遠く去りゆく昭和を追って、香ばしいスポットをスーパーカブ110でノロノロ旅する「昭和レトロ紀行」。1年半ぶりのツーリングは、オーセンティックかつ不可思議なスポットが点在する埼玉県東松山市! 果たしてどんな珍道中が待っているのか……!?
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吉見百穴など見どころはあるけど、最大の目的は「心霊旅館」!?
まだ終わらんよ!(笑) 「昭和レトロ紀行」はてっきり終了したと思っていた熱心な(推定)8名の愛読者の皆様。大変お待たせしました。
前回の記事からは約1年ぶり。昭和レトロ紀行のツーリングとしては約1年半ぶりの旅となった。決してサボっていたわけではなく(少しはあるけれども笑)、とある健康上の問題で長時間のバイク旅を控えていたのだ。この辺りの事情はいずれ書く機会があるかもしれないが、問題が一応クリアになったこともあり、めでたくツーリングに出かけた次第である。
行き先は、埼玉県東松山市とその周辺。「吉見百穴」という有名な史跡があるほか、昔から八王子と日光を結ぶ宿場町として栄えた過去もあり、様々な昭和ゆかりのスポットが残されている。自宅がある埼玉県川口市からさほど遠くないのもリハビリとして最適だ。
出発の4日前、目をつけていた宿に電話したら、なんと満員御礼! 土日以外はずっと満室なのだという。「東松山市の宿が満室になるわけない(失礼)」とナメており、ギリギリまで連絡しなかったのだ。宿の方に訊ねてみると、特にイベントがあるわけではないという。
平日の方が都合がいいので、やむなく別の宿を調査。グーグルで検索していると「心霊」がサジェストに出る旅館が! 「これは泊まってみるしかあるまい!」ということで、さっそく予約してみた。はて、どうなるか……。
最初の目的地は「霞が関」、もちろん日本の中心地ではない方だ(笑)
まず向かったのは霞が関の食堂だ。もちろん東京都千代田区の霞が関ではなく、埼玉県の「霞が関」。東松山市に向かう道中の川越市に「霞が関」があるのだ。

↑今回のツーリングは2025年11月下旬に実施。愛車の2021年型スーパーカブ110(JA44)と1年半ぶりの昭和レトロ紀行に出発だぁ!
川口市の自宅から北上し、国道16号に入って西進。11月下旬ながら寒波が来ていて少しだけ寒いが、天気は晴天に恵まれた。指扇(さしおうぎ)あたりから遠くに連なった山々が見えてくる。
川越に近づくと交通量も増えてきたが、のんびり走って1時間半もかからずアッサリと霞が関に到着した。おっと、お目当ての食堂は11時開店。まだ時間がある……ということで、どこかへ寄り道することにした。

↑まず行ってみたのは霞が関。国会議事堂はどこだ! 写真は東武東上線の霞が関駅。
地図を調べてみると「国指定史跡河越館跡(史跡公園)」という漢字が連なった仰々しいスポットが。公園ならタダで時間をつぶすにはもってこい(笑)。さっそく行ってみた。
霞が関駅からはバイクで5分ほど。平安時代から南北朝時代まで武蔵国の中で有数の勢力を誇った武士、河越氏の居館跡らしい。河越氏は「川越市」の由来にもなったほどの重要人物。その人が住んでいた館なのだから、さぞスゴイ所に違いないと思っていたら……見事に何もない(笑)。

↑「国指定史跡河越館跡(史跡公園)」。ここに河越氏の館があったのだが、再現されていたりはしない。ちなみに散歩や見学している人が意外といた。

↑説明文によると、火鉢や食器が出土したらしい。

↑昔はこんなカンジ。この公園の何倍もの規模だったようだ。
いや正確には堀跡だの井戸跡だの説明文だのはあるが、やっぱり公園だ。ベンチに座り、昔の栄華に思いを馳せたりしながらボーッと日向ぼっこしていると隣の小学校から子供たちの声が聞こえてきて眠くなってきてしまう。
なんとも自由。これぞツーリングの醍醐味だなぁとか思いつつボンヤリしていると、11時に。ベンチから腰を上げて食堂に向かった。
味わい深い「かすみ食堂」に到着、和食も中華も選び放題
向かったのは「かすみ食堂」という霞が関を代表するかのような(?)ネーミングの食堂。昭和40年代の創業で味に定評がある人気店らしい。店に到着すると、実に味わいのある外観だった。

↑霞が関駅から300mの距離にある「かすみ食堂」。なんとも風情がある店舗。スーパーカブが溶け込みすぎている(笑)。店の向かいの駐車場に約6台クルマが停められる。■埼玉県川越市霞ケ関東2丁目7-5 営業時間11~14時30分、17~21時 月曜休
のれんをくぐると、開店して間もない11時20分頃だというのに先客が3名いらっしゃる。席に着くと、奥に貼ってある大量のお品書きが目に入った。和食、中華の様々なメニューが揃っている。


