雨に煙る国道4号を北上し、“昭和レトロ”スポットを巡るツーリングに出た筆者。前回の東京駅食堂に続き、第二の目的に向かった!

国道4号で「雨に泣いてる・・・」by柳ジョージ

ザバーーッ、ズバーーッ。
「東京駅」を後にして、埼玉から栃木を縦断する国道4号に合流した。周囲のクルマは、片側3車線のほぼ直線を結構なスピードで流している。感覚としては高速道路に近い。

片や我が愛車、スーパーカブ110は60km/h巡航。トラックがサバーッと水を巻き上げては豪快に抜かしていく。

↑国道4号のザバーーッな風景。トラックがブッ飛ばしていく中、カブでの60km/h巡航はなかなか心細い。


走っているうちに国道4号のルールがわかってきた。ずっと一番左側の車線を走っていたのだけど、所々オーバーパスがあり、右2車線に移動しないと橋を通過できない。
右側2車線を走るか、オーバーパスが見えたら右側の車線に移っておくとスムーズに走れるのだ。

まわりの風景は、基本的に田んぼや畑、林が続き、道路沿いにぽつぽつと店がある。ただし、つぶれて放置されたような店舗も多く、少し切ない。

家を出発して2時間も経っただろうか。ついに手足に浸水してきた。このドシャ降りなのだから、持った方なのかもしれない。
ちなみに前回書いたようにROM ライディングレインスーツを着ていたが、こちらは全く浸水ナシ。お尻が濡れている気がしたけど、シートとの間で蒸れているだけで浸水はなかった。
宣伝みたいに聞こえるかもしれないが(笑)、これは本当だ。

↑お尻は最も水が浸みやすい部分だけど、ROM ライディングレインスーツはお尻に縫い目がない設計と耐水圧2万mmという防水性のおかげで浸水はなかった。


前日まで日中は過ごしやすい気温だったが、当日は16度ほどでかなり冷える。こんなこともあろうかと持参していたウエットスーツ素材の防水グローブに交換。靴は替えがないのでもうどうしようもない。

1時間ほどガマンして走るが、どんどん体温が奪われて寒い! たまらず靴を買うことにした。
栃木県さくら市のあたりでふと「そう言えばワークマンがあるんじゃ?」と思いつく。スマホで検索すると少々道を戻ることになるが、店舗があった。

↑ワークマンで急遽購入した『防水サファリシューズ』。遠くから見ればスニーカーに見えるデザインもグッド。これで1500円!


靴をゴム製シューズに履き替えたら、実に快適! スマホのない「昭和」ではありえない旅の仕方だなぁと無理矢理テーマにこじつけてみたり。

一番星! 懐かしの『トラック野郎』を求めて

そんなこんなで、ようやく第二の目的地「矢板トラックステーション」に到着した。

↑こちらが矢板トラックステーション(栃木県矢板市乙畑440-2)。公共施設のような看板と略称の「矢板TS」がカッコイイ。


トラックステーションとは、営業用トラックを対象とした休憩施設で、1970年代から全国の主要街道沿いに建てられた。
食事や宿泊ができるほか、交通や天気など情報を提供する情報提供施設としての役割も持つ。
以前は全国に40カ所以上あったそうだが、全日本トラック協会(https://jta.or.jp/member/truckstation/truckstation_list.html)のHPによると、現在は24カ所。コンビニや道の駅、スマホが普及した影響でどんどん数が減っており、営業時間とサービスも縮小している。まさに昭和の遺産で、「オートパーラー」のような絶滅危惧種と言えるだろう。
ちなみにトラック運転手じゃなくても利用可能だ。

昭和46年生まれの筆者にとって、「トラック」と言えばもちろんこのイメージ。

↑映画『トラック野郎』は1975年に第一作が公開。全10作が製作され、社会現象になるほど人気に。画像は東映ビデオオフィシャルサイト(https://www.toei-video.co.jp/special/truck/)より。


