栃木県那須塩原市にある那須モータースポーツランド(MSL)。ライセンスを取ってスポーツ走行したりと何度も利用させてもらっている。その際、タイムを短縮するためのアドバイスをいただいたので、皆さんにもその内容を共有していきたい。那須MSLをスムーズに走りたい人、スポーツ走行でタイムを削りたい人は必見!

初中級クラス向けのアドバイス、これで50秒切りも可能!?

那須MSLは、2006年からレッドバロンがプロデュースしている2輪専用のサーキット。全長は1146m、コーナー数は12で、ややショートでテクニカルなコースとして知られる。
筆者は、過去記事で紹介したとおり、ライセンスを取得したり、那須MSLライディングスクールや同カレッジにも参加。カレッジを受講して本当にタイムが短縮できるか、という企画にもチャレンジした(『那須MSLでできること。ここは「バイク遊びのデパート」だ』も参照を)。

そんな中、ライディングカレッジでより深く走り方を学ぶことができ、那須MSLの竹内支配人からは直伝のライン取りやブレーキングポイントなど、様々なアドバイスをもらった。これを一人で独占するのはモッタイナイと思い、記事化することにした次第だ。

この記事は定期的に開催されている那須MSLライディングスクールや同カレッジに参加する人にも役立つかもしれないが、あくまで那須MSLをスポーツ走行する人向け。タイムを短縮することが目的だ。

紹介する攻略法は、中級程度までのレベル。主に竹内支配人からのアドバイスをまとめたものだが、筆者が実際に走った印象も付け加えている。竹内支配人によると、この攻略法で「1周50秒を切るタイムまでいける」とのこと。ちなみにタイムの目安は初心者で1分程度。私のタイムは57秒09(車両は675ccの'17年型ストリートトリプル)と大したことはないものの、紹介するアドバイスを忠実に実行できているとは言えず、まだまだタイムを短縮できる余地がある。

↑那須MSLのコース図。全長1146m、幅員は最小7.5m、最大12m。最大勾配は4%とフラットだ。画像左側がホームストレートで右回り。18Rが第1コーナーとなる。コースの半分は森の中を走り、ワインディングのような雰囲気もある。那須MSLのHPはコチラ。

 

↑那須MSLの竹内支配人(右)。今回は中級クラスの攻略法を教えてもらった。スタッフの方は全員気さくで、コースの攻略などの相談にも親身に応じてくれる。こんなサーキットは珍しい!

 

↑コース図とにらめっこしながら、走り方を研究する筆者。車両やレーシングスーツはレンタルだ(関連記事はこちら)。

1コーナーのクリッピングはかなり奥、大胆にインへ入ろう

まずはメインストレート~第1コーナー。直線部分は約180mと短めなのでボーッとしているヒマはない。右ターンの第1コーナーに向けて、アウト側(左側)目一杯を走ろう。
第1コーナーの曲率は「18R」とほぼ直角なので、クリッピングポイント(最もイン側に寄る地点 以下CP)はかなり奥だ。

その前にブレーキングポイントだが、筆者は、左手のゲート入口(コース下を通る歩道)を過ぎたらブレーキングを開始していた。そして倒し込むポイントは下記写真の青いパイロンの辺り。左側にある緑色のフェンスに扉があり、そこから3m程度先と覚えていた。

しっかりブレーキングしてフロントフォークを沈め、外側から一気に内側の赤&白の縁石(ゼブラ)に向かう。CPを越えたら、スロットルを開けてアウト側に立ち上がる。まさに第1コーナーは典型的なアウト・イン・アウトのラインだ。

↑1コーナー。青パイロンが車体を寝かしこむアプローチポイント、イン側の赤パイロンがCPだ。進行方向に目線を向けつつCPを越えたら、徐々にスロットルを開けて立ち上がり、アウト側へ。写真はスクール時のもので、普段は目安となるパイロンがない。

最も長いバックストレートから複合の2~4コーナーへ


お次は、那須MSLで最も長いバックストレート(約280m)。一瞬でもいいのでフルスロットルにするのが重要という。
走行ラインは、右ターンの2コーナーに向けて目一杯外側だ。
メインストレートより長く、速度が出るので、コーナー手前から余裕を持ってブレーキングしたい。筆者はコーナー手前右側にあるエスケープゾーンの終わり頃から減速していたが、もっと検討が必要かもしれない。

↑那須MSLで最も速度が乗るバックストレート。その分、2コーナーにはかなり手前からブレーキングしたい。

 

2~3コーナーとS字になっており、ともに内側のゼブラをかすめるぐらい直線の感覚で通過するといい、とのアドバイス。ここをなるべく減速せずに通過して、4コーナーの進入前に軽くフロントブレーキを掛けてフロントフォークを沈め、ターンインする。2~4コーナーの組み立ては未だに苦労しており、難しい・・・・・・。
なお3コーナーはイン側にエスケープゾーンがあるが、ここは進入禁止だ。

 

↑2~4コーナーは複合。手前が2コーナーで、青パイロンのあるアウト側からインに飛び込み、3コーナーへ向けて直線的なラインを取る。

 

↑3コーナー。黄線の部分は走行禁止だ。危険回避のためなら仕方ないが、故意の走行は厳禁。運営スタッフもモニターで監視しているという。

5コーナーは出口で直線的に立ち上がれるラインを!

そして、すぐに4コーナー。4~5コーナーのライン取りと立ち上がりは、タイムを出すための重要ポイント「その1」だ。
4コーナーの曲率は那須MSLで最もきつい15Rで、右旋回のまま5コーナーに入る。大事なのはこの5コーナーの立ち上がりで、CPを外さなければ、ラインは内側でも外側でもOKだ(標準的なラインはセンター)。

旋回速度は極端なレベル差がない限り、大きく変わらないので、4コーナーを頑張るより「5コーナーのCPを取ることに集中すべき」という。
なぜなら、5コーナーを上手く通過できれば、バイクの向きがしっかり変わり、続く6、7コーナーに向けて直線的に大きくスロットルを開けられるからだ。5コーナーでアウトにはらんでしまう場合と、しっかりCPを通過できた場合とでは、スロットル開度が大きく違い、タイムも大きく変わってくる。

↑5コーナー。CPが手前だとアウト側にふくらんでしまうが、CPが奥だとスロットルを大きく開けて直線的にコーナーを立ち上がれる。手前のラインはセンターやアウトでもいいので、とにかく5コーナーのCPを外さないことが肝要だ。

 

↑5コーナー先の視界。手前のパイロンが前述のCPで、この位置から奥の6コーナーに向けて直線的にスロットルを開けられる。この違いは大きい!

ここまでがコース前半。後半も重要なポイントが続くので、お楽しみに!

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