「そうさぁ~今こそ、アドベンチャァ~ッ!」と全世界のバイクメーカー(ハーレーダビッドソンまで!)が、そっち系モデルへ大きく軸足を置きはじめた昨今。我らがホンダを振り返ってみれば、あの“クチバシ”を持つ定番スタイルを採用して一躍大ヒットした「NC700X」が思い浮かびますね。ところがところがホンダのいわゆる“クロスオーバーコンセプト”の第一弾は「VFR(800)」ベースアイツだったのです!

2015_VFR800X走り

●2015年型「VFR800X」カタログより。アイツとはコイツ……と、言いたいところなのですが実はこのモデルの前身(初代クロスランナー ※輸出車〈後述〉)こそが“アイツ”=ホンダ・クロスオーバーシリーズの初っぱななのですね。“既存の考え方やカテゴリーにこだわらず、二輪車の持つ様々な可能性から生まれる魅力を融合していく”……というのがHondaの考えるクロスオーバーコンセプトの骨子。ちょいと分かりにくいですが、そこはそれ(笑)。考えてみれば“アドベンチャー”という言葉だって意味は「冒険」、「ワクワクするような体験」ですから……(^^ゞ

 

 

VFR800FというハイメカV4の貴公子【後編】はコチラ!

 

ST250という美味しいゴハン【前編】はコチラ!

 

ドキドキ♡ワクワク みんな大好き大冒険(アドベンチャー)!

 

「つかもうぜっ! ドラゴンボールッ!」と、どんな願いも叶える龍の玉をめぐって大冒険したり異星人や魔人たちと戦ったり子育てしたり蘇生したりする大ヒットアニメのテーマソングとして、「摩訶不思議アドベンチャー」がお茶の間で、街頭で、カラオケで、デパート屋上の着ぐるみショーで流れまくっていた1986年……。

ドラゴンボール1巻

●集英社 ジャンプコミックス「DRAGON BALL 1」著:鳥山 明 こちらの発売が1985年9月10日ですって、懐かしい! 当時、筆者は大学受験を控えた暗黒の高校3年生だったのですけれど、落ちこぼれどうしが寄り集まって週刊少年ジャンプを回し読みしつつ案外脳天気に過ごしていた記憶がございます。そんなことより、ドラゴンボール……連載開始から40周年となる2024年秋には完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)」が世界に向けて展開を開始するとか! オモシロ楽しいアドベンチャーの世界はアニメでもバイクでも永遠です!?

 

1986年パリダカNXR

●写真は「Hondaダカールラリー挑戦の歴史」より。1986年のパリ〜ダカール・ラリーを制し、以降4連覇を遂げることになったワークスマシン「NXR750」は“砂漠の革命(砂漠の女王とも……こっちのほうがイイ響きかな)”と称され、その開発&実戦で蓄積された膨大な知見は1988年に発売された「アフリカツイン」へも深く注入されました。そう、今に続くホンダアドベンチャーモデルの歴史は1986年が起点だった……と言っても過言ではないのです!

 

 

そんな1986(昭和61)年にミドルVFRの始祖たる「VFR750F」が誕生し 、紆余曲折を経つつそのブランドは脈々と受け継がれていったのですけれども……。

VFR750F白

●1985年度世界耐久選手権チャンピオンを獲得した栄光のワークスエンデュランサー「ホンダRVF750」の最新テクノロジーを色濃く受け継ぐモデルとして、1986年4月1日に発売を開始した「VFR750F(RC24)」。前後シリンダーの挟み角は理論上の一次振動をゼロにできる90度に設定され、カムシャフトの駆動方式は従来のチェーンからギヤ(歯車)の組み合わせに変えたカムギヤトレーン方式が採用されていました。

 

 

2006年、車名に排気量のない「VFR(RC46後期)」が俗に言う“INTERCEPTOR”カラーの「VFR・スペシャル」をリリースして以降進化をストップしてしまい、2008年にはラインアップ落ちをしてしまいました。

VFRスペシャル

●2006年12月8日に発売が開始された「VFR・スペシャル」……いやぁ、この青・赤・白のトリコロール配色の見事さよ! 紹介するたびカッコよく思えてきたので困ってしまいます(?)。781㏄のVTEC付きV4エンジンを積んだこの“RC46”を引っ込めてから2年後となる2010年に、発展的拡大版となる「VFR1200F/DCT」が登場したわけですから、そりゃもう800版はお役御免、お疲れさまでした〜。んじゃ打ち上げは近所のトリキ(鳥貴族)で……状態になるものとばかり。しかしホンダ開発陣は、まだまだ800版をあきらめていなかったのです!

