが使い続けられるのは嬉しい」なんて感じてもらえたら、嬉しいです。
次回の記事では、引き続き本社工場の見学レポートをお届けする予定です。どうぞお楽しみに!