筆者は映画館で見たことはないけど、昭和によくテレビ放映していた。
デコトラ「一番星号」の運転手、菅原文太演じる"星桃次郎”と相棒の"松下金造”(愛川欽也)が巻き起こす珍道中を描き、クライマックスはフラれた主人公がトラックで爆走するというもの。『男はつらいよ』に似ているけど、もっと過激で、子供ながらにお色気シーンにドキドキした思い出がある(実際はかなりカットされていた模様)。

で、矢板TS。とにかく駐車場がデカい。

↑駐車場。営業用トラックをターゲットとしているだけあって、カブが小さく見えるほどスペースは広大だ。看板の「カメ」マークは、「ゆっくり走ろう」という意味か。

 

↑室内のほか、屋外にもトイレが。長旅の休憩にいい。夜間と定休日は駐車場と自動販売機のみ利用できる。屋外にもトイレがあるのはこのためか。

 

↑営業時間はこんなカンジ。21時に営業を終了し、日曜は定休日だ。

「TS」は意外と近代的でビックリ

施設内はイカついトラック運ちゃんがゾロゾロと畳敷きのタコ部屋でチンチロリンでもやっているに違いねぇ(偏見)、と思いきや、とてもキレイで現代的! 利用者もなんだかスマートで、星桃次郎とやもめのジョナサン風の方もいない。・・・・・・ハッキリ言って昭和感はない(笑)。

↑入って目の前にある歓談スペース。ソファと白いテーブルに観葉植物がトラックっぽくない。

 

↑こちらは運行情報センター。事業所からの連絡FAXの取り次ぎや施設の維持管理を担っている。9~17時の運営で、土日祝日は休業。連絡FAXの取次ぎ、という所に「昭和」を感じる。

 

↑気になったのが『広報とらっく』なる新聞。売り物のようだったので手に取らなかったが、どんな内容なのか。


さらに食堂を覗いてみると、明るく清潔感がある。メニューは、もつ野菜炒め定食760円やホルモン炒め定食760円が気になる。ラーメンは塩、味噌、醤油があり、どれも550円。東京駅食堂ほどではないが、かなりお手ごろだ。

↑食堂のメニュー。ラーメンでも、と思ったけど、東京駅食堂のミックスフライ定食でまだお腹がいっぱい。年を感じる・・・・・・。


さらに風呂とコインランドリーがあり、長旅のリフレッシュによさそうだ。緑ナンバーの人は450円、白ナンバーは580円。女性用シャワーもあるのがうれしい。
ただ残念ながら宿泊はできない。何かに「宿泊できる」と書いており、運行情報センターの方に「部屋を見せてもらえますか?」と聞いたら、だいぶ前に宿泊はやめてしまったという。

↑2階には「和室」と書かれた部屋があるが、現在は閉鎖されている。利用客が少ないのだろうか。奥は風呂。


おっと早くも現在の時刻は15時過ぎ。栃木県那須町にある最終目的地が17時30分に閉まってしまうので、先を急ぐ。

第三の目的地はオートパーラー、自分的には今まで一番濃い・・・・・・!

矢板TSは思いのほか昭和レトロ感が薄かった。しかし、反対に第三の目的地は特別に濃かった!
矢板TSから約25分。大田原市にある、その名も「ゲーム24SAITO石上」が目的地だ。

↑街道沿いにひっそりと建つ「ゲーム24SAITO石上」。雨と相まって、外観からただならぬ雰囲気である。自分的にはこのツーリングで最も楽しみにしていた施設の一つだ。


いわゆるオートパーラーで、私としては3回目のオートパーラー訪問となる。そば&うどん自販機はないものの、代わりに懐かしの「ビニ本」販売機に感激。そして今までのどのオートパーラーとも違い、"雰囲気”がある意味ナンバー1だった。

次回「その三」を乞うご期待!

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