 

 

 

嗚呼、ホンダが心血を注いで開発してきた水冷90度V型4気筒エンジンを搭載したモデルも、これにて終了なのか……とモーターサイクリスト編集部にて国産車アルバムを編集中に嘆き悲しんだ記憶がございます(V4マシンの後継機として2010年に驚きの登場をした「VFR1200F/DCT」に関する話はコチラ!)。

 

サーキットのイメージが強いV4エンジンをユニークな車体へ!

 

……とまぁ、日本国内市場だけを見ていればそうなのですけれど、欧州を中心に扱いやすいハイテクミドルスポーツツアラーとして根強い人気を誇っていた「VFR」は、以降も彼の地で販売を継続……そしてホンダV4の新たなる展開に世界はドギモを抜かれます

 

 

2010年11月、イタリアで開催されたミラノショーにおいて、ホンダは「Crossrunner(クロスランナー)」を出展!

クロスランナー 2010ミラノショー

●欧州ミラノショーにおいて2011年の市販予定車としてアンベールされた初代「クロスランナー」。VFR(RC46後期)」から781㏄水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブエンジン(バルブ数切り替えシステムである“V4 VTEC”も搭載)やピボットレスアルミツインチューブフレーム、そして前後17インチタイヤを履く足まわりなどを受け継ぎつつ外装を一新! 特徴的だったデュアルセンターアップマフラーを右側1本出しへ変更するなどの大きな変更が加えられ、スタイリッシュな風貌はもちろん、前傾姿勢の緩いライディングポジションまで実現していました

 

 

「VFR(RC46)」からエンジン、フレーム、足まわりほかの基本構成を流用しつつ外装や操作系、排気管の取りまわしを一新して、いわゆるアップライトなライディングポジションをライダーへ提供する“アドベンチャー”モデル的なスタイリングを確立していたではありませんか!

クロスランナー白

●ミラノショーで発表された「クロスランナー」。前後17インチのホイールにはめ込まれたオンロードタイヤがアスファルト上での快走を約束してくれるようです。もちろんサイドマウントツインラジエターや優れた環境諸規制対応力、当時最新だったABSなども継承済み……

2014_VFR真横

●あまりバイクに詳しくない人なら「クロスランナー」と「VFR(RC46)」が双生児であることを見抜くのは難しいかもしれません。外装類のシルエットからして関連性がまるでないですからね。なおフロントフォークとそれを締結する三つ叉(ステアリングステム)周辺のパーツ類も「VFR」と同じなため、「クロスランナー」はカウル内に収まる低いトップブリッジから“みょ〜〜〜ん”とハンドルステーだけが長く長くライダーへ向かって伸びていた……という印象が強く残っています

 

 

ヘッドライトのすぐ下にはそっち系モデルのアイコンである“クチバシ”がちょこんと付けられ、小さいながらも角度を付けられたウインドスクリーンは走行風をライダーのヘルメット直上へと跳ね上げることを約束。

 

排気系もパニアケースが素直に取り付けられるよう、デュアルアップマフラーから右1本出しのダウンマフラーへと変更されていました。

クロスランナー リヤ右

●大きく広げられたカモメの羽根みたいな形状を持つ、ハンドル周りの“みょ〜〜〜ん”とした形状が少しは伝わるでしょうか。ホンダ自身としても新しいコンセプトである“クロスオーバーモデル”をどう作ればいいのか試行錯誤をしていた時期のようで、左右に飛び出るサイドマウントツインラジエターを包み込むため少々ズングリムックリなカウリングとなったデザインも、今改めて見れば可愛らしい……と思えますね!?

 

初代クロスランナーはさりげなく日本にも導入されていた!

 

翌2011年に発売が開始された当時、世界唯一となるV4ミドルアドベンチャー「Crossrunner」は欧州で一定以上の支持を得ることに成功し、同年8月からは日本でも発売を開始

 

……といってもホンダの正規ラインナップではなく株式会社M-TEC[無限]が欧州向け「Crossrunner」を輸入し、専用の無限パーツを取り付けた車両を「VFR800X MUGEN」として販売するという、

VFR800X MUGEN

●2011年8月25日から全国の無限テクニカルショップで税抜き当時価格123万円(消費税5%込み価格129万1500円)、200台限定で発売された「VFR800X MUGEN」。専用の無限スリップオンマフラーとヘッドライト左右に貼られた無限デカールが目を引きますね。エンジンは最高出力102馬力、最大トルク7.5㎏mを発揮し、車両重量238㎏、シート高815㎜、燃料タンク容量21ℓというスペックが公表されていました

 

 

後に「VFR1200F/DCT」ベースの欧州版「Crosstourer」へ同様のカスタムを施してリリースされた「VFR1200X/XD MUGEN」でも繰り返された手法ですね。

VFR1200X MUGEN

2012年6月25日から「VFR1200X MUGEN(STDベース)/VFR1200XD MUGEN(DCTベース)」が合計100台限定で発売されました。STD版の消費税5%込み当時価格は163万2750円で、写真のDCT版は同173万3500円。標準装備された無限スリップオンマフラーはVFR800X版同様、排気効率を追求したストレート構造で軽量化にも寄与しており、最高出力は129馬力、最大トルク12.8㎏mの実力。車両重量はSTD=275㎏、DCT=285㎏、シート高850㎜、燃料タンク容量21.5ℓ

 

オン/オフモデル? クロスオーバー? アドベンチャー???

