2017年4月17日、遂に(日本市場では)約20年ぶりの大復活を遂げたホンダ「レブル」……ですが、今回は250だけでなく大型二輪免許が必要な500もそろってデビュー! 世界中で趣味性の高いバイクへ猛烈な逆風が吹き荒れるなか、コスト管理を徹底しつつ幅広いユーザー層へ受け入れてもらえるクルーザーを目指した開発陣の執念が伺える仕上がりとなっていました!

2017レブルイメージ

2017年のデビュー時に公開されたホンダ「レブル250/500」のイメージカット(上タイトル写真も同じ)。筆者のような偏見に満ちた(?)昭和40年代オトコからすると「オレの知ってるレブルは、てやんでぇな唐草模様コミューターであって、こんなにオシャレじゃないやい……」というモヤリ感もあったのですけれど、平成末期を生きるナウなヤングにとってはそんなの関係ねぇ! 今に続く快進撃は静かに始まり急激に速度を増していったのです!

 

 

ホンダ・レブルという傾奇者!【その6】はこちら!

 

ホンダ・レブルという傾奇者!【その8】は今しばらくお待ちください m(_ _)m

爆発的な販売台数が矢継ぎ早の全面改良を担保していたッ

 

前回でも述べましたが、この小さな島国だけ1年間に約330万台もの車両が販売された、奇跡の1982年を含む空前絶後のバイクブームとなった1980年代……。

1982年に登場した初代ホンダVT250F

●1982年「4ストで2ストに勝つ!」ことを宣言しつつデビューした初代「VT250F」。1980年に登場し大ヒット中のヤマハ「RZ250」と同じ35馬力を絞り出してきたホンダの負けん気に大いなるロマンを感じたものです。一説によると1日当たり約100台も売れた年さえあったとか!?

 

 

レーサーレプリカ人気こそ薄れたものの多種多様なジャンルが勃興した1990年代……。

●1989年に発売されたカワサキ「ゼファー(ZEPHYR=西風を意味する英語)」が巻き起こしたネイキッド旋風は1990年代を席巻し、今なお吹き荒れておりますね! また、リッタースーパースポーツ、クルーザー、ビッグスクーター、メガスポーツ、エンデューロレーサー、レトロ原付など多様なバイクカテゴリーが生まれたことも忘れてはなりません(^^ゞ

 

 

ビッグバイクが当たり前の存在となりつつ高速道路2人乗り解禁二輪用ETCも導入された2000年代……。

1999_GSX1300Rハヤブサ

●1999年にスズキが世に問うた「GSX1300Rハヤブサ」。ノーマル状態の市販車として初めて実測300㎞/hオーバーを記録するというインパクトをもって世界的な人気を博し、2000年代を全開で駆け抜けたのはもちろん現在まで現役ブランドとして君臨中……。なお、この頃から国内外メーカーの販売体制が整えられていき、ユーザー側の受ける恩恵が大きくなっていったこともトピックスでした!

 

 

しかし、2010年代は度重なる排ガス規制強化経済の沈滞などが重なり、国内でのバイク販売台数はピーク時の実に10分の1(約33万台 ※2019年)まで急降下……。

急降下なイラスト

●極端なたとえにはなりますが、「330万円で回していた仕事を33万円で請け負えるか」ちゅうことになりますかね!? そんな状況には見切りをつけて濡れ手に粟な世界市場へシフトするのは営利企業として当然の助動詞「べし」なのですよ

 

国内4メーカーが自国市場を重視できない時代が到来……

 

こうなってくるともう、ジャパニーズメーカーと言えども日本の市場のみを考えたモデルを開発&リリースしていくことは限りなく不可能へ近づいてしまうのです。

 

 

ゆえにプラットフォーム戦略という名のもとにエンジン、さらにはフレームや足まわりなどを極力流用しつつ、外装パーツを作り分けることにより違うジャンルのモデルを増殖させていくことが一大潮流となっていきました(海外で生産するという判断もトータル的なコストダウンへは非常に有効)……。