↑店内は4人掛けのテーブルが6つ、奥に座敷もある。


↑壁に貼ってあるメニュー。和食か中華のどちらかだけではなく、両方揃っているのは珍しい。価格は税抜きで、下に小さく税込み価格が書いてある。ちょっと紛らわしいゾ(笑)。

↑テーブルには懐かしい回転型の調味料置きが。

↑テーブルのメニュー。中華系はやや高めだが、老麺(ラーメン)=660円などの安いメニューも。焼肉定食(800円)などの定食もオトクだ。

↑飲み物と和食系。おかずにライス&味噌汁(315円)を組み合わせて定食にできる。
ここまでメニューがあるのに「人気」の表示があるのは3つだけ! それは「五目そば+焼肉(小ライス付き 940円)」「レバニラ炒め(625円」「海老と玉子のふわふわ炒め(825円)」だ。
他にも「お刺身+ヒレカツセット」(ライス、みそ汁、小鉢付き 1100円)など気になるメニューもあるが、私が選んだのは「海老と玉子のふわふわ炒め」。なんだか珍しいし、お味が上品そうなところに惹かれた。これに半ライス&みそ汁(260円)をプラスして計1085円だ。
昭和生まれの自分には、定食=1000円に抑えたい! という頑ななイメージがあるのだが、昨今の物価高なら仕方ないかも。いや、海老が入れば高くなるのは仕方ないのだ、などと思いながら、料理を待つ。
改めてメニューを見ると、居酒屋としてもよさそう。小海老唐揚げ525円、冷奴195円、クラゲの酢の物690円、鳥皮炒め580円、お刺身盛り合わせ950円、マグロブツ切り715円、天ぷら各種……とおつまみも豊富だ。
そんな間にも会社の同僚グループらしき団体さんとソロのお客さんが続々と来店してほぼ満席になった。こりゃあ、まさに人気店だ。
フワプリの競演! そして美しい飾り切りが見事
10分程度で着膳。おぉ、やっぱり見た目も上品だ。

↑海老と玉子のふわふわ炒め! 小ライスと言ってもそれなりの量がある。しば漬け付き。そして皿の端に載せられた飾りに注目!
スプーンで玉子をすくうと、白身の半熟とよりレアな部分が絶妙に混じり合い、それでいて黄身はもうちょっと火が通っている。まさにフワフワで、口に運んでも食感は変わらない。絶妙な塩味の中にコクが感じられる。そしてエビ! プリプリした歯ごたえと旨み、そして玉子のフワフワが混じり合って桃源郷のようだ(笑)。

↑黄身はやや柔らかめ。白身は半熟ともっと生に近い部分が混ざり合っている。どうやって作ってるのかはわからないが、とても手間がかかってるのは間違いない。
さらに玉子を口に入れ、フワフワを楽しんでからおもむろにエビのプリプリ。味付けが決して玉子とエビを邪魔しない塩梅になっているのもイイ。このサイクルを一生味わっていたくなる。エビの量も申し分なく、お値段以上に感じた!
そして注目の飾り。包丁細工によるニンジンとグリーンピースで花(バラ?)を形作っているのだ。いちおう店員さんに「食べられるんですよね?」と訊くと「はい、手作りしています。葉っぱは食べられません」とご親切に教えてくれる。

↑ニンジンを花のツボミ状に薄く切り、中央にグリーンピースを刺している。すごい技術だし、手間もかかるハズ。
こうした飾り切りは、高級な中華料理屋に見られるようなモノ。フツーの食堂とは一味違う粋(いき)な計らいを感じてしまう。実際食べてみると、当たり前だけどナマのニンジンだった(笑)。

↑完食! 満腹! ごちそうさまでした。
お会計で女性の店員さんに話しかけてみると、創業当初は和食がメインだったが、中華料理屋で修行した2代目が店を継いで中華料理のメニューが加わったそうだ。とても忙しそうだったので話もソコソコに切り上げた。
他の料理も色々気になるし、夜は一杯引っ掛けたいし……。入りやすい雰囲気もイイ。近くにあれば絶対通ってしまうなぁと思わせる庶民派食堂だ。
五千頭の龍? 田園風景にいきなり異世界が出現!
次に向かったのは「五千頭の龍が昇る聖天宮」だ。こりゃなんだ? と私も最初に聞いた時に思ったものだ(笑)。かすみ食堂から約6km北上、20分ほどで着いた。田んぼと住宅のいかにも日本的な田舎に突如、非現実的な建物が見えてきて、思わずテンションが上がってしまう。

↑日本の田園風景に突然、異世界が! 詳細は次回!