 

ここで余談なのですけれど、2010年代初頭というか2011年に「Crossrunnner」が出てからしばらく、ホンダは自社のバイクについて“アドベンチャー”というジャンルにくくられることを極端に嫌っていたという印象がございます。

VFR1200X ミラノショーコンセプト

●実は「Crossrunner」が市販予定車として出展されたイタリア“ミラノショー2010”において写真の「V4クロスツアラーコンセプト」も登場していました。もちろん、2012年に発売された「Crosstourer」の前触れとなるモデルだったのですけれど、市販版とはサイドカウルの凹凸やラジエター横〜エンジン下部を覆うカバーの形状、アンダーガードの有無などが異なっていますね。登場する直前まで完成度を高める開発が行われたことが見てとれます

 

 

代わりに強く訴求していたのが「クロスオーバー(コンセプト)」というキャッチワードでして、まさしくその言葉を想起させる「VFR(800)」ベースの「Crossrunner」を2011年に、2012年には「VFR1200F/DCT」ベースの「Crosstourer」、そしてご存じ「NC700X」を相次いでリリースし、かくなる勢いでなんとかムリヤリ「クロスオーバー」という呼び名を定着させようとしていたような……(笑)。

クロスオーバー相関図

●2012年2月24日に登場した「NC700X」のPRESS INFORMATIONより図版を抜粋。どこにも“アドベンチャー”というジャンル名はございません(^^ゞ 同ページには「既存の考え方やカテゴリーにこだわらず、二輪車の持つ様々な可能性から生まれる魅力を融合していくHondaの『クロスオーバーコンセプト』のモデルとして、『いつでも、どこでも、気軽に、楽しく、安心して』……(後略)」という文章も添えられていました

 

 

その後、国内外のメーカーを問わず猫も杓子も、♪アドベンチャ~♬という時代が到来してしまい、

ハーレー パンアメリカ

●いやぁ発表時、思わず「本気(マジ)!?」とモニターに向かって叫んでしまったハーレーダビッドソン謹製アドベンチャーツーリングバイク「パンアメリカ1250」(写真は発表時のもの ※電子制御式セミアクティブサスペンションやシート高自動調節機構などを持つ「パンアメリカ1250 スペシャル」もあり)。Vバンク60度の1252㏄水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブエンジンは152馬力/13.1㎏mのパフォーマンス! 車両重量はSTD=245㎏&スペシャル=258㎏、シート高STD=890㎜&スペシャル=722〜875㎜(!)、燃料タンク容量21.2ℓ。2023年モデルの価格はSTDが275万8800円、スペシャルは258万6800円。街を流すだけで注目を一身に集め、目立つこと間違いなし!

 

 

今やホンダも公式HPのバイクラインアップ〈カテゴリ別〉で「クロスオーバー」(もはや意地ですね!?)とともに「アドベンチャー」という区分けを(渋々?)併記しております。

ホンダCL250

●写真は「CL250」で、様々なシーンで映える“スクランブラー”スタイルをまとって堂々のデビューを果たしました(兄貴分の「CL500」も大人気!)。ベースは“レブル”なのでオンロード成分が強めながら、アップマフラーやフロント19インチ&リヤ17インチのセミブロックタイヤも採用しており、まさにオフロードとオンロードをクロスオーバーするモデルとも言えますね〜。というわけで現在のホンダウェブサイト〈カテゴリ別〉のくくり方はとても興味深いので、ぜひチェックしてみてください(コチラをクリック!)

 

 

シュッとした2代目「Crossrunner」が満を持して日本へ!

 

さて、話を戻しましょう。

 

輸出車である「Crossrunner」は、ベースとなっていた「VFR(RC46後期)」が「VFR800F(RC79)」へフルモデルチェンジされたのを受けて、2014年に大胆な刷新を果たしたあと日本での正規ラインアップモデルとして販売されることになりました……。

 

 