ヤマハ プラットフォーム戦略

●忘れもしない2013年7月3日に東京都内で行われた「ヤマハ発動機 事業説明会」。そちらで配布された資料のなかに(P.13)、この図版が含まれておりました。とにかく開発に莫大なコストのかかるエンジン(&シャシー)を魅力的なものに仕上げ、そちらを極力流用しつつバリエーションモデルを連発していく……。BMWを筆頭とする欧州メーカーが得意としていたかくいう手法をヤマハ、そして他のジャパニーズメーカーも、この頃から大胆に採用していったのです

 

2014MT-09

●そして事業説明会の翌年となる2014年の4月、衝撃デビューを果たしたのがヤマハ「MT-09」! クロスプレーンコンセプトに基づいた新開発846㏄並列3気筒エンジンを搭載する過激な新世代ネイキッドは狙いどおりの大ヒットを記録し、以降のヤマハ・プラットフォーム戦略を勢いづかせました。同年8月には689㏄の2気筒エンジン「MT-07」も登場し、ミドルクラスでの快進撃が始まります

2015MT-09トレーサー

●2015年2月に発売が開始されたアドベンチャージャンルとも言える「MT-09トレーサー」。トラクションコントロールシステムこちらのモデルから新採用。2018年に「トレーサー900」、2021年からは「トレーサー9」と短くなる方向での改名が続いており、将来的には「ト9」なんて日本海軍潜水艦のような名前になってしまうかも!?(^^ゞ

2016XSR900

●2016年4月にはネオレトロな「XSR900」が発進! 本当にいちいちカッコよくてズルいよヤマハさん! 以降、環境諸規制に対応しつつ09各シリーズはアップデートを繰り返していき高い商品力を維持し続けていったのです(07シリーズも同様)

2024XSR900GP

●日本市場では2021年7月にフルモデルチェンジを行った「MT-09」。それを受けて「XSR900」も2022年6月に全面刷新! さらにさらに2024年5月には事前露出から話題沸騰のハーフカウルモデル「XSR900 GP」(写真)が降臨したではあ〜りませんか。往年のヤマハモデル(やレーサー)を彷彿とさせるカラーリングはオッサンホイホイにも程があります

YZF-R9

出るぞ出るぞと言われ続けて幾星霜……満を持して2025年10月にクロスプレーン並列3気筒スーパースポーツ「YZF-R9」が衝撃デビュー。2022年2月には07シリーズの「YZF-R7」も登場していましたから、まさに水をも漏らさぬヤマハ・プラットフォーム戦略、オソルベシ。さすがにオフロード風味の強い「テネレ」は700のみかぁ(^^ゞ……なんて思っていたら執筆中、「2026年11月にテネレ900が出るかも!?」との情報が! 果たして?

 

レブルはほぼ同じシャシーに気筒数違いのエンジンを搭載

 

というわけでホンダは2010年代中盤、主に北米のジェネレーションYと呼ばれる若い世代に向けた新生「レブル」の開発をスタート。

ジェネレーションY

●ジェネレーションY(Y世代)とは、一般的に1980年代から1990年代半ば頃に生まれた世代のこと。幼少期からインターネットや携帯電話が身近にあったデジタルネイティブの初期層ですね。コストパフォーマンスを厳しく吟味するという特徴があるとも言われてます

 

 

ぶっちゃけ、潤沢な資金を持っていない層でも比較的気軽に購入でき、カスタム……イジる楽しさも大いに許容する構造とスタイリングを比類なき乗りやすさとともに実現するため、ホンダ二輪スタッフは持てる力を全集中! 

ディメンション

●2017年4月発行ホンダ「レブル プレスインフォメーション」よりディメンション図。「ちょうどいい」サイズ感と気軽に乗れる性能を実現させるためホイールベースを1490㎜に設定。690㎜の低シート高とミドルポジションのステップ位置により、誰が乗ってもさまになるライディングポジションを実現したのです。クルーザーらしく寝かせられたフロントフォーク+ファットタイヤ採用ながら癖のないハンドリングを実現するため数々の創意工夫が施されました

 

 

各国のニーズに対応した250㏄/300㏄/500㏄という3つの異なる排気量のエンジンをひとつのプラットフォームで搭載可能にするという驚きの手法を具現化していきます。

 

 

排気量が違うだけなら、まぁよく聞く話でもあるのですけれど単気筒と並列2気筒というエンジンの形式まで異なる心臓を同じ骨格(フレーム)に載せるというのは、なかなかの離れ業(もちろんハンガー類は異なりますが)。

