レッドバロンが展開するオリジナルバイクギアブランド「ROM」は、レッドバロン・オリジナル・モーターサイクルギアの頭文字で読み方は“ロム”。ライダーが本当に欲しがるアイテムをリーズナブルな価格で提供し続けており、その品目は、ウエアからバイクカバー、バッテリー充電器まで多岐にわたる。今回は梅雨入り前に手に入れておきたいレインウエア『ライディングレインスーツ』特集の第3回目。ケルヒャーの高圧洗浄機を使ったシャワリングテストだ!
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雨が降らないなら高圧洗浄機だっ!
「マーフィーの法則」をご存知だろうか? 今から30年近く前の90年代に流行った本なのだが、「バターを塗ったトーストを落としてしまった時、バターの面が床のカーペットにべちゃっとなる確率は、カーペットの価格に比例して高くなる」といった、“物事はえてしてよくない方向、都合が悪い方へと転がる”という、あるある事例をたくさん載せた本だ。我々ライダーに身近な内容で言うと「洗車をしたときにかぎって雨が降る」的な感じかな。
さてそんな昔話を持ち出したのは、レインウエアのテストをしたいのに雨が降らないからだ。『ライディングレインスーツ』を新調したのがほぼ1ヶ月前。1ヶ月あればさすがに雨の中を走る機会などいくらでもあろうと悠長にかまえていたのだが、困ったことに意外と雨に降られないのである。
「レインウエアを新調すると雨に降られない」なんて感じの新たなジンクスを「マーフィーの法則」に加えたいくらいであるが、この梅雨時期を前にレインウエアのインプレッション記事が作れないなんてことはありえないわけで…。こうなったらやりたくはないが高圧洗浄機によるレインウエアテストを敢行するほかあるまい。誰も望んで高圧洗浄機の水をかぶりたいヤツはいないと思うが、背に腹は変えられぬ…僕は腹を括った。
耐水圧20000mmの実力を見せてもらおうかっ!
前回、前々回の記事でも書かせてもらったけど、防水生地なのに内部がムレにくい透湿防水素材を使っている『ライディングレインスーツ』。スペック的には、防水性を表す耐水圧は20000mm、ムレにくさを表す透湿度は20000 g/㎡・24hを確保しているということだ。
でもさぁ、これっていったいどれくらいの数値なのよって話だ。カタログにある文章をそのまま書けば、耐水圧20,000㎜とはつまり、生地の上に1cm四方のまっすぐな管を立て、その中に水を入れて20mまでの高さの水圧に耐えられるということ。透湿度20,000g/㎡・24hは、24時間で1㎡あたり、20ℓの水蒸気を通す能力があるということだ。
ライディングレインスーツに高圧洗浄機で水をかける
5分間。うどん系のカップ麺が出来上がる程度の僅かな時間だが、高圧洗浄機の水圧を受けている人間にとっては永遠とも感じられる非常に長い時間である。最初のうちは、「ケルヒャー高圧洗浄機の水圧って間近で受けると結構痛いんだな…」とか、「よしよしまだどこも水漏れはないな?」と全身の皮膚の神経を尖らせていたりしたのだが、1分、2分とひたすら高圧洗浄機の水を浴びているうちに、だんだんと心の中に冷たいナニかが染み込んできた…。
決して物理的な『ライディングレインスーツ』の漏水ではないのだが、心の中で黒いシミのようなものが広がり始めると、“俺はいったい何やっているんだろう…”とか、“高圧洗浄機を人に向ける人間はなんでそんなに嬉しそうな顔ができるんだ?” などといった負の感情がどこからともなく染み出してくる。人を暗黒面に堕としたければ、レインウエアを着させてバイクに座らせ、高圧洗浄機にしばらくさらしておけばそれで十分らしい。
これが耐水圧20000mmの実力だ!
心の中の黒いシミがすっかり大きくなったころ、ようやく5分が経過した。結果は正直もう僕自身の感覚としてはわからない…。高圧洗浄機担当が熱心に全方位から水をぶちまけてくれたおかげで、グローブはもちろん、ヘルメットの内部も浸水。レインウエアの性能とは関係ない部分から浸水が始まっているからだ。恐る恐る『ライディングレインスーツ』を脱いでみると…
確かにTシャツの首回りは浸水を許してるが、これはレインウエアの性能というより、ヘルメットと首の間から入り込んだ水でレインウエアの漏水ではない。…と言うわけで、高圧洗浄機による5分間のシャワリングテストは無事終了。すっかり暗黒面に堕ちた僕は、『ライディングレインスーツ』が高圧洗浄機の水圧でいかに浸水を許してしまったかについて、きっちりねっちりレポートしてやるつもりだったのだが、意外に頑張るじゃないか『ライディングレインスーツ』。これじゃぁコキ下ろしようがない(笑)。
ライディングレインスーツは撥水性もいい
ライディングレインスーツはムレにくい
あ、そうそう。ムレにくさである透湿性能に関しては、この1ヶ月間、雨が振り出しそうな雲行きになるたびに、“『ライディングレインスーツ』のテストができる! ”と喜び勇んで着用してきたので、改めてテストをするまでもなく実感している。透湿度20,000g/㎡・24hという数値は、24時間で1㎡あたり、20ℓの水蒸気を通すということだが、実際に結構な水蒸気が抜けているようでバイクで走っている分には内部のムレが結露を起こして衣服が濡れることなんてことはなかった。まぁ流石に日差しが出てくるような状況では暑くなって脱いだけどね。
なお付け加えるとすれば、雨に降られないから今回の高圧洗浄機でのテストに踏み切った訳だが、この撮影が終わった数日後、あっさり大雨に見舞われることになった。「レインウエアを新調すると雨に降られない」という僕的マーフィーの法則には、“ただし、その効力は一度レインウエアを濡らすと切れる”という補足の一文を付け加える必要がありそうだ。
ライディングレインスーツの価格とサイズ
●税込価格:10,780円
●サイズ:SS、S、M、L、LL、3L (SS はピンク×チャコールのみ。またピンク×チャコールはSS、S、Mの3サイズ)
●耐水圧:20000mm ●透湿度:20000g/㎡・24h
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