そうなのです、2014年12月12日に登場した日本名「VFR800X」は、欧州でいう「Crossrunner」の2代目モデルにあたるということなんですね。

2014_VFR800X赤

●はい、こちらが輸出車「Crossrunner」としては2代目ながら、日本市場では「VFR800X」という名前で最初に正規導入されたミドルV4クロスオーバーモデル。……車体にしっかり「Crossrunner」のロゴが入っているためややこしいですけれど、あくまで車名は「VFR800X」でございます。実質的には2015年モデルとして2014年12月12日から発売が開始され、消費税8%込み当時価格が138万2400円(年間販売計画台数は200台)。Vバンク90度の水冷4ストV型4気筒DOHC(HYPER VTEC)4バルブエンジンは最高出力105馬力/1万250回転、最大トルク7.6㎏m/8500回転という実力。車両重量は244㎏でシート高は815㎜/835㎜の2段階で調節が可能。燃料タンク容量は20ℓで60㎞/h定地走行燃費は27.4㎞/ℓ。「Hondaセレクタブルトルクコントロール」や「ABS」、「ウインカーオートキャンセラー」、「メインスタンド」などを標準装備し、オプションでクイックシフターも選べました。あ、このモデルにDCTはなく6速MTのみです

2014_VFR800F

●「VFR800X」より約8ヵ月前の2014年4月18日から消費税8%込み価格135万円で発売が開始されたホンダ「VFR800F(RC79)」。“X”同様、エンジン回転数に応じて駆動するバルブ数を(1気筒当たり)4⇔2と切り替える“HYPER VTEC”を搭載したV4エンジンは実力も当然“X”と同じ105馬力7.6㎏m。車両重量242㎏、シート高は789㎜と809㎜の2段階で調整可能、燃料タンク容量21ℓ、60㎞/h定地走行燃費は28.7㎞/ℓ。この“F”と上で紹介した“X”とではエンジンやフレームといった根幹部分を共通としながら、しっかり作り分けられていることがよく分かります。何といっても前後サスペンションのストローク量を2台で大きく変更したところが素晴らしい〜! 

 

 

ここでぶっちゃけますと、ホンダの国内向け広報資料ばかり見ていた筆者は、初代「Crossrunner」のことをすっかり失念していたのです(無限……M-TECさん、ごめんなさい)。

 

直近そちらに気付いて、「ふ~ん、こんな名菓ひよこのようなカワイイ車両があったのか……。いやいやいやちょっと待って。これデビューは『NC700X』より先じゃないの!? つまりホンダクロスオーバーコンセプトのパイオニアという、とても重要なモデルではないかぁ!!」と、しばし狼狽した次第……。

クロスツアラー リヤ左

●「Crossrunner」をこのリヤめからのアングルから見ると、“マス”がびっしり集中しているコロッとしたカタチ+ヘッドライト下からタンクの横へと回り込む“クチバシ”のシルエットがとても可愛らしく、何かに似ているよなぁ……と考えること約36秒。「あ! あのおまんじゅうだ!」とワタクシメの頭蓋骨へスポンジ状で収まる(?)灰色の脳細胞がひらめいたのです(下参照)

銘菓ひよこ

ひよこ本舗吉野堂がひとつひとつ丁寧に作り上げている「名菓ひよこ」。実に110年以上もの歴史を持つ愛くるしい姿のおまんじゅうは、きっとアナタも一度は口にしたことがあるはず……。筆者的にはこちらがとても「VFR800X」の斜め後ろからの姿に似ていると思ったのですが、いかがでしょうか? え? 鳩サブレーのほうが似てる? いやいや、そちらはカワサキ「GPZ250R」の代名詞……おっと、誰か来たようだ

 

 

サスストロークを大きく変えることで“ならでは”な操安性を獲得

 

そんなことはともかく、2015年モデルとして晴れて国内正規発売がスタートした「VFR800X」は、基本骨格とV4エンジン、吸排気系、電子制御系などを「VFR800F」(詳細はコチラ!)と同一としながら、外装はもちろんサスペンションなども専用設計!

2014_VFR800X

●2015年モデルの登場時、「VFR800X」に用意されたカラーは2色。そのひとつが写真の「パールグレアホワイト」で立体感を強調させるクールな印象を見る者に与えます。もう1色は目にも鮮やかな「キャンディーアルカディアンレッド」。塗色以外にも明るいシルバーのパーツと、マットブラックの部品(エンジンカバー類などに使用)を効果的に配することで、軽快感と重厚感がほどよくバランスしておりますね

 

 

フロントのクッションストロークは「VFR800F」比で25㎜延長された145㎜に。

VFR800X足まわり

●フロントには17インチの「ファインダイキャスト製法の中空ホイール」と前後タイヤには専用パターンのものを採用。クロスオーバーモデルらしい快適な乗り心地と、街中をキビキビ走れるフィーリングのバランスを実現したのです

 

 