フレーム比較

●2017年4月発行ホンダ「レブル プレスインフォメーション」より250/500フレーム比較図。パイプワークの大部分を共用しつつエンジンハンガーを変更することで排気量だけでなく気筒数まで異なる(ともに2倍!)パワーユニットをスポッと飲み込めるようにするとは……。

 

 

そんな単体で眺めても美しい大胆なくびれを持たせたメインフレームが生み出すナロースタイルに、一番こだわったのが新生「レブル」のプロジェクトリーダーを務めた三倉圭太氏

レブルイメージ図

●グローバル展開も考慮するクルーザーのエントリーモデルとして練り込まれた新生「レブル」のコンセプト。なお、排ガス規制などの緩い北米では従来型のてやんでぇレブルもず〜っと販売継続されていたため、シームレスなモデルチェンジという側面もあったとか。

 

新生「レブル」開発者は以前に「NM4」も差配していたのだ〜

 

実はこのお方、今なお熱狂的なファンの多い「NM4-01/02」を担当したことでも有名で、

NM4イメージ

●いやもうSFアニメの世界から現実社会へウリリリリィと飛び出してきちゃったようなスタイリングにドギモを抜かれましたね〜。開発コンセプトはズバリ「近未来」と「COOL」で、ライダーが運転席へ潜り込むように座る「コクピットポジション」も新鮮でした。54馬力を発揮する745㏄水冷4ストローク並列2気筒OHC4バルブエンジン+DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)の組み合わせでクラッチ操作レスなイージードライブが可能

NM4俯瞰

●2014年型ホンダ「NM4-01」の俯瞰写真。バックレスト機能を持つ起立式ピリオンシート(前後に4つのポジション[25㎜間隔で4段階]、角度を3段階に切り替えられる構造で倒せばタンデムシートになる!)を採用してライダーの乗車姿勢をサポート。グイッと背中を押しつけつつ行うコーナリングは異次元かつ快感でした!

 

 

筆者も2014年の「NM4」デビュー当時に、三倉氏の熱い熱い(熱すぎた!?)思いをインタビューすることができ、深く感銘を受けたもの。

NM4-01

●2014年4月21日に発売開始されたホンダ「NM4-01」。なんといっても先鋭的なスタイリングが目を引きますなあ〜。税込み当時価格は99万9000円……。残念なのは、すでにあったAT限定条件付き大型二輪免許が、このころはまだ上限が650㏄だった点。その制限が撤廃され、排気量の上限なくクラッチ操作を必要としない車両を運転することが可能になったのは2019年12月1日から。歴史にタラレバもニラレバもありませんが、もしNM4シリーズがデビュー時からAT限定免許で乗れていたら……!?

NM4-02

2014年6月10日にデビューした「NM4-02」。リヤボディに左右それぞれ容量約7.5ℓのユーティリティーボックスを装備し、ETC車載器を左側のフロントユーティリティーボックスに収納。5段階の温度調節が可能なグリップヒーターまで標準装備されて税込み当時価格116万1000円

カラーオーダープラン

●2015年の3月2日から「NM4-01/NM4-02」ともに11色のカラーオーダープランがスタート! 黒、銀、灰、橙、白、赤、黄、青、紺……などが揃うなか、写真のブライトライムグリーンメタリックまで用意されていました(街なかで見た記憶は皆無(^^ゞ)。なおオネダンは「NM4-01 カラーオーダープラン」が102万600円、「NM4-02 カラーオーダープラン」が118万2600円(ともに税込み当時価格)。なお、2016年型で一部熟成されカラーオーダープランも継続されましたが人気には火が付かず、そのままフェードアウト……。三倉氏の心中を勝手に慮(おもんぱか)ったものです

 

 

「NM4」のデビューから3年……採算度外視?な強烈個性のAKIRAバイクだけでなく、真逆と言っても過言ではない万人受けが絶対条件かつコストがんじがらめな新世代のクルーザーさえ見事にまとめ上げた、三倉氏の手腕は実にマーベラスでありましたね。

 

制約の多さを逆に味方としてブレイクスルーを果たした!

