そろそろ紅葉の見頃ではないかと、クロスカブ110で紅葉狩りへ。向かった先は東京都調布市にある深大寺。天平5年(733年)創建の深大寺は、武蔵野の森に囲まれた美しい古刹。山門の周辺には名物「深大寺そば」のお店が多数あるので、季節柄、新そばもいただけるんじゃないかという目的も。さて、その結果は?
バイクは駐車料金が無料
広々した武蔵境通りから、街路樹が立ち並ぶ深大寺通りへと入り、三叉路の「深大寺」交差点に到着。ここには自転車やバイクが駐められる「深大寺駐輪場」があります。

未舗装ですが、整地されているのでオンロードバイクでも大丈夫。軽く100台以上は駐車可能な広さで、これが無料で使えるというのだからありがたい。
すでに紅葉は始まっていて、駐輪場の地面には落葉がびっしり。来て良かった! そう実感すると同時に、参道から先に広がるであろう秋の景色に期待がふくらみます。
駐輪場にクロスカブを預け、参道を進むと右手に亀島弁財天池が。

深大寺は湧水に恵まれた土地にあり、境内にも複数の湧水源や池を持つそうです。亀島弁財天池は、なかでも一番大きな池。小さな祠を取り囲むように、赤いモミジが輝いていました。

亀島弁財天池を過ぎると、切妻造り、茅葺の立派な山門が。深大寺は慶応元年(1865年)の大火によって建物の大半を失ったそうですが、この山門は燃えずに済んだのだとか。建立は元禄8年(1695年)というのですから、風格が伝わってくるようです。
そして山門をくぐれば、常香炉の奥に本堂が。

大火で焼失したのち、大正8年(1919年)に完成したのが、この本堂。
若い頃はこうした建造物を見ても、それほど感動しなかったものですが、歳を重ねるにつれ、だんだんと素晴らしさが感じられるようになりました。
意匠といい、宮大工の技術力といい、秀逸としか言いようがありません。簡単に言えば「日本、すげーな」です。
深大寺は、宝冠阿弥陀如来像を祀るこの本堂の他に、肖像彫刻として日本最大の慈恵大師(元三大師)像を安置している元三大師堂、東日本最古の国宝仏・釈迦如来像を安置する釈迦堂などもあります。いずれも武蔵野の森に囲まれた美しい建造物です。
深大寺のおみくじは「凶」が多い

ちなみに日本の「おみくじ」の創始者は、深大寺の御祈願本尊でもある比叡山の元三大師さまだそうです。
おみくじを引くとなったら、誰もが「大吉」や「吉」を引きたくなるもの。なので、お寺や神社によってはその点を考慮して「凶」のおみくじを抜き取っている場合もあるとのこと。
けれども元三大師さまの本来のおみくじは、「凶」が全体の3割。深大寺のおみくじは本来の確率のままなので、「凶」が多いことで有名なんだとか。
10回おみくじを引いたら3回は「凶」と出る計算ですから、ガッカリしそうなものですが、「凶」は「吉」に好転する力を秘めているので、気にすることはないと。
ものは考えようで何とでもなる、ということでしょうか。深大寺のおみくじは開運・招福お守り入りで授与料は200円。引いてみてはいかがですか?
紅葉の見頃はこれから

私が深大寺に向かったのは、11月17日。紅葉は始まっていたものの、まだピークは迎えていませんでした。
深大寺の紅葉は、例年11月下旬から12月上旬に見頃を迎えるそうです。
この記事が公開されるのは11月23日。まさにこれからがピーク。お近くの方はぜひ!
さあ、新そば!

江戸時代、そばの生産が盛んだった深大寺周辺。今でも約20軒のおそば屋さんが名物「深大寺そば」を食べさせてくれます。
時期的には、新そばの季節。食べる気マンマンでお店に向かったのですが……。

こちらは深大寺の山門前に建つ、深大寺そばの元祖「嶋田家」。月曜が定休。
そう、この日は月曜日だったのです。深大寺のおそば屋さんは、月曜定休が多く、全体の7割ぐらいがお休み。
じゃあ、残り3割のお店でいただこうと足を向けると、ご覧の通り。

大行列じゃないですか!
3~4人で来ていたのならば、おしゃべりでもしながら待つこともできるけど、今回はおひとり様の身。無理をして並んで、ようやく席まで案内されたとして、4人掛けの席だったりしたら、他の客に申し訳がありません。
かと言って、食べる気マンマンでしたので、身も心もそばしか受け付けない状態。
仕方がありません。深大寺そばを諦め、別のそば屋へ行きましょう。
ということで、行きつけの市場食堂の一軒へ。
府中市場の「そば敏」
深大寺のある調布市のお鄰、府中市へ。そして大東京綜合卸売センター(通称、府中市場)へ。
府中市場の市場食堂は3年前、この『ForR』でも紹介しました。庶民的な食堂が建物の中にたくさんあるんです。しかも駐車場はバイクもクルマも無料で駐められるのです。
関東朝めしツーリング【府中市場食堂は名店揃い】バトルロワイアルの結末は!?[前編]
関東朝めしツーリング【府中市場食堂は名店揃い】バトルロワイアルの結末は!?[後編]
今回は手打ちそばの店「そば敏」へ。

モツ煮込みセット(そばとモツ煮込みと小ライス)900円、日替わりの海鮮丼セット(そばと海鮮丼)1,000円にも心惹かれるなあ。けれども初志貫徹、注文したのはこちら。

天ざる、1,000円。
ああ~っ、ようやく念願がかないました。
砂漠の旅人が飲み干す一杯の水のように、そばがスルスルと喉を通っていきます。
小春日和の良き一日になりました。
みなさんも紅葉狩りと新そば、楽しんでください!