リヤのアクスルトラベルは“F”比で28㎜延びて148㎜となり、まさにクロスオーバー(アドベンチャー)モデルと呼ぶに相応しい“足長族”となりました。

VFR800X プロアーム

●リヤまわりはVFRシリーズの象徴とも言える片持ち式プロアーム+プロリンクサスペンションの組み合わせ。アームを“やぐら型”とすることでねじれ剛性の最適化が図られました。見えづらいですけれど、タンデムステッププレートの裏側にはリヤショックのプリロード値をリモートで変更できるアジャスターノブが設定されています。ノブをクルクル回すことにより、身軽なソロ走行でもタンデム&フル積載でも走る状況に応じた最適な初期荷重をバネに掛けることができるのです

 

VFR800Xトラコンスイッチ

●「VFR800X」にも「VFR1200X」同様、安心感を提供するトラコン(Hondaセレクタブルトルクコントロール)が採用されていました。写真のスイッチを操作することにより、後輪駆動力のレベルを1レベル or 2レベル or オフで選択が可能。スリップ率が所定の値以上となったとき燃料噴射を最適にコントロールし、エンジントルクを低減させることでリヤタイヤの回転を抑制するのです

 

 

“足長族”になれば当然ながら腰高にはなってしまいますけれども、“F”同様、高さのアジャストが2段階で可能なシート(815㎜ or 835㎜)が標準装備されており、より自分の好みに合ったライディングポジションを選ぶことができるではないですか。

 

 

いざ乗ってみるとまんま「足が長いVFR800F」なのですけれど(笑)、視界も広がるアップライトな乗車姿勢で的確に躾けられた腰のあるサスペンションの挙動に身をゆだねますと、なんとも鷹揚な気持ちで状況を問わず“流せる”のには驚かされました。

2019年型VFR800X

●2019年型「VFR800X」カタログより。足が長くなったことによりトップブリッジも上方へ上がっているため長大なハンドルステーを使う必要もなく、汎用性の高いパイプハンドル(幅はワイドな683㎜!)が装着できた点でも「「ホンダ開発陣、分かってらっしゃる!」と感動した記憶があります。ドリュリュリュリュ〜!っと快音を響かせながらコーナーをクリアしていく気持ちよさは格別でしたね〜。2019年モデルで246㎏という車両車重は正直ライバルたちより相当に重めなのですけれど、ハンドリングは軽快かつニュートラルでかつ絶大な安心感を抱かせるもの……。セッティングの妙に舌を巻きましたヨ!

 

 

ちょっと気合いを入れてワインディングでHYPER VTECエンジンにムチを入れると、6400回転あたりで駆動バルブが2つから4つへ切り替わり、加速力はもちろん音質まで変化するV4ビートの排気音も高らかに、連続するコーナーを素早くクリアしていけます。

 

 

“F”のようにフルカウルではないので、前置きラジエターから排出される熱がこもることなく抜けていくという余録もありましたね~。

 

もちろん“F”同様、ETC車載器、メインスタンド、グリップヒーター、ウィンカーオートキャンセラーが標準装備(クイックシフターはオプション設定)というのもナイスでありました。

VFR800Xメーター

●“F”とはデザインが全く異なるLEDメーターを採用。デジタル速度計、バーグラフ式回転計、時計やツイントリップ、外気温計、燃料計はもちろん、ギヤポジション表示と燃費計、標準装備されているグリップヒーター(5段階&オフ)の状態告知、トラコン作動ランプなども見やすく一箇所へ集約されていました。黒地に白く浮き出る液晶の文字類は日中&夜間を問わず見やすく、サイバーな雰囲気もバッチリだったため思わずウットリと“浸れた”ものです……(^_^)

 

 

各種機能をアップデートしつつ生産終了まで全力疾走!

 

2017年1月16日には外観はそのままに各部の熟成を受けるフルモデルチェンジが敢行され、

2017_VFR800X黒

●同時に改良を受けた「VFR800F」同様、内部構造を3室から2室に変更した異形テーパー形状のマフラーを採用して出力が向上(最高出力は2馬力アップの107馬力へ、最大トルクは0.3㎏mアップの7.9㎏mへ。それぞれの発生回転数は変わらず)。同時に左カウル部に定格36W(12V3A)までのアクセサリーソケットが標準装備され、手動操作で5段階の調整が可能な可変タイプのアジャスタブルスクリーンも新採用(上下に54㎜移動が可能!)。さらに写真の「マットバリスティックブラックメタリック」が追加されて全3色展開となり、同時に車体各部の配色も見直され、より軽快感と高級感が演出されました。税抜き当時価格が5万円アップしたため消費税8%込みの価格は143万6400円と140万円の大台を超えてしまいましたが、年間販売計画台数は過去最高の350台へとアップ。開発陣の自信のほどがうかがえました

 

 

約2年後の2018年12月14日にはカラーバリエーション変更とともにETC2.0車載器を標準装備する変更を受けて、その仕様のまま2022年10月末の生産終了までフルスロットル……。