 

かくいう「レブル250/500」は、690㎜に定められたシート高を基点として小柄な女性から大男まで跨がって様になるステップ位置ハンドルグリップの高さが模索され、キャスター角やトレール量などのディメンションも徹底的に吟味

レブル250

●2017年型ホンダ「レブル250」のレモンアイスイエロー。燃料タンク容量は11ℓでしたが、250で46.5㎞/ℓ、500で40.2㎞/ℓ(ともに国土交通省届出値の定地燃費)という好燃費のおかげで文句を言う人はほとんどいなかった印象……。なお車両重量は250が168㎏(ABS付きは170㎏)、500が190㎏(ABS標準装備)でありました

 

 

前後とも16インチのファットなタイヤを採用しながらも、非常にクセのないハンドリングを実現ッ!

ファットタイヤ

●クラスを超える存在感を発揮するフロント130/90-16リヤ150/80-16のタイヤを採用(写真は「レブル500)。なお、ヘッドライトまわりの雰囲気は初代「レブル」へのオマージュが込められているとか。言われてみれば……(^^ゞ

 

 

エンジンも新生「CBR250R」用をベースとしつつ独自の吸排気系パーツやFIセッティングが施された250、そして500版も同様に欧州向け「CBR500R」から大幅な仕様変更を受けることで、ともに独特な鼓動感とトルクフルな出力特性が与えられたのです。

レブル250エンジン

●2017年型ホンダ「レブル250」エンジン。249㏄水冷4スト単気筒DOHC4バルブエンジンは低中速での力強さを重視しつつ、回せばしっかりパワフルな最高出力26馬力、最大トルク2.2㎏mのパフォーマンスを発揮(471㏄並列2気筒の「レブル500」は46馬力/4.4㎏m)! 必要にして十分〜

 

あの「ゼファー」もビックリな静かすぎる船出。そして……!?

 

そんな「レブル250/500」は2017年の4月17日から日本での販売がスタート。

レブル250/500

●写真は海外仕様のイメージカット。タンデムシートを取り付けない状態で販売する国も多いのだとか。あと日本向けにはヘルメットホルダーが標準装備されています。あとはほぼほぼ全世界共通とのことで、つまりは各国ごとに仕様を変更する手間やコストが大幅に削減されるということ!

 

 

タイ王国で生産される250はノンABS仕様で税抜き50万円を切る49万8000円という低価格も話題となりました……が、当のホンダも「出すには出したが、ど~せクルーザー人気が冷え切った日本市場じゃ売れないでしょ」との諦観があったのか、公式リリースに書かれた国内販売計画は250で1500台、500が1000台という控え目なもの。

レブル250ABS

●2017年型「レブル250〈ABS〉」。ともすればホンダ、「日本市場においては500のほうに期待していたのではないか?」と勘ぐってしまうほど当時は熱量の差を感じました。事実、紙のカタログも250は4ページなのに500は6ページ(^^ゞ。バイク雑誌の取材で使う広報車も500をやたら薦められたものです。その後、250の弾けっぷりは今思えばカワサキ「ゼファー」の門出と似ていました

 

 

正直、バイク雑誌ギョーカイも「ふ~ん」といった、やや冷ややかな雰囲気だった記憶がございます。

 

 

駄菓子菓子! 

 

 

ここから新生クルーザー双生児、特に「レブル250」のとてつもない覇道が始まりました! 

レブル250カスタマイズカタログ

●2017年型ホンダ「レブル250 CUSTOMIZE PARTS CATALOG」より。イジってナンボのクルーザー!? マフラーはもちろんミラー、ヘッドライトバルブ、バッグ類、エンジンガード、フォークカバーなどなど……オーナーの夢の広がるパーツ類がテンコ盛りで紹介されていたんですよ〜

 

 

次回は新生「レブル250/500」の『それから』を語りおろしてまいりましょう!

 

 

あ、というわけで2017年にデビューした「レブル250/500」は国際戦略車として練りに練られた仕上がりが自慢のモデル。中古車の数も豊富ですし、レッドバロンが誇る『5つ星品質』車なら保証や交換パーツの心配なし! お近くの店舗で乗りやすさ抜群なバイクライフの「相棒」を探しましょう!

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