2018_VFR800X赤

●ここで「VFR800X」の塗色は高い人気を誇ってきた「キャンディープロミネンスレッド」1色に集約され、このまま2022年秋の大団円へ……。なお、小変更により税抜き価格がまたまた3万4000円値上がり(136万4000円)したため消費税8%込み価格は147万3120円へ。ちなみに、2019年10月から消費税が10%となりましたので、そちら込みの価格は150万400円となりました。ふぅ……

 

 

正直、アドベンチャージャンルの人気がとても高まってビッグなムーブメントが巻き起こるさなか、最後の最後まで“大ブレイクした”とは言えない販売状況に終始したのは残念ではありますが、約150万円+αクラスの価格と240㎏オーバーの車重をものともせず、希有なV4クロスオーバーを手にされた方々は押し並べて大きな満足を得ていると聞きます。

 

 

大人気バイクレース漫画「トップウGP」作者の藤島康介先生が最近“X”に金言をポストしていてなるほどなぁ、と思ったのですけれど「軽さは正義ではあるかもしれないが、重さは悪ではない」……まさにこの言葉を地でいく「VFR800X」。

トップウGP書表

アフタヌーンKC「トップウGP(12)」著:藤島康介 定価:759円 『逮捕しちゃうぞ』『ああっ女神さまっ』ほかのヒット作を持つ作者はバイクにも造詣の深い生粋のライダー! “X”でも鋭いポストを連発されております〜

 

 

いい中古車があるようならば、ぜひ興味を持っていただきたい傑作車です。

 

 

……てなわけで、ここからは完全に筆者の趣味。

 

ホンダにはこんなデッカイV4バイクもあったんだぞ~という追補版です。

 

 

悲運、悲運の大排気量V4スーパースポーツ 「VF1000R」

 

このモデル、「VFR800F」【前編】のときにでも紹介するべきだったのでしょうけれど、白状しますとその回の執筆中、ホント~にすっかり頭から抜け落ちており、あとになって「あ!」と……。

 

いやはや、華麗なる加齢つれい……いや、つらいものですネ。

 

 

そんなことはともかく「VF1000R」……

 

空冷の並列4気筒エンジンを搭載した「CB1100R」市販車ベースのプロダクションレースを席巻していたホンダが、新規開発した水冷V型4気筒を華々しく宣伝するために必勝を期して本気度400%で作り上げたマシンが「VF1000R」でした。

VF1000R

●4ストレーサー「NR500」による世界GP参戦で得た知見を全投入して仕上げられた、カムギヤトレーン方式の998㏄水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブエンジンは最高出力122馬力(130馬力というデータもあり)/1万500回転、最大トルク9.4㎏m/8000回転という当時としては“レベチ”なパワーを発揮! 乾燥重量236㎏(244㎏ or 249㎏というデータもあり ※仕向地などにより異なっていた可能性あり)で公称最高速度は260㎞/h、同0→400m加速は10.7秒だと発表されていたとか。シート高810㎜、燃料タンク容量は25ℓ(写真は1985年型)

 

 

前例がないため苦難だらけだった開発もなんとか進んで、当時の同排気量ライバルとは次元の違うエンジンパフォーマンスを獲得。

 

1984年のデビューも決まり、さぁプロダクションレースでバリバリ勝って、欧米でバリバリ売ってやるぞ……と目論んでいたところ発売前年の1983年に、①市販車レースのレギュレーションが750㏄上限になってしまうア~ンド、②ビッグバイク最大の市場であるアメリカがリッターバイクに対して過大なる関税(45%!)を掛けはじめる……という笑ってしまうほどのマイク・タイソン級ダブルパンチを受けてシオシオのパーに。

ダメージを喰らう人

●鍛え抜いた高性能も国家レベルの政治的判断やレース主催者側の(恣意的な!?)ルール改変の前には無力……

 

 

それでも意気に感じてタイ米……いや、大枚はたいて購入してくれた全世界のホンダV4タニマチさまのおかげで少なくない車両が市場へと出回り、それを逆輸入した車両がニッポンにはある程度存在しているため、現在においても中古車が選べる……というマーベラスな状況になっているのです。

 

欧州向けはどんどんゴージャスな方向へ! 「VF1000F/-Ⅱ」

 

「米国で売れないなら欧州で数を出せばいいじゃない」と某国の某妃が言ったかどうかは知りませんが、ホンダとしてもV4エンジン開発にかけた莫大なコストをなんとかして回収しなければなりません

 

というわけで、もともと主としてヨーロピアンな方々向けに“R”と同時開発していた「VF1000F」の重要性はとみに高まりました。

VF1000F

●1984年型「VF1000F」。令和の目で見てしまうと、どこかで見たことがあるようなディティールを寄せ集めたようなスタイリングに感じてしまいますね。2代目「VT250F(MC08後期)」が超マッチョになったような……!? いや、これはこれで十二分にカッコいいのですけれど。カムギヤトレーン方式ではなくカムチェーン駆動が採用されたV4エンジンは116馬力/9.0㎏mと“R”仕様より若干デチューンされていました。乾燥重量233㎏、シート高820㎜、燃料タンク容量23ℓ

 

 

日本市場で人気を博した「VF750F」とよく似たスタイリングは1984年の登場直後から彼の地でも好評だったのですけれど、そこはそれアウトバーンほかの(超)高速道路が国境をまたいでつながっている地域柄……。

 

「ナイスな性能だけど、ハイスピードツーリングがもっと楽になる仕様も欲しいなぁ~、ビッテ」という声に応え、デビュー翌年の1985年には速攻でフルフェアリングの「VF1000F-Ⅱ」が登場(その写真ほか「VF1000R/F」に関する情報はコチラをご照覧ください

 

「これだよ、これ。メルシー!」と彼の地の高速移動ライダーたちから一定以上の支持を集めたと聞いております。

 

縦置きV4エンジン+シャフトドライブ「ST1100/1300パンヨーロピアン」

 

「ホンダV4! ハイスピードツーリングにとてもイイよ! こうなったら、がっつりカップルで泊まり込み旅行へ行けるようなモデルも作れない? ペル ファヴォーレ!」という欧州からの意見が「VF1000F/-Ⅱ」の良さが広く浸透したのち、数多くホンダへ寄せられたとか……。

 

ならば! と開発陣が総力を挙げて作り上げた汎用二輪型欧州縦横無尽旅指向リーサルウェポンが1990年に輸出車としてデビューした「ST1100 PAN-EUROPEAN(パンヨーロピアン)」でありました。

ST1100赤横

●バンク角90度の縦置き1084㏄タイミングベルト駆動の水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブエンジンは最高出力100馬力/7500回転、最大トルク11.3㎏m/6000回転を発揮し、メンテナンスも楽チンなシャフトドライブと組み合わされました。車両重量293㎏、シート高800㎜、燃料タンク容量28ℓ(!)、標準装備のパニアケースは専用設計のため、左右幅の張り出しが少ないのにフルフェイスヘルメットを軽々と飲み込む大容量を誇るのだとか。トラクションコントロールシステム、ABSも装備されていました(※トラコン、ABSを装備しない仕様もあり)

 

1990_ST1100PE

●筆者が編集に深く関わった『Technical Illustrations of HONDA MOTORCYCLE(ヤエスメディアムック474)』へ収録した「ST1100 パンヨーロピアン」の透視図。ピストンの配列、縦置きされているクランクシャフト、ミッション、クラッチ、そしてドライブシャフト、リヤサスペンションの構造が一目瞭然ですね。欧州では白バイに採用されるなどメジャーな存在となりましたが、正規販売されなかった日本では……。しかし、好きな人には刺さりまくる存在ですので、想定を超える台数が日本へ里帰りしているとも聞き及んでおります

 

 

縦置きにマウント(クランクシャフトが車両の長軸……前後方向に沿って配置)されたシリンダー挟み角90度の1084㏄水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブエンジンは(ほぼ)メンテナンスフリーのシャフトドライブと組み合わされてフルカバードのツアラーボディへと搭載!

1990_ST1100エンジン

●「ゴールドウイング(GL1500)」同様に、カムシャフトはタイミングベルトによって駆動されました。水平対向エンジンとは違い、V型エンジンは車体下部をスリムにすることが可能=バンク角を深くできるので壮大なワインディングをフルバンクでガンガン攻めるヨーロッパユーザーにとっては当時、最適解に近いパワーユニットだったのです〜

 

 

2002年には排気量を1261㏄にアップした「ST1300 PAN-EUROPEAN」へ進化してSTシリーズは堂々のロングセラー化

2014_ST1300

●写真は「ST1300 パンヨーロピアン」。1261㏄に排気量が拡大されたV4エンジンは最高出力118馬力/8000回転、最大トルク11.9㎏m/6500回転の実力で、内蔵された2軸バランサーの効果により振動は最小限に抑えられていました。シャフトドライブも踏襲されたものの、そのスイングアーム並びにメインフレームはアルミ製へと進化。エンジンヘッド直下、翼のように張り出したバンパーは万が一の転倒時、真っ先に地面へと接地することでライダーと車体へ重大なダメージが伝わらないような形状と材質が採用されております。乾燥重量276(ABS付きは283)㎏、シート高790㎜(±15㎜)、燃料タンク容量29ℓ(!)。あ、ウインドスクリーンは電動で上下いたします(ABSモデルのみ)

 

ST1300

●……ど〜ですか、お客さん! 水平対向4気筒 or 6気筒の「ゴールドウイング」とはまた全くキャラクターの異なるカッコいいV4エンジン欧州国境横断ツアラーがホンダには存在していたのです。金の翼はもちろん、800㏄Vツインの「パシフィックコースト」まで一時期は国内モデルとしてラインアップ入りさせていたホンダが、どうしてSTシリーズを日本市場で(お試しでも)正規販売しなかったのか不思議……。とはいえ逆輸入された車両はある程度の数にのぼるそうです。皆さん好きねぇ……

 

 

まさかのクルーザー転生で最後のひと花を咲かせたビッグV4!「CTX1300」

 

「ST1300 パンヨーロピアン」は惜しまれつつも2013年に生産が中止され、さすがにそのままフェードアウトするのかな……と思いきや、そちらの縦置きV4エンジンを継承しつつ最新の環境諸規制へも対応させた新型クルーザー「CTX1300」が2014年に爆誕!

勇者イメージイラスト

●欧州指向のスポーツツアラーから超弩級のクルーザーへ……ライトノベルの異世界転生モノもビックリな生まれ変わりっぷりに筆者も仰天!

 

 

こちらは日本市場へも導入され、大いに驚かされました(残念ながら2016年に生産終了……)。

CTX1300

●レギュラーガソリンに対応しながら低・中速域のトルクが増大された珠玉の縦置きV4エンジン(84馬力/10.8㎏m)は、オーソドックスなスチール製ダブルクレードルフレームに搭載され、操る楽しさとクルージング時の安定感を両立。ミッションは5速でシャフトドライブというところも踏襲されました。アルミ製ホイールのデザインは完全新設計されたもので視覚的なインパクトもバツグン! 美しいカーブを描くエキゾーストパイプは車体下部で待ち構える巨大なキャタライザー入りチャンバーで合流し、排気の消音と浄化を効果的に遂行……。音量は十分に抑えつつ独特な鼓動感溢れるV4サウンドは乗り手へよく聞こえてきたものです。車両重量338㎏、シート高740㎜、燃料タンク容量は従来のSTシリーズからグッと減って19ℓに(^^ゞ

CTX1300メーター

Honda二輪車として史上初となるブルートゥース対応可能なオーディオシステムを搭載しており、スマホ内にある音楽データをワイヤレスで気軽に聴くこともできました。メーター横には強力なネオジウムマグネットを採用した高音質な50Wスピーカーが左右に鎮座し、最高出力40W×2のアンプと専用の音響チューニングにより、ライダーへ最適な迫力ある音楽を提供! オプションのハイスクリーン(品名は「ウインドスクリーン」)を装着すれば、そのサウンドはさらに没入感あるものへと変化……いやはや、イタレリツクセリでございました〜。2014年2月21日に国内発売されたときの税抜き本体価格は175万円で、消費税5%込みの価格は183万7500円ナリ

CTX1300白

●色は「ダークネスブラックメタリック」と「パールサンビームホワイト(写真)」の2色展開。ロー&ロングなプロポーションは、弟分として設定された「CTX700シリーズ」と共通なイメージですね。容量35ℓのパニアケースは専用デザインで標準装備。その他、トラクションコントロールにコンバインドABS、ETC車載器、グリップヒーター、ウインカーオートキャンセラー、メインスタンド、シート下アクセサリーソケット、USB機器の充電が可能な端子なども標準で装備されていました。スゴイですなぁ〜

 

 

以上、駆け足ではございましたが、大排気量ホンダV4モデル群がしっかりバイク史に爪痕を残していったことを知っていただけたならば幸いでございます。

 

前半で紹介した「VFR800X」はもちろん、後半に紹介したST&CTXシリーズも丁寧に扱われた中古車がまだまだ流通しておりますので、こちらも縁がありましたら是非前向きに購入ご検討を……。

 

さて、次回からは超ハイテクマシンからまた逆方向へ振りまくり(?)まして超シンプルバイク、スズキ「ST250」界隈を与太与太と歩いてみたいと思います。

ST250Eタイプ

●写真はスズキ「ST250 Etype」……。ひえぇ〜っ! 今グーグル先生に尋ねてみてビックリしたのですけれど、元祖となる「ST250」は今から20年以上前、2003年に登場していたのですね。関連するネタ、いろいろ仕入れてまいります〜。乞うご期待!

 

 

あ、というわけでホンダのミドル~ビッグV4は「VFR800F/X」はもちろん、「VF1000R」、「ST1100/1300」系、「CTX1300」とバラエティに富む展開をしており、レッドバロンに上質な中古車があれば安心して長く楽しめることは間違いなし! 膨大な中古車群のなかにアナタにピッタリなホンダV4がきっとあるはずです! まずはお近くの店舗で在庫検索&バイクライフに関する質問&相談をしてくださいね~!

 

 

ST250という美味しいゴハン【前編】はコチラ!

 

VFR800FというハイメカV4の貴公子【後編】はコチラ!

